陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

経済指標が示す急降下の日本経済

2009-02-01 08:57:26 | 財政・経済問題
 自動車関連と弱電関連企業の業績悪化については、マスコミも繰り返し扱うので厳しさが良く伝わっている。また、日本の製造業全体の動きについては、月末に各省から発表される前月分のマクロ経済指標で把握可能だろう。

○鉱工業生産指数(経産省)
○完全失業率(総務省)
○家計調査報告(総務省)
○消費者物価指数(総務省)
○新設住宅着工件数(国交省)

 直近の鉱工業生産指数については、産経新聞によると

鉱工業生産、過去最大下げ幅
2009.1.30 10:16

 経済産業省が30日発表した昨年12月の鉱工業生産指数(速報値、平成17年=100)は、84・6で前月比9・6%低下した。3カ月連続の低下で、下げ幅は統計上比較可能な昭和28年2月以降で最大となった。経産省は、基調判断を前月から引き続き「急速に低下している」とした。

 84・6は昭和62年9月に記録した83・8以来の低さ。国内外の需要の落ち込みにより、すべての業種で生産が低下した。全業種低下は平成10年3月以来となる。落ち込みが大きかったのは、電子部品・デバイス(前月比18・8%低下)、情報通信機械(同15・0%低下)、自動車など輸送機械(同12・1%低下)。

 これで10~12月期の生産指数は、前期(7~9月期)比11・9%低下の93・5となった。4期連続で低下し、15年7~9月期(93・0)以来の低水準となった。1~12月では、3・4%低下の103・8で、前年比マイナスは10年(1・3%低下)以来となる。
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/090130/fnc0901301017006-n1.htm


 来月の生産指数はもっと落ち込むと予想され、数値を見るのが厭になる位だ。更に上記の経済指標の動向について、Sankeiの Business i. のまとめによれば

悪夢の不況ドミノ…減産、雇用悪化、消費低迷、デフレ再燃へ
2009/1/31

 30日に発表された昨年12月の経済指標は軒並み記録的な悪化となり、“急降下”を続ける日本経済の姿が浮き彫りになった。鉱工業生産指数の下げ幅は過去最大で、企業の生産活動の鈍化が、雇用環境の悪化につながっている。先行きへの不安から消費をも冷え込ませ、世帯当たりの消費支出減などに表れた。懸念されていた“負の連鎖”が浮き彫りになる「悪夢の12月」となった。同時に、消費者物価指数の上昇率は大幅に縮小、景気回復の足かせとなるデフレ再燃が一段と現実味を帯びてきた。

 経済産業省が発表した国全体の製造業の活動状況を示す12月の鉱工業生産指数速報(平成17年=100、季節調整済み)は前月比9・6%の低下で、比較可能な昭和28年以降で最大の下げ幅を2カ月連続で更新した。

 与謝野馨(かおる)経済財政担当相は「これほど鋭角的な落ち込みは経験したことがない」と懸念を示す。農林中金総合研究所の南武志主任研究員は「大恐慌時の米国に迫る勢いだ」と指摘する。

 一方、総務省によると、12月の完全失業率の前月比の悪化幅が昭和42年3月と並び、過去最大を記録したうえ、厚生労働省が発表した求職者1人に対する求人数を示す有効求人倍率も5年1カ月ぶりの低水準となった。

 世界同時不況を受けた生産活動の縮小が、製造業を中心に「派遣切り」などの雇用調整につながり、消費者は先行き不安から財布のひもを固くする。総務省が発表した家計調査報告(2人以上の世帯)によると、1世帯当たりの消費支出は33万6976円と、物価変動を除いた実質で前年比4・6%減少し、10カ月連続のマイナスとなった。

 一方、国土交通省が発表した12月の新設住宅着工戸数は、前年同月比5・8%減と6カ月ぶりの前年割れとなった。住宅着工の先行指標となる建築確認申請は12・7%減の4万1256件で、3カ月連続のマイナス。国交省は「当面厳しい状況が継続する」との見方を示している。

 野村証券金融経済研究所の野木森稔エコノミストは「今後は雇用がさらに悪化して、一段と消費を押し下げる」と指摘する。

 また、「減産」→「雇用環境悪化」→「消費低迷」によって、物価下落が続くデフレが再燃すれば、企業業績と賃金が伸び悩み、景気をさらに冷え込ませる恐れがある。

 総務省によると、12月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除いたベースで前年比0・2%の上昇にとどまり、上昇率は8月をピークに4カ月連続で低下している。デフレが現実となれば、日本経済は一層、苦境に立たされる。
http://www.business-i.jp/news/flash-page/news/200901310003a.nwc


 当面輸出は減少する一方であるから、政府は強力な内需喚起策を取って、機動的に動く必要がある。だが、先行き不透明な中で消費税アップの議論をし、国会審議に多大の影響が出ているのは拙い。3年後の消費税アップを決めても、自・公協力体制が崩れるのは目に見えているし、政権交代が起きたら、それはたちまち反故になる。もっと内需喚起策に精神集中すべきだ。

 国債を増発して、インフラ整備と教育施設充実に思い切った投資を行うことが重要と思うが、麻生政権は決断力が不足で無理のような感じがする。
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