LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

太陽がいっぱい PLEIN SOLEIL(1)

2015-06-22 | THE 60'S CINEMA
【画像リニューアルの為、2005年7月25日の記事の再投稿】


Plein soleil (1960)

アラン・ドロンさんが世界的に有名になった代表作としてあまりにも有名なこの作品については、これまでもいろいろなブログで語り尽されていますが、改めて私なりの感想をここに書き留めておきたいと思います。

映画が始まってすぐに現れる冒頭のメイン・タイトルですが、これは007シリーズで有名になる直前のモーリス・バインダーのデザインによるもので、劇中ドロンさんが扮するトム・リプレイが得意とするサインの真似をモチーフにしながら、主要なキャストと監督の名前が画面に映し出された後、まるでろうそくの炎が噴きあがるように映画の題名である“PLEIN SOLEIL”の文字が登場し、これからのドラマの展開を不気味に予感させられます。

撮影当時24歳のドロンさんの若々しい姿は今の年齢の自分から見るといささか物足りない、というのが率直な感想なのですが、それでも24歳にしてあのような複雑な心理表現が自然にできるドロンさんの演技を観ると、それまでの人生で彼が経験してきた苦労がいかほどのものであったのかと想像せずにはいられません。そしてそのようなドロンさんの人生に対する興味がそのままトム・リプレイという人物像への観客の感情移入に直結しているところが、この作品の最大の特徴であると思います。(近年アメリカでリメイクされていますが、キャスティングを見て、これは全く別物だと認識し未見です。)

その他の主要なスタッフ・キャストの撮影当時の年齢について見てみますと、
原作パトリシア・ハイスミス39歳
監督ルネ・クレマン47歳
撮影アンリ・ドカエ45歳
音楽ニーノ・ロータ49歳
モーリス・ロネ33歳
マリー・ラフォレ20歳
Billy Kearns(フレディ役)37歳

となっており、正に脂の乗り切った年齢のスタッフと新進気鋭の俳優陣との理想的な共同作業であったことがうかがえます。
しかしモーリス・ロネがドロンさんとコンビを組んだ割にはかなり年長なのが意外です。
フレディ役の俳優になるとさらに年上になっています。
それでも映画ではドロンさんとその二人が並んでいても実際の年齢差はあまり感じません。
これはドロンさんがこの二人に引けを取らない人間的な深みを持っている為、それが外見にも表れていているからなのだと思います。
(決してドロンさんが老けているというのではありません。)
Comments (3)
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