陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

朝日と産経が一致して報道する反日デモの実態

2010-10-26 23:00:16 | シナ・中共関係
 シナ・中共で行われる民衆デモは、全て共産党がシナリオを書き、民衆を扇動して行われる。行き過ぎれば、武装警官隊がたちまちこれを鎮圧解散させる。シナ大陸内で起きるデモは、便衣外交の道具であり、共産党一党独裁に批判的な内容は一切認められない。

 2005年3月の小泉政権に対する反日デモ(上海)は、靖國参拝批判、日本の安保常任理事国入り反対を唱えて暴動に発展したが、中共政府が裏で糸を引いていた。2008年4月、善光寺近傍の「業火リレー」を支援すべく長野市に続々と集まった在日シナ人学生は、デモの形を取ってリレーを支援した。その時、多数の日本人に暴力を振るったことは記憶に新しい。これは、在日中共大使館の指示によるものであった。

 中共国内では、全てのweb情報、電子メールがキーワード検索されて、検閲を受ける。天安門事件、法輪功、ダライ・ラマ、最近では劉暁波(ノーベル平和賞)などの語彙を含む文章は即時削除され、共産党政権に対する批判などは身柄拘束にさえ発展する。グーグルがシナ大陸から撤退したのも、こうした「閉ざされた情報空間」を批判してのことであった。

 それ故、ネットを用いた自発的な大衆デモの呼びかけなど、シナ大陸では有り得ない。大衆の共産党政権に向かう不公平感、強権的な支配体制への鬱屈は、最早抑え切れないレベルに高まっている。その憂さ晴らしで大衆デモをするなら、反日テーマであれば何でも良いし、中共政府も黙認する。

 尖閣問題に関しシナ大陸奥部で反日デモが起きたのは象徴的だ。当然、中共政府が背後にいる。シナ奥部には、日本の大企業が進出していないし、在中日本人も極めて少ない。奥部各地で尖閣など何処にあるかも分からないような数百人が反日デモをやれば、間違いなく日本のメディアはこれを一斉に取上げ、日本の財界も慌てふためいて日本政府へ圧力を掛けるであろう。そんなシナリオが考えられたと見る。

 様々な不満を持つシナ大衆は、反日スローガンを利用して、共産党独裁体制に批判を始めた。奥地の中都市デモでは、反日に加え反体制スローガンも登場した。揚子江沿いの巨大都市・重慶ではそれがエスカレートしている。

 中共政府は、北京や上海、南京などの巨大都市、それに海岸沿いの工業都市でデモを決して許可しないだろう。大衆が心の内に秘めた不満のマグマは、何時か噴出して進出日本企業を襲い、延いては大規模な反体制運動に発展する可能性があるからだ。

 人民日報・日本総支局の朝日新聞社が、こうした内容に関連して、大陸反日デモの実態を伝えている。こんな報道をすると、同社は北京から厳しいお叱りを受けることだろう。


共産党・政府への直接批判も 中国各地で反日デモ
2010年10月25日0時22分

 【南京=奥寺淳、重慶=峯村健司】中国西部の甘粛省蘭州と陝西省宝鶏で24日、日本への抗議デモがあった。地元住民らの目撃情報によると、蘭州では100人以上の若者らが「日本製品ボイコット」などと叫んで行進。宝鶏では約2千人の若者らがデモに参加した。「多党制を導入せよ」「住宅が高すぎる」といった横断幕も掲げられ、中国共産党・政府を直接批判する訴えが現れ始めた。

 23日には四川省徳陽でデモが起きており、中国当局はデモ封じ込めに各地で厳戒態勢を敷いたが、収入格差などの問題が深刻な内陸部の中小都市で2日続けてデモが起きた形だ。反日に紛れて、当局への不満も噴出し始めた事態に、指導部は極めて神経をとがらせているとみられる。

 宝鶏は16日にデモがあった陝西省の省都西安から西に約170キロにあり、人口370万人。鉛生産が盛んな工業都市だが、沿海部の都市に比べると収入水準は低い。役人の腐敗や不動産価格の急激な上昇に対し、市民からは不満の声が出ているとされる。

