陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

バングラデシュがサイクロンで大被害

2007-11-20 09:40:13 | Weblog
 11月15日にバングラデシュを襲った巨大サイクロン<シダー(Sidr)>は、甚大な被害を現地に与えた。最大風速は215km/hr=59.7m/sec(944hPa)に達したと言うから、その打撃は想像するに余りある。

サイクロン死者が3000人突破 1万人規模との見方も
2007.11.19 Web posted at: 10:55 JST- CNN

バングラデシュ・パトゥアカリ──バングラデシュ南東沿岸部を15日直撃した大型サイクロン(熱帯低気圧)について、同国軍は19日、死者が3114人に増加したと発表した。死者数は今後も増えると予想されており、赤新月社の関係者は18日、5000─1万人が死亡した恐れがあるとの懸念を表明した。

サイクロンで何千人もの人々が行方不明になっており、推定29万人が家屋を失った。アハメド大統領は18日、被災者への物資配給を支援したが、物資が行き渡らないことに強く反発した住民が治安要員ともみ合う場面もあった。

米国は総額200万ドル以上の緊急援助を申し入れたうえ、現地の復興支援活動を支援するため海軍の航空母艦2隻を派遣した。また、米国際開発局を通じて支援物資を空輸し、推定1万5000人の負傷者の治療に向けて米国防省の医療チーム18人を現地に派遣した。

バングラデシュ政府は17日の緊急閣議で被害規模について検討したものの、遠隔地の被災状況がまだ不明のため、予想を上回るとみられている。

人道団体ワールドビジョンや赤新月社なども被災地支援に乗り出しているが、道路が倒木や浸水で通行不能になっているため、遠隔地に到達できない状態だ。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200711190004.html


 バングラデシュは、面積14万4000平方キロ(日本の約4割)、人口1億4000万人の国家で、ベンガル湾の一番奥に位置する。北回帰線(北緯23度26分18秒)に近い。つまり、大体台湾と同じ緯度である。ベンガル人が98%を占め、イスラム教徒が大半である。人口密度は982人/平方kmで世界最大だが、自然災害が多く、政情不安で最貧国の一つといわれる。

 パキスタンが独立した1947年は、その一部を形成して東パキスタンと呼ばれたたが、1971年12月にパキスタン共和国から独立してバングラデシュ人民共和国を名乗り、英国連邦の一つとなった(但し、元首は大統領)。コメを主とする農業国であるけれども、人口が多いのでコメを輸入している(以上wikipediaより引用)。

 バングラデシュには、インド洋の「ハリケーン」とも言うべき「サイクロン」が度々襲う。ガンジス川やプラマプトラ川などの大河が流れて、南東沿岸には広大なデルタを形成しているので、サイクロンによる洪水も被害を大きくする。入り組んだ海岸線(リアス式海岸に類似する)には島嶼も多く、災害が起きると被害者数の把握は容易でない。

 我が国は、2006年度で教育面も含めて160億円の経済援助をしている。今年夏には、同国北部で洪水被害があり、日本のNGOが復興に協力した。今回の大災害に対しても、早速に我が国は被災者援助に乗り出すべきだろう。

 なお、独立行政法人国際協力機構による連絡ニュースは次の通りである。

緊急援助ニュースリリース
第一報
2007年11月19日
バングラデシュにおけるサイクロン被害に対する国際緊急援助について
下記のとおり緊急援助物資供与の実施をお知らせします。


1.災害状況
 11月15日から16日にかけて、猛烈な強さのサイクロン・シドル(カテゴリー4)がバングラデシュを縦断、5メートルの高波が襲来したこともあり、上陸地域の南西部シュンドルボン地方を中心に人的被害のみならず、道路、橋、通信、農地等のインフラに大規模な災害が発生しています。

2. わが国の対応
 外務省はバングラデシュ国政府より支援要請を受け、JICAは緊急援助物資供与を実施します。

1)援助物資内容(シンガポール倉庫分)
  約3,500万円相当の緊急援助物資(テント、毛布(普通、寒冷地)、スリーピングマット、プラスチックシート、簡易水槽、浄水器、ポリタンク、発電機)

2)輸送日程
   至近便でダッカへの輸送を調整中。
3. 先方政府の対応
サイクロン上陸前から警戒警報を発しており、沿岸部を中心にサイクロンシェルターへの避難を行っています。また、空軍のヘリ、海軍の艦船を中心に、陸軍もあわせた救援活動を実施しています。
http://www.jica.go.jp/activities/jdrt/2007/071119.html

(追記:11月23日)

 日本の援助は着々と進んでいるようである。支援物資が有効に使われることを願っている。

大型サイクロン:政府がバングラデシュに追加支援

 政府は22日、大型サイクロンにより深刻な被害が出ているバングラデシュに対し、国連児童基金(UNICEF)などを通じ、医薬品や食糧約4億2600万円分を送ることを決めた。19日にテントなどの援助物資を送ったのに続く追加支援。

 また、別のサイクロンで洪水被害が広がるパプアニューギニアに毛布など約1300万円分を送り、集中豪雨による洪水や土砂崩れ被害が出ているメキシコに約4800万円分の無償資金協力をすることも決めた。
毎日新聞 2007年11月22日 21時39分
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20071123k0000m010141000c.html
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