陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

多数の核兵器を保有する中共の核管理実態

2010-03-18 12:25:26 | シナ・中共関係
 中共が核実験に成功したのは、1964年10月16日、東京オリンピックの最中であった。これは、日本に対する嫌がらせに他ならない。建国以来15年にして、ソ連の技術協力の下で、シナ人は大量破壊兵器を入手したのである。

 この年から、東トルキスタン・ロブノール地方で核実験を重ねること50回、現在はウランやプルトニウム原爆に加えて、水素爆弾、更には中性子爆弾の核弾頭を数百発保有すると推定されている。実験場近くに住むウィグル人の被爆者は数十万人に及ぶと言うが、それらに我が国の社民党や共産党が批判や抗議をした話を聞かない。

 更には、核弾頭を運ぶキャリヤーとして、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発・保有し、名実共に中共は世界の核兵器大国となった。ミサイル名「東風(DF)31」(射程8,000km)は、特に有名であり、より強力な「東風5」(射程15,000km;液体燃料二段型)は、米国の主要都市に照準されている。

 核弾頭の小型化も進められ、中距離弾道ミサイル(IRBM)「東風21」(射程1,800~2300km)に搭載された核弾頭(中性子爆弾?)は、日本の大都市を標的としてシナ大陸全土に配備されている。それも、多核弾頭(MIRV)だと言うから空恐ろしい話だ。

 現在、中共は潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を保有している。「巨浪1」(JL-1:固体燃料)であるが、核弾頭を搭載しているのかどうかは定かではない。だが、ロシアの技術協力もあるし、スパイを用いて米国から軍事情報を盗み出す作戦で、中共が原潜に核弾頭SLBMを搭載していても不思議ではない。

 中共の核ミサイルを管理運用する人民解放軍は、シナ共産党の私兵である。それゆえ、中共では政府が核兵器を管理しているのではなく、共産党・軍事委員会が一手に掌握している。

 さて、核兵器の性能を維持・管理するためには、人員及び費用共に多大のコストが掛かる。中共は、日本からのODAを有効に利用して、核兵器の開発や更新を進めたが、昨今は軍事費が15兆円を越えているから(欧米軍事機関の推計)、核弾頭ミサイルの更新と戦略的配置変更にも力を注いでいる。

 米国の核搭載ICBMは、地下のサイロ型シェルターに保管設置される。中共の場合は、軍管区に応じて、地下トンネルや地上の倉庫に貯蔵・保管されている。ロシア、インド、パキスタン、それに北朝鮮(?)と言う核保有国に地続きで取り囲まれている中共は、貯蔵地を狙われたら大変な事になる。

 四川大地震(2008.5)の時、核ミサイルを運搬する列車が脱線し、核物質の漏洩があったのではと言う疑念が出されていたが、それも有耶無耶になってしまった。最近は、シナ大陸内の鉄道や高速道路の整備が進んだから、それらを利用して核兵器を分散配置させるため、大陸内を核兵器が移動する頻度が増えているようだ。


中国核弾頭、国内で頻繁に移動 事故の危険も
2010.3.17 23:59

 【ワシントン=古森義久】中国の核兵器配備戦略の実態が米国政府に近い民間研究機関の調査報告により17日までに明らかにされた。中国は平時には約450発の核弾頭の大多数を中央部の秦嶺山脈の広大な地下基地に保管し、共産党中央軍事委員会の直轄下においているが、なお国内6カ所の核ミサイル基地との間で鉄道と高速道路を使い、頻繁に核弾頭を移動させているため、事故の危険度も高いという。

 「中国の核弾頭の貯蔵と操作システム」と題する同報告は、ワシントン地区に本部をおく「プロジェクト2049研究所」(所長・ランディ・シュライバー元国防次官補代理)により作成された。同研究所では、核兵器の安全管理には透明性と責任体制が最重要との観点から、秘密の多い中国の核戦略、とくに核弾頭の扱いに光をあてたという。

