陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

ライス女史の<忘れない>作戦に学ぼうではないか

2008-07-02 06:33:35 | 拉致問題
 コンドリ-ザ・ライス女史は、「現実的外交」の巧者との下馬評である。彼女のアドバイザー、<忍者>キッシンジャー氏もその成長振りに目を細め、感銘を受けているだろう。日本は、彼女のやり方をしっかりと学んで、頼り無い外交をレベルアップしなければならぬ(笑)。

 最近、ライス女史は、「・・・を忘れない」と言うフレーズの現実的効用をわが国に教えてくれた。やるぞ、やるぞと見栄を張って相手に大きな期待を持たせ、さらりと肩透かしを食らわせる。そして、平然と「・・・を忘れない」と釈明するのである。国際外交の「免罪符」と言って良いだろう。

 同時に、相手が困っても、自国の利益のためと言い切るだけの度胸が必要。これを<忘れない>作戦と言うが、無能で何でも言う事を聞く最高責任者が横にいると絶大な効果を発揮する。考えてみれば、それは男女の付き合いの中で頻繁に利用されている陳腐で姑息な手段ではないか。

 2005年8月下旬、ハリケーン<カトリーナ>がルイジアナ州を襲い、ニューオーリンズは壊滅、大勢の貧しい黒人が死んで遺体が水に浮いた。その情報がワシントンに伝えられても、ライス女史はニューヨークの<フェラガモ>で大好きな靴を買い漁っていた。後で新聞記者に聞かれた時、「ニューオーリンズを忘れない」と彼女が言ったかどうか、私は知らない。

 早速、この作戦、そして現代<免罪符>を用いることを考えてみよう。

 <六者協議>において、北朝鮮へカネを渡す話になったら、協議離脱を仄めかす。米国から圧力が掛かれば、「拉致問題を忘れない」からとだけ伝える。小ブッシュ大統領は、自分もそれを強調していたし、直ちに納得するだろう(笑)。

 政策金利を現在の0.75%から1.5%へ上げる。低落しつつあるドルは、1ドル=90円以下になるだろうが、日本は原油高に対抗出来て都合が良い。米国からクレームが付けば、「サブプライム問題を忘れない」と言って平然としていれば良い。

 1兆ドル相当を持っている米国国債を3分の1程、売却する。米国からクレームが付けば「双子の赤字を忘れない」とリップサービスする。そのカネを国内で有効利用すれば、インフレ防止になる。

 米軍への思いやり予算年間6000億円を半額にする。米国からクレームが付いたら「日米安保を決して忘れない」と言って釈明する。自由になる3000億円は、電線地中化などの国内インフラ整備に用いる。

 国連分担金を現在の19%から5%程度に下げる。国連事務総長から懇請されても「国際協調を忘れない」と嘯(うそぶ)く。そのカネを電気自動車の技術振興に配分する。

 色々あると思うが、これらを行う背景には強い愛国心が必要。媚中・屈米を信条とする腑抜けの福田内閣には、とても出来ないだろう。結局、外交は恥知らずな裏切り行為に鈍感であることが第一の資質として求められるのだ。

(参考)

 ブッシュ政権の「北朝鮮拉致問題」裏切りが日米政界へ与える波紋
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