 目撃者によると、デモ隊は反日スローガンは赤色の横断幕、中国政府への批判などは緑と青の布と区別して行進を始めた。共産党の一党支配体制への批判のほか、「馬英九(台湾総統)、大陸はあなたを歓迎する」との文言もあったという。治安当局は横断幕を没収。数名が連行されたとの情報もある。

 一方、デモの呼びかけがあった江蘇省南京では24日、100人ほどの若者らが集まったが、治安当局に排除された。重慶でも大学当局が学生の集団での外出を禁じるなどの措置でデモを封じ込めた。

 これに先立ち、中国外務省の馬朝旭報道局長は23日夜、日中関係改善に向けた22日の前原誠司外相の発言に「留意する」との談話を発表。「日本とともに努力し、戦略的互恵関係を推進させたい」とした。
http://www.asahi.com/international/update/1024/TKY201010240228.html


 一方、朝日新聞とは全く意見の異なる産経新聞も、殆ど同じ内容の記事を載せている。部分的にはこちらの方が少し詳しい。


反日デモの本質は「反体制」 当局は危機感あらわ 重慶デモ抑止できず
2010.10.26 19:49

【上海=河崎真澄】中国各地での反日デモは、社会不満のマグマとともに「反体制」という本質を現し、中国当局は危機感をあらわにしている。26日付の共産党機関紙、人民日報は「法に基づき理性的に愛国の熱意を表現しよう」と学生らに呼びかける評論を掲載した。だが、重慶市では同日、警察当局の制止を振り切る形で1千人規模の反日デモが発生した。反日を“口実”にしたデモが統制を失い、民主化活動に結びつく可能性もある。

 重慶の日本総領事館などによると、デモは同日午後2時(日本時間同日午後3時)ごろ、200人規模で始まった。学生にやじ馬なども加わり、「釣魚島(尖閣諸島)を返せ」「日本を打倒せよ」などと叫ぶ500~600人が、日本総領事館が入居するビルに乱入しようとして警察隊ともみ合った。乱入を阻止されたデモ隊は結局、1千人以上に膨らんで行進を続けた。

 16日に再燃した反日デモでは、一部が暴徒化して日系のスーパーなどに被害が出たほか、社会への不満を訴える動きが広がったのが特徴だ。中でも24日に陝西省宝鶏市で起きたデモでは、「貧富の格差を縮めよ」「報道の自由を実行せよ」といった政府批判を掲げた横断幕が登場した。

 さらに、同市では「(台湾総統の)馬英九兄さんを大陸は歓迎する」「多くの党との合作(協力関係)を進めよ」との横断幕も確認された。これは、中台関係改善が進む中で中国の学生が、台湾が戦後歩んだ民主化プロセスに関心をもち、馬政権を支える台湾の中国国民党などと協力し、共産党一党支配に終止符を打つ道に望みを託そうと訴えたものだといえる。

 宝鶏市のデモの様子は、中国のインターネット上で広がり、賛同する学生らの書き込みもある。26日に重慶市で起きたデモでは反体制的なスローガンは確認されなかった。

 中国外務省の馬朝旭報道官は同日の記者会見で「日本の誤った言動に憤慨するのは理解できるが、非理性的な違法行為には賛成しない」と重ねて自制を呼びかけた。強制的にデモを封じ込めれば、反体制派を刺激しかねないとのジレンマも当局は抱えている。11月1日には台湾の対岸にある福建省福州市で、反日デモが呼びかけられている。

 一方、民主化をめぐっては、ノーベル平和賞受賞が決まった民主活動家、劉暁波(りゅう・ぎょうは)氏の釈放を当局に要求する声明に、有識者ら100人以上が署名するなど新たな動きが出ている。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/101026/chn1010261950008-n1.htm


 我が国で、立場の異なるマスコミがシナ・中共で起きている事件について、同じような報道を行うのは珍しい。それだけ、この事態は深刻で、報道は真実に近いのかも知れぬ。
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