豪州の山火事は、なお鎮火せず延焼が継続

　豪州南部で発生した山火事は、大変な被害を出しつつ、なお延焼を続けている。ここ数年、豪州では旱魃が続き、乾燥していたから山林の自然発火が起き易くなっていたはずだ。

　国防軍も出動して、ヘリコプターで水を運び、鎮火に懸命のようだが、既に犠牲者は１２８人も出ていて、更に増える見込みとのこと。豪州政府も、経済的打撃が大きい所に、この自然大災害が加わっては「泣きっ面に蜂」と言うところか。早い鎮火とこれ以上犠牲者が出ないことを祈るのみだ。

オーストラリア山火事、延焼続く…犠牲者最悪の１２８人に
2月9日12時22分配信 読売新聞

　【シドニー＝岡崎哲】オーストラリア南部ビクトリア州警察当局は９日朝（日本時間同）、同州北部など約３６か所で発生した山火事による犠牲者が１２８人に達したと明らかにした。

　地元メディアによると、同州の延焼面積は３３万ヘクタール以上に達し、焼失家屋も７５０棟以上にのぼった。７５人が死亡した１９８３年の「灰の水曜日」を上回る同国史上最悪の山火事で、９日朝現在も、約１３か所で延焼が続いており、死者数は２３０人に上る恐れもあるという。

　ラッド豪首相は８日、消火や復旧活動支援のため、陸軍部隊の出動を命じたほか、１０００万豪ドル（６億２０００万円）を復旧支援に充てると発表した。

　山火事は７日、州都メルボルン北方の複数の山林での自然発火で始まったとみられる。気温約４７度に達した連日の猛暑で空気が極度に乾燥していた中、強風で火の回りが早く、多くの犠牲者が逃げ道を失って自宅や避難中の車の中で焼死した。メルボルン北東約７０キロのキングレイクだけで、犠牲者は２０人に達した。

　一部地域では放火も疑われている。しかし、豪国家科学産業機構（ＣＳＩＲＯ）によると、気候変動の影響とみられる干ばつや記録的な猛暑により、被害規模が最悪になった可能性が高い。

　山火事は同州に隣接するニューサウスウェールズ州のシドニー南方の各地にも拡大、９日朝までに６５００ヘクタールを焼失した。

　メルボルン日本総領事館によると、９日朝現在、邦人への被害は確認されておらず、旅行会社によると、日本人旅行客への影響は出ていないという。

最終更新:2月9日12時26分
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