LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

FABIO MONTALE アラン・ドロンの刑事物語(3)

2005-10-28 | THE 00'S CINEMA
第3話のタイトルは“SOLEA”
これは『ソレタード=孤独』を意味するアンダルシア地方の方言とのことですが、
劇中ドロン扮するモンタル警視が愛聴するレコードにある曲の題名からの引用でもあります。
そのアルバムとは、1959年発表の
マイルス・デイビス/スケッチ・オブ・スペイン +3
です。(「SOLEA」は5曲目に収録されています。)

実際にドラマの中でこの曲が流れることは一切ありませんでしたが、
主人公モンタルの孤独な心情を表すジャズ調のサントラの曲に
「SOLEA」の雰囲気を受け継いだようなものを感じることができました。

マイルス・デイビスのことをより深く知りたくなり、
CBSの公式サイトMiles Davis
を見たり、研究本を買って読んだりしているうちにあることに気がつきました。

「アラン・ドロンとマイルス・デイビスには共通点がある。」

ということです。

その共通点とは、
「二人の経歴を辿ることにより各々の活躍する分野の歴史が見えてくる」
ということです。

上記サイトにあるようにマイルスの経歴は初期のハードパップ時代から
後期のエレクトリック時代に至るまで、常に時代の先頭を走り続け、
彼とコラボレートしたミュージシャンはそれぞれマイルスを離れて
単独で活躍の場を広げてからも「以前マイルスと共演した」ことを
ひとつの勲章のように言われます。
マイルスの歴史はすなわちモダン・ジャズの歴史でもあります。

一方のアラン・ドロンはどうかというと、
彼もまた初期の巨匠監督たちに使われていた時代から
中期後期のアデル・プロ独立プロデューサー時代に至るまで、
常に近代フランス映画界の中心に位置し、
彼と共演した俳優や演出した監督はそれぞれ単独でも独自の地位を築いています。
残念ながら休止中ですが、ライブ(舞台)活動にも積極的で
創作意欲が衰えていないことも晩年のマイルスに似ているように思います。

二人の天才アーティストは恐らくお互い会ったことはないでしょうが、
これからも私たちに大きな影響力をもたらしてくれることは間違いありません。
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