陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

ロンドン市内の大暴動が他都市へ波及

2011-08-10 13:50:26 | 欧州関係
 今日の米沢は晴れ、東空には入道雲が出ている。蝉時雨が五月蝿い位に激しい典型的な夏の風景。気温は正午で33℃だが、まだこれから暑さは増すのだろう。

 来年7月末に夏季オリンピック開催を控えたロンドン市内北部で、大暴動が発生したのが8月6日。それから4日経過して市内のあちこちに暴動が拡大し、店舗破壊と略奪の被害が増え、さながら無法地帯化の有様だ。加えて、市街地火災も起きている。8月8日には、ロンドン北部エンフィールドにあるソニー関連企業の3階建て流通センターも炎上した。保管中のブルーレイ・ディスクやDVD、CDが大量に焼失したと言う。

 キャメロン首相は、休暇を切り上げてイタリアから帰国、緊急対策会議を開いた。その後、秩序回復のため、出動警官を増員すると発表。暴動鎮圧に強力散水車を出すのだろうか。

 類似の暴動は、マンチェスター市に飛び火した。英国本土では、過去数十年起きたことのない暴動の広がりである。


ロンドン暴動で初の死者、マンチェスターにも飛び火
2011年08月10日 09:09 発信地:ロンドン/英国

【8月10日 AFP】ロンドン(London)北部のトッテナム(Tottenham)で若者が警官に射殺された事件をきっかけに6日に発生した暴動は、9日夜には英国第3の都市マンチェスター(Manchester)と中部ミッドランド(Midlands)地方に飛び火した。

 マンチェスターでは、若者たちが店の窓ガラスを割り、商品を略奪。写真を撮ろうとする報道カメラマンが追い払われる光景が見られた。ミッドランド地方のウェスト・ブロムウィッチ(West Bromwich)とウォルバーハンプトン(Wolverhampton)では、覆面をした暴徒らが建物に放火した。

 8日夜に暴動が飛び火した英国第2の都市バーミンガム(Birmingham)では、9日夜にも店の略奪が行われた。

 8日夜の暴動で市内各地が炎に包まれ、ここ数十年で最悪とも言われる騒乱の舞台となったロンドンでは、9日夜に警官がこれまでの6000人から1万6000人へ大幅に増員され、外面的には静けさを取り戻した。ロンドン各地の店は、警察の助言に従い、早々に営業を切り上げてシャッターを下ろしていた。

■射殺された男性、警察に発砲した証拠なし

 そんな中、警察の監視機関は9日、トッテナムでマーク・デュガン(Mark Duggan)さん(29)が警官に射殺された事件に関し、デュガンさんが警官に発砲したことを裏付ける証拠は見つからなかったと発表した。警察は当初、デュガンさんが乗ったタクシーを検問したところ、デュガンさんとの間で発砲の応酬となり、デュガンさんがその場で射殺されたと発表していた。

 デュガンさんの射殺の経緯が物議を醸す中、デービッド・キャメロン(David Cameron)首相は同日、「秩序を回復するために必要なことは何でもする」と宣言。暴徒に向けては、「法の力を存分に思い知ることになるだろう」と警告した。

■逮捕者続出、初の犠牲者も

 ロンドン警視庁によれば、暴動発生から3日間でロンドンでの逮捕者は560人以上にのぼった。また、警官111人が負傷したという。

 なお、ロンドン南部クロイドン(Croydon)で頭に銃弾を受けて入院していた26歳男性が9日、死亡した。警察によると、暴動による初の犠牲者だという。(c)AFP/Guy Jackson
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2819186/7620861


 暴動の主体は若者達のようだが、キャメロン政権(保守党)の緊縮財政に彼等は憂さ晴らしをしていることも考えられる。暴動発生地域には移民も多く、政治性は無いにしても民族間摩擦が関係している側面も否定出来ない。


英暴動、破壊と略奪目的…政治性うかがえず

 【ロンドン=鶴原徹也】英国で野火のように広がった暴動は、英国を揺るがした1980年代の一連の暴動と類似点もあるが、本質は異なる。

 80年代の暴動が警察による人種差別に対する地域社会の反抗という政治性を帯びていたのに対し、今回の暴動には政治性がうかがえず、破壊と略奪を目的としているようだ。

 今回の暴動の発端となったトッテナムなど暴動が起きた地域の多くは、80年代にも暴動が起きた地域だ。黒人を含む移民やその子孫が多く住む貧困地域で、失業率は全英平均(7・9%)や22%近い若者失業率をさらに上回るとみられる。

 だが、80年代は暴動の起きた地域ごとに警官による住民虐待事件が発生するなど、それぞれに具体的な直接の原因があった。また、暴動は数千人規模に拡大し、人種差別を対立軸とした「警察対地域社会」という敵対構図が鮮明だった。

 今回、トッテナム暴動の遠因は警官による黒人男性射殺事件だが、大半の地域住民は、一部の黒人らが加担する銃の密売を警察が取り締まることに協力している。ザ・タイムズ紙(9日付)は「警察と地域社会の戦いは起きていない」と指摘する。しかも、暴動が瞬く間に飛び火した地域では引き金となる具体的な事件は起きていない。暴動の規模は数百人と小規模で、貧困層に属するとみられる白人も加担している。
(2011年8月9日22時41分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20110809-OYT1T01091.htm
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