陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

加藤紘一代議士は日本人にあらず

2008-07-14 18:41:15 | 拉致問題
 自民党の加藤紘一代議士(山形3区=庄内地方)は、「帰国した拉致被害者5人を北朝鮮に返すべきであった」との考えだ。私はそれを知って、この人物は日本人では無いと改めて痛感した。

 国家の主要な役割は、国民の安全と財産を守り、領土・領海を他国の侵入から守ることにある。そのために国民から税金を集め、機能充実を図っているのだ。

 他国による日本人拉致は、我が国の主権を侵し国民の安全を踏み躙った犯罪行為である。本来ならば、戦争も辞さぬ姿勢で相手国の非人道性を咎め、あらゆる手段で拉致被害者全員を奪還し、謝罪と賠償を要求するのが当然である。

 日本国としては、拉致問題は主権の侵害であることを強く打ち出し、拉致被害者やその家族だけの人道問題に内容を極限化してはならない。加藤代議士は、政府の要職(官房長官と防衛庁長官)を歴任し、また自民党幹事長として長く国政に関与した人物である。そうした経歴があればこそ、誰よりも深く「北朝鮮が我が国の主権を侵害した」との認識を持たねばならないはずだ。その認識が無いなら、日本人と言えるのであろうか。


加藤氏「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」と発言
家族会・救う会が抗議声明
2008.7.9 14:40

 自民党の加藤紘一元幹事長が拉致被害者5人について「国家と国家の約束だから北朝鮮に返すべきだった」と発言したことをめぐり、拉致被害者家族会(飯塚繁雄代表)と「救う会」(藤野義昭会長)は9日、「拉致被害者や家族の思いや不安をまったく理解しようとしない加藤氏に強い憤りを覚える」と抗議声明を出した。

 加藤氏は7日夜のBS番組で、小泉純一郎首相(当時)が訪朝した平成14年秋、拉致被害者5人が帰国した際、政府が5人を北朝鮮に返さないことを決めたことを「当時官房副長官だった安倍晋三前首相を中心に(拉致被害者を)返すべきでないと決めたことが日朝間で拉致問題を打開できない理由だ。返していれば『じゃあまた来てください』と何度も何度も交流していたと思う。そこが外交感覚の差だ」などと発言。金正日総書記が拉致問題を認め、謝罪したことについても「天皇陛下みたいなポジションにいる人物だ」と述べた。

 「家族会」と「救う会」の抗議声明では「5人が北朝鮮に戻されていれば『自分の意思で戻った』と言わされたあげく『拉致問題は解決済み』という北朝鮮の主張に利用されたであろうことは少しでも外交感覚のある人には明らかだ」と指摘。「不見識極まりない発言だ。加藤氏の精神構造を強く疑わざるを得ない」と批判した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080709/plc0807091442015-n1.htm

 加藤氏の表現は、ならず者が人質を部分的に解放した時、解放された人達をもう一度人質として送り返して、ならず者と交渉しろと言っているのに等しい。そして、ならず者に食料やカネを卑屈な姿勢で与え、体力を付けさせることばかり考える。これでは、加藤氏はならず者の味方と思われても仕方あるまい。

 天皇陛下と冷酷な独裁者金正日氏を同じ立場に考える感覚には呆れるだけだ。国民の間から、こうした不敬発言に対しクレームが付かないのはどうしたことであろうか。

 拉致被害者家族の地村保さんが、加藤発言に怒るのは当然だ。


「加藤紘一氏は日本人か」 地村さんが抗議FAX
2008.7.11 00:32

 自民党の加藤紘一元幹事長が北朝鮮から帰国した拉致被害者5人について「(北朝鮮に)返した方がよかった」と発言したことに対し、拉致被害者の地村保志さん(53)の父保さん(81)が10日、元幹事長あてに「本当に腹が立つ」などとする抗議文を送った。

 抗議文は元幹事長の議員事務所にFAXで送られた。抗議文で保さんは「貴殿はそれでも日本人かと言いたい」と元幹事長の発言に怒りをあらわにしている。

 平成14年に保志さんが帰国した当時を「栄養失調寸前の息子たちを見て、北朝鮮には絶対返さないと誓った」などと振り返った上で、現在も拉致被害者が北朝鮮に残されていると指摘。「拉致問題の全面解決のために今まで以上に頑張ってほしいと思っている今日、貴殿の様な発言は、本当に腹が立ちます」としている。
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080711/kor0807110035000-n1.htm


 家族会の猛反発と世論調査などで国民の不信感が高まったのを知った加藤代議士は、自らのHPで釈明を行ったが、国民の納得はまず得られまい。

加藤紘一氏「拉致問題」発言をHPで釈明
2008/7/11

自民党の加藤紘一元幹事長は、BS放送の番組で拉致被害者を北朝鮮に戻すべきだったなどと発言し、家族会などから抗議されたことを受け、自身のホームページで釈明した。

加藤氏は2008年7月7日夜に日本BS放送の番組に出演し、司会で漫才師の西川のりおさんらと対談。そこで、北朝鮮の拉致問題がテーマになり、西川さんから、被害者を戻した方がよかったかどうかを確認され、加藤氏は、「当然です。国家と国家の約束ですから」と述べていた。

加藤氏は7月9日付のHPで、「(加藤氏発言の報道で)多くの皆さんが違和感を抱いたり、怒りを感じたり、悲しんだりしておられるようです」と述べたうえで、「約束を守るべきだった」と述べた真意は、「拉致という犯罪を犯した北朝鮮から、『日本は約束を守らなかった』などといわれてはならない」「当時北朝鮮はアメリカの攻撃を恐れていたから、一気呵成に交渉を進めて、拉致問題の全面解決を図るべきだった」ということだったなどと釈明した。HPでは、この番組での発言を掲載している。
http://www.j-cast.com/2008/07/11023377.html


 加藤紘一氏のHP http://www.katokoichi.org/ では、だらだらと放送番組の発言内容を記している。要は、ならず者国家にとやかく言われたくないから、彼らとの約束を守るのが重要と言う幼稚な発想であり、拉致された同胞への同情を少し述べてはいるものの、主権侵害への憤りなどは全く無い。

 こうした発言を行って恬として恥じない加藤代議士や他国のエージェントのような山崎拓代議士が何時までも国政に関与していては、国家のためにならない。選挙区住民が国会議員のあり方を真剣に考えて、彼らを落選させることが重要だ。
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1 コメント

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山形県人の良識 (ryousuke)
2008-07-14 21:42:20
次の衆議院選挙で加藤紘一代議士を当選させるようなことがあれば、日本全国の人間が山形県人の良識を疑うであろう。
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