陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

表日本を駆け抜けた台風15号

2011-09-22 12:44:35 | Weblog
 沖縄近海で数日間迷走を続けていた強い台風15号は、一転して直線的に北東へ向かった。その間に、大量の湿った空気が日本列島に流れ込み、紀伊半島山間部や西日本各地へ豪雨を齎(もたら)している。

 移動を開始した台風15号は、時速20kmで直線的に本州へ近づき、9月21日午後2時に浜松へ上陸、暴風雨を伴いながら静岡県を駆け抜けて、甲府を経由、夕刻には埼玉北部へ進んだ。上陸後も台風の勢力は衰えず、速度は時速50kmを超えた。

 新幹線、羽田発着航空便は全て運休し、首都圏交通機関も殆ど止まってしまった。折からの帰宅ラッシュと重なり、各駅は大混乱、バスやタクシーを待つ人達は長蛇の列を作り、待ち時間3時間など、さながら3・11の再現に近い状態が生まれた。

 韋駄天・台風15号は、その後、宇都宮市―いわき市を結ぶ直線コースを進み、福島沖から北上して北海道釧路方面に向かった。勢力は次第に衰えて、道・東部を進行し、オホーツク海で熱帯性低気圧になると思われる。台風による死者・行方不明者は13人とのこと、犠牲者には哀悼の意を捧げ、家屋損壊などを蒙った方々へお見舞いを申します。

 この台風が通過した静岡県では、大小の河川が氾濫し、一時避難者が多数出た。通過ルート近傍の名古屋市でも、市内を流れる河川が危険水位に達し、一時は100万人を越える市民へ避難勧告が出た。

 東北大震災の被災地も暴風雨に襲われ、気仙沼市では仮設住宅に住む人々が緊急避難をしている。仙台市宮城野区の大津波で破壊された堤防は、応急処理済みだったが、それも再び決壊、河川氾濫が住民を苦しめている。

 先の台風12号の豪雨で地盤が緩んでいた山間地では、重なる豪雨で崖崩れも起きた。今年は、本当に自然大災害に見舞われることが多く、宮城県や岩手県の沿岸部では、2度、3度の避難で疲れ切った人達も多いであろう。重ねて、心からお見舞いを申し上げます。

 紀伊半島の土砂ダムでは、心配された決壊・土石流発生が無かったが、なお厳重な警戒が必要だ。和歌山県・田辺市、奈良県・五條市や十津川村の各自治体担当者は、気が許せない日が続くであろう。体調維持に気をつけて、頑張って欲しい。

北海道で強い雨、大しけ=台風15号、釧路沖に-死者7人、不明6人

 強い台風15号は22日午前、北海道・釧路沖を風速25メートル以上の暴風域を伴いながら北東に進んだ。北海道では強い雨や大しけが続いたほか、西日本から東北では大雨で土砂災害の危険が高いところもあり、気象庁は引き続き厳重な警戒を呼び掛けた。15号は同日夜には北海道の東海上で温帯低気圧に変わる。

 同日未明に岩手県二戸市浄法寺町湯沢で土砂崩れが発生し、女性(65)が死亡。15号による人的被害は全国で死者7人、行方不明6人となった。水戸市と茨城県は、那珂川などに氾濫の恐れがあるとして、流域の約2万2000世帯計約5万6000人に避難指示を出した。

 15号は22日午前7時、北海道根室市の南約100キロを時速約65キロで北東に進んだ。中心の気圧は970ヘクトパスカル、最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。中心の南東側190キロ以内と北西側70キロ以内は暴風域、中心の南東側600キロ以内と北西側370キロ以内は風速15メートル以上の強風域。(2011/09/22-10:32)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011092200173


 今回の台風襲来で、自衛隊に緊急災害出動を要請した県もあったが、避難勧告を出した府県の数は20を越え、延べ200万人がその対象となった。多数の河川が同時に氾濫したから、自治体間の協力体制も必要であったろう。

 こうした緊急事態に対し、野田政権は殆ど何もしていない。首相は、台風の迫る中を米国へ向けて出発したが、首相が不在の間、政府責任者は誰なのかも良く分からなかった。民主党閣僚得意の防災服姿も見当たらず、この政権も緊急事態への当事者能力を欠くと考えざるを得ない。

官邸ひっそり、鈍い動き 関係省庁連絡会議開かず
2011.9.22 08:31

 台風15号の日本列島縦断を受け、政府は21日、土砂災害などへの警戒を呼びかけるとともに情報収集に追われた。とはいえ各省庁を機動的に運用するための関係省庁連絡会議は20日夜に初会合を開いたきり。21日は夜までに死者・行方不明者が計13人確認されたにもかかわらず「大きな被害が認められない」(内閣府)として連絡会議は開かれなかった。紀伊半島を襲った台風12号に続き、政府の危機管理意識の希薄さがまた浮き彫りになった。

 藤村修官房長官は21日の記者会見で、台風15号に関し、訪米中の野田佳彦首相から秘書官を通じて「関係省庁、自治体の連携を強化の上、対策に万全を期すように」と指示があったと説明。「官邸内の情報連絡室での情報収集とともに関係省庁や被災自治体が一体となって救助活動などの災害応急対策にあたっている」と強調した。

 ところが、具体的な対策は「政府としては引き続き現体制で注意深く対応したい」と述べただけ。連絡会議の開催についても「事態によって開かれることは否定しない」と言葉を濁した。

 21日夕には台風が首都圏を直撃し、JRをはじめ交通網がマヒ状態に陥ったが、首相官邸は関係閣僚らが出入りすることもなく閑散としたまま。甚大な被害が生じた場合、政府は災害対策基本法に基づき、連絡会議を非常災害対策本部に格上げすることになっているが、その動きもみられず、平野達男防災担当相は政府の震災復興対策本部に籠もったままだった。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110922/plc11092208320008-n1.htm
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