陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

「2008岩手・宮城地震」が与えた影響

2008-06-16 05:19:23 | Weblog
 6月14日(土)午前8時43分に起きた「岩手・宮城地震」は、M=7.2で相当に大きな地震エネルギーを伴っていた。同時に、揺れの加速度は、4022ガルに達し、記録上は本邦最大と言う。激震地で道路が寸断されたのはそのためか。

<岩手・宮城地震>4000ガル超 国内観測史上最大を記録
6月16日0時47分配信 毎日新聞

 岩手・宮城内陸地震で震源に近い岩手県一関市で、瞬間的な揺れの強さを表す加速度が4022ガルを記録していたことが分かった。観測点を設置していた防災科学技術研究所(茨城県つくば市)が15日、発表した。重力加速度の4倍を上回り、国内の地震で4000ガルを超えたのは初めて。重力加速度を超えると、固定されていない物は飛び上がる。

 観測によると、上下方向の揺れが水平方向の約3倍あり、上下に断層がずれる逆断層型地震を反映している。研究所は「逆断層の真上の地震対策を考える上で貴重なデータになる」としている。

 これまでの記録は、04年10月の新潟県中越地震の2515ガルだった。【江口一】
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080616-00000002-mai-soci


 この地震で亡くなった方は9名になったが、行方不明者が13人もいるので犠牲者は更に増えるだろう。実にお気の毒なことである。負傷者は、5県合わせて258人。

温泉旅館で3遺体発見=死者9人、不明13人に-岩手・宮城内陸地震
6月16日1時30分配信 時事通信

 震度6強を記録した岩手・宮城内陸地震で、15日午後、7人が生き埋めになった宮城県栗原市の旅館「駒の湯温泉」の捜索現場から男性1人、女性2人が発見され、死亡が確認された。発生から1日が経過し、死者は9人になった。行方不明者は13人、重軽傷者は250人を超えた。

 震度1以上の余震は16日午前0時までに289回。二次災害の恐れもあり、不明者の捜索は難航した。

 宮城県警によると、駒の湯温泉で見つかった死者は、同温泉を経営する菅原孝さん(86)の妻チカ子さん(80)、いずれも宿泊客だった東京都葛飾区の観光コンサルタント麦屋弥生さん(48)と、北区の鉄道博物館学芸員岸由一郎さん(35)。3人は窒息死だった。

 同温泉では菅原さんの長男(58)と従業員3人が見つかっていない。

 県警や自衛隊は15日早朝、千数百人態勢で不明者の捜索を再開。男性作業員(32)の行方が分からない栗原市の工事現場などで、岩盤崩落や土砂崩れでできた「天然ダム」決壊の恐れがあり、日中に捜索を中断した。

 日没のため、同日の捜索は午後7時ごろまでにすべての現場で打ち切られた。16日午前5時から再開される。

 ほかに渓流釣りに行った男性や山菜採りに出掛けた山形県の夫婦ら8人が不明になっている。

 同市の国道から谷底に転落した車で死亡していた男性は同県大崎市の土木作業員樋野政行さん(59)と確認された。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080616-00000004-jij-soci


 家屋倒壊戸数は、4県合わせて129棟であるが、火事が出なかったのは不幸中の幸いであった。その外土砂崩れ箇所も多いと思うが、その数はまだ不明。

 電気、水道などのインフラもかなり痛めつけられた。当日の毎日新聞記事によると

岩手・宮城内陸地震:生活直撃 停電2万戸超、道路寸断…

 地震の影響で、岩手県などの7発電所が停止し、2万戸以上が停電した。新幹線がストップし乗客約2000人が車内に閉じこめられたり、橋が崩落し道路が寸断されるなど生活を直撃した。

 ■電気・水道
 経済産業省によると、午前10時現在、栗原市など宮城県内で1万9983戸、岩手県内で2164戸の計2万2147戸が停電した。午前11時現在も約1万8000戸が停電中。東北電力によると、岩手県などにある水力6カ所、秋田県の地熱1カ所の計7カ所の発電所が停止した。

 岩手県金ケ崎町によると、水道管が破裂し道路が冠水、一部で断水している。宮城県大衡村の工業団地では水道管から漏水し、同県登米市でも24戸が断水している。

 ■電話
 宮城県栗原市で95世帯の加入電話が不通になっている。携帯電話では、NTTドコモの基地局4局に被害はあるが不通になっているエリアはない。ただ宮城県内からの発信は規制している。auも目立った被害は無いが、同県内で発信を規制している。

 ■鉄道
 JR東日本によると、午後1時現在、東北・山形・秋田の3新幹線は全線で運転を見合わせている。脱線はなく、けが人もいない。下り「はやて・こまち1号」(乗客約1000人)と上り「はやて・こまち4号」(同750人)が仙台-古川間で、上り「やまびこ46号」(同300人)が一関-水沢江刺間で、乗客を乗せたまま停車した。

