陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

陸前高田の松は善光寺の法会に参加する

2011-08-11 14:37:12 | Weblog

 京都・五山送り火の内、大文字保存会は頑(かたく)なな姿勢を緩めず、陸前高田の松倒木を排除した。他の4山の送り火には、一転して受け入れられ、8月16日に例年と変らぬ形で送り火で燃やされると言う。何時の世にも、そして何処にでも理非を弁(わきま)えぬ人間はいるものだ。

 それとは大きく異なり、信州の善光寺では同じ高田松原の松で木札を作って、大震災慰霊法要で祀ることになった。京都で起きたゴタゴタとは打って変わった爽やかさを覚える配慮で、何となく安堵した気持ちになる。

 定額山・善光寺は、長野市にある宗派を超えた大寺院だ。参詣者も著しく多いことから、東日本大震災の犠牲者を弔うには相応しい場所である。行事責任者の英断を高く評価したい。

 近年の善光寺で思い出すのは、北京五輪に際し、「業火リレー」の拠点とならず、これを謝絶した見識である。同寺参道の街並みは温かさに溢れ、参詣する善男善女を歓迎してくれるが、山門を潜れば毅然とした伽藍の佇まいに、些か気持が引き締まる。そこには、日本人の心を鼓舞する不思議な力が宿っているように思える。


被災地の松で木札  善光寺追悼と復興祈願

 長野市の善光寺が、東日本大震災の大津波に奇跡的に耐えた「一本松」で知られる岩手県陸前高田市の景勝地・高田松原の倒木で作った木札を販売している。被災地へのメッセージを書き込んだ木札を14日の震災慰霊法要でまつるほか、売上金を同市へ送り、松原の再生や農地の塩分除去費用に充ててもらう。

 長野市で仏教勉強会を開いている「ながの南無の会」事務局長の宮坂勝彦さん(63)(千曲市)らが6月、ボランティアで陸前高田市を訪れたのがきっかけ。同市で製材所を営む村上富夫さん(63)が高田松原の倒木で木札やキーホルダーなどを作っていると知り、木札を譲り受けて善光寺に相談したところ、被災地支援に役立てることが決まった。

 津波でなぎ倒された松の木を縦10センチ、横6センチの駒形に加工し、表面には「善光寺」の焼き印入り。持ち帰ることもできるが、裏面に被災地へのメッセージを書いて授与品所に納めると、14日夜の「お盆縁日」で行う震災慰霊法要で善光寺境内のやぐらにまつられ、一山住職が犠牲者の追悼と被災地の早期復興を祈願する。

 宮坂さんは「善光寺を訪れた人が被災地へ思いを巡らせるきっかけになれば」と期待を込め、村上さんは「高田松原は自分たちにとって本当に大切な場所。善光寺さんの厚意を励みに頑張りたい」と話している。

 高田松原には震災前、太平洋岸にある陸中海岸国立公園内の砂州約2キロにわたってクロマツやアカマツ計約7万本があったが、1本を除き津波でなぎ倒された。津波に耐えた「一本松」は復興のシンボルとして注目され、地元住民らが保全活動に取り組んでいる。

 木札は1枚1000円(1000枚限定)で、善光寺境内の授与品所で13日まで販売している。問い合わせは同寺事務局(026・234・3591)へ。
(2011年8月9日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20110808-OYT8T01139.htm?from=tw

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