 同報告によると、中国は合計約450発(うち250発が大陸間弾道弾などの戦略核)と推定される核弾頭の大部分を、平時は秦嶺山脈の太白山を中心とする地下トンネル網に保管している。この管理基地は「二十二基地」と呼ばれ、陜西省太白県に所在する。同基地は党中央軍事委員会(胡錦濤主席)の指揮下にあり、核弾頭の安全管理から移動、実射までの権限を有する。人民解放軍では核ミサイルは戦略ミサイル部隊(第二砲兵)の管轄下にあるが、同部隊も「二十二基地」の指令に従うという。

 同報告は中国のこの集中的な核弾頭管理は日ごろの貯蔵や隔離という点での安全性や責任の度合いが高いと評価している。

 一方、同報告によると、中国は核ミサイルの発射基地として瀋陽、洛陽、黄山、西寧、懐化、昆明の6基地を機能させ、平時からそれぞれにごく少数の核弾頭をおいているが、情勢に合わせて「二十二基地」からの核弾頭を常時、出入りさせている。この頻繁な移動は中国が核の先制不使用を宣言し、先に核攻撃を受けてもなお十分な報復のできる核戦力を保つ戦略を取っているため、防御の弱いミサイル発射基地におく核弾頭を最小限としていることに原因するという。

 同報告は中国軍がこの頻繁な核弾頭の移動に一般にも使用される鉄道と高速道路を使うと指摘する一方、「二十二基地」自体が一部の弾頭を攻撃回避の確実な保存のため、夜間、特別な列車に乗せ、長時間、移動させ続けることも多いとして、「一般の鉄道や道路への高い依存のために交通網の破(は)綻(たん)からの危険への懸念がある」と強調している。

 同報告はその破綻の実例として(1)2008年5月の四川大地震の際、「二十二基地」弾頭移動駅の近くの鉄道トンネルで列車が脱線し、危険物質が露出された可能性が高い(2)同年2月に秦嶺山脈内の道路凍結で、大型車両がスリップして多重衝突し、弾頭関連の輸送に危険が生じた可能性が高い-と述べ、中国の核弾頭管理の危険を指摘した。

 「プロジェクト2049研究所」はアジアの安全保障を2049年までに確実にするという目標の下に08年に創設された。役員や研究員は国防総省や国務省で長年、中国軍や核戦略を専門にした人たちが多く、今回の調査報告は国防総省で中国の核戦略研究を担当したマーク・ストークス氏を中心に作成された。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100318/amr1003180000000-n1.htm


 シナ人は、新しいものを欲しがるが、その維持管理が不得手である。普通の産業製品あるいはインフラなら、それでも構わないだろうが、核物質絡みの維持管理に関する限り、それでは困る。加えて、軍の内部で隠匿や横流しが普通に行われている体質も気になる。

 二隻の空母を建造中である情報も伝えられる昨今、シナ・中共は覇権国の面目躍如としているが、一方では大量の核兵器貯蔵に関して悩みは深そうだ。核兵器の維持と更新には莫大なコストが掛かる面については、米国やロシアと同じであり、経済的に疲弊した米・ロ両国は共に核兵器縮減に動こうとしている。

 中共には、核軍縮の構想は全く無いように見える。人民解放軍・野戦軍司令官を自認する小澤一郎幹事長は、核兵器を中共から譲り受けようとの考えを持っているのだろうか。

(参考)

「四川大地震」被害と核汚染
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/2503e5b4496dbb40864d538f52b55569

人民解放軍の兵器・装備横流し
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/acea862da7fe0a08cd0d6571d9d1e3f7

迫り来る中共瓦解
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/ea90b08938c21b20fcc4a9a56a55f8ae

小沢幹事長は中共・人民解放軍の野戦軍司令官?
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/c4077bb75d2c363c21e32d98715c865d
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