 このうち、やまびこ46号は地震直後、岩手県一関駅の3キロ北でストップし、約3時間後、やっと乗客を線路に降ろして避難誘導した。「はやて・こまち」2両の乗客は、午後1時現在も閉じこめられたままになっている。

 東北新幹線は東京-仙台間が午後復旧する見込みだが、仙台-八戸間は線路を点検するだけで夕方までかかり、運転再開の見込みはたっていない。

 在来線は岩手、宮城、秋田、山形、青森の5県で運転を見合わせたが、一部は運転を再開した。

 ■道路
 岩手県一関市の(祭畤まつるべ)大橋が崩落したり、宮城県栗原市の国道398号で土砂崩れが発生し、秋田県境までの約20キロが通行止めになった。
 高速道路は東北道の福島飯坂IC(インターチェンジ)-花巻IC、秋田道の北上JCT(ジャンクション)-横手IC、山形道の村田JCT-山形蔵王ICなどの各区間で、通行止めになった。

 ■空
 空の便は青森、三沢、花巻、福島、仙台など9空港が点検のために一時閉鎖されたが、午前9時45分までに運航を再開した。日本航空によると、午前8時50分に花巻空港に着陸予定だった中部国際空港発の3161便が滑走路の揺れのため上空で旋回。約15分遅れで着陸した。【工藤哲、高橋昌紀、奥山智己】

毎日新聞 2008年6月14日 12時04分(最終更新 6月14日 13時52分)
http://mainichi.jp/select/today/news/20080614k0000e040053000c.html


 地震や台風災害が起きると何時も思うのであるが、我が国は電力配線や通信回線の地中埋設、それも共同溝化を強力に推進すべきと思う。大都会では、一部進んでいるけれども、地方都市は電柱だらけで地震が来れば直ぐに倒れる。九州・四国地域も電線地中化は余り進んでいないし、毎年の台風で電柱がなぎ倒されている。

 東北地域は豪雪地帯が多いから、市街地の除雪で電柱が障害となる。道路財源を使って、電線地中化の公共工事を集中的に進めると、単なる道路造りよりも地域振興に役立つのではないか。

 そして、地方都市の景観もぐっと良くなると思う。先進国の都市景観で日本は一段と劣るが、その理由の一つに乱立する電柱と蜘蛛の巣のような空中電線がある。公共工事増強と言うと、大方の人は眉をひそめるかもしれないが、防災、美観確保のためと地域振興策として政府は電線地中化を取り上げて欲しい。

 加えて、政令指定都市並びに県庁所在市には、無料のワイヤレスLANスポットを国費で多数設置して、多重ネットワークを構築すると災害発生の時にかなりの力を発揮すると考える。電線地中化やワイヤレスLAN設置は、内需拡大を図るための有力な手段である。


(追記:6月16日)

 道路が寸断されて、インフラもかなり被害を受けているのに、国交省の態度は冷たい。「四川大地震」では、言われなくても大金を送り、自国の被害者に対しては素っ気無い姿勢。福田<珍班>政権の本性を遺憾なく発揮している態度ではないか。

国交相、激甚災害指定は慎重に検討 岩手・宮城内陸地震

 冬柴鉄三国土交通相は15日、岩手・宮城内陸地震の激甚災害指定について「これから検討する」としたうえで「(激甚災害指定には)要件があるが、建物がほとんど壊れていない。雪深いために屋根が軽いなど、非常に地震に強い構造だ」と慎重に検討する考えを示した。首相公邸前で記者団に語った。(07:04)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20080616AT3S1501915062008.html
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2008-06-16 06:13:25
あの旅館は

手抜き工事、手抜き工事だよ
返信する
こんばんは (SAKAKI)
2008-06-16 21:17:39
地震の状況はどうですか?ご無事そうでなによりです。
激甚災害指定が直ちにされると思いましたが、確かに建物の被害は少なく、人的被害も大きな揺れたった割りに小さかったように思えます。

 ご挨拶が遅れましたが当ブログは閉鎖することにしました。いろいろお付き合いいただきありがとうございました。

 
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どうかブログを続けて下さい (茶絽主)
2008-06-17 05:39:24
榊様
当地は、何ら被害無しで、御心配頂きお礼を申します。

貴ブログは、発想がユニークで、楽しく読ませていただいていますが、エントリーを減らしながらお続けになられては如何でしょうか。
我が国の政治・経済は出口の無いトンネルに入ったようで、それらにコメントをしているだけでも疲れてしまいます。ですが、ブログに何かを書き残しておく事は、貴台にしてみれば嗜好を整理する意味で有意義なことでしょうし、読ませていただいている私達にとっても刺激が得られます。
何とか、御再考をお願いしたいところです。
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