陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

台風9号が関東地域を直撃:その後の経過

2007-09-07 11:29:43 | Weblog
 台風9号が、勢力を維持したまま9月7日午前零時頃小田原市近辺に上陸、関東全域が大きな影響を受けた。この台風は、小笠原諸島辺りまで緯度27度線に凡そ平行に進んでいたが、偏西風により進路を変えてゆっくりと北上を開始し、本州の真ん中辺りへ直撃的に襲来した。中心気圧は965hPaでそれ程大きくはないが、かなりの暴風雨を伴っている。

 交通機関への影響は深刻なようで、毎日新聞によると

<台風9号>関東接近で交通に乱れ 群馬では温泉宿孤立
9月6日23時29分配信 毎日新聞

 台風9号は、関東、東海地方を暴風域に巻き込みながら北上し、首都圏を直撃した。強い雨と風で、群馬、長野、埼玉などで土砂崩れが発生し、道路が寸断され家屋が壊れるなどの被害が続出。長野県軽井沢町でお年寄りが死亡し、足を骨折するなどけが人も相次いだ。鉄道や航空、船舶などの交通機関は大幅に乱れ、東京、千葉、神奈川など広範囲で停電も発生した。7日朝もJRなどを中心に交通機関で混乱が続きそうだ。
 JR東海道新幹線が午後6時過ぎから約4時間半、東京―名古屋間で運転を見合わせたほか、同10時半現在、▽京浜東北線大船―大宮間▽東海道線東京―小田原間▽京葉線東京―蘇我間▽埼京線大崎―大宮間▽常磐線上野―取手間▽武蔵野線府中本町―西船橋間▽東京メトロ東西線西船橋―東陽町間などで運転を見合わせている。
 東京メトロ丸ノ内線では同10時過ぎ東京都文京区春日2の地上区間で倒木があり、池袋―銀座間で一時運転を見合わせた。
 また、日本道路交通情報センターによると、同10時半現在、▽東名高速上り沼津―大井松田間、下り厚木―清水間▽中央高速上り甲府昭和―上野原間、下り八王子―勝沼間▽上信越道藤岡―小諸間などは雨のため通行止め。東京湾アクアラインも全線で強風のため通行止めとなった。
 空の便は同10時半現在、羽田発着便を中心に計204便が欠航したため、4万4753人に影響が出た。内訳は▽全日空102便▽日本航空99便▽日本トランスオーシャン航空3便。
 成田国際空港を発着する国際線は同9時現在、韓国・ソウル発の大韓航空など到着便が10便、ベトナム・ホーチミン行きのベトナム航空など出発便6便が欠航した。
 海の便では、▽東京湾フェリー(千葉県富津市―神奈川県横須賀市)40便▽東海汽船(東京―伊豆諸島)10便▽オーシャン東九フェリー(東京―北九州)1便が欠航した。
 7日朝の交通にも影響が残りそうだ。JR東日本は7日始発から午前9時ごろまで、▽宇都宮線▽高崎線▽東海道線▽総武線▽中央線▽常磐線▽京浜東北線▽埼京線▽京葉線――など、首都圏の主要16路線で運行本数を通常の7割程度に減らす。一方、羽田空港発着便などでも、欠航便が少なくとも82便は出るとみられる。
 ◇品川・西五反田で信号支柱折れる
 東京都奥多摩町の青梅街道では午後9時ごろ、「板小屋トンネル」と「惣岳トンネル」間で道路脇の土砂が崩れ、両トンネル内に流れ込んだ。全面通行止めになった。
 品川区西五反田5の区道交差点では同7時ごろ、高さ7.2メートルの信号機の支柱(直径15センチ)が根元から折れて倒れた。警視庁大崎署員が手信号で交通整理を行った。
 都内では、杉並区で5カ所の避難所が設けられたほか、中野区でも区立小中学校9校の校庭を開放して自家用車の避難所が設けられた。
 群馬県安中市の霧積(きりづみ)温泉に向かう県道が土砂崩れのため通行止めとなったため、6日から旅館2軒の宿泊客5人が孤立した状態になった。午後3時半ごろには、土砂崩れで電線も切れ2軒は停電になり、復旧のめどは立っていない。また、同県富岡市の妙義神社では、裏山の土砂が崩れ、国の重要文化財の塀が一部損壊し、社殿に泥水が入った。また、同市内では豪雨で足を滑らせた男性(68)が側溝に落ちてすり傷を負った。
 東京電力によると6日午後9時現在、関東地区を中心に1都7県で約1万6310世帯が停電した。東京では八丈島で約3020世帯、奥多摩町で約300世帯、三宅島で約140世帯が停電。千葉市、我孫子市などでも計2000世帯が停電した。
 東京都内では、杉並区で5カ所の避難所が設けられたほか、中野区でも区立小中学校9校の校庭を開放して自家用車の避難所が設けられた。
 ◇トタンが電車直撃
 6日午後6時ごろ、静岡県焼津市小浜のJR東海道線で、同市浜当目の旅行会社「アンビ・ア」のバス駐車場から強風で飛んできたトタン屋根1枚が、下り線を走ってきた乗客約800人乗りの普通電車に衝突。電車はそのまま通過したが、トタン屋根は線路上に残ったため、JR東海はその後上下線で運転を見合わせた。けが人はなかった。
 ◇臨時休校
 茨城県では7日に599校を臨時休校とする予定で、計10都県で同様の措置がとられる。
 ◇転倒で重傷も
 静岡県では、島田市で午後4時半ごろ、自宅の庭に出た無職女性(81)が転倒し、右足を骨折するなど、男性2人、女性5人が強風の影響で転倒したり自宅屋根から転落し骨折の重傷。
 神奈川県相模原市では、午後4時55分ごろ、古紙回収会社営業所の男性社員(56)が、雨どいの掃除中、入り口のひさし(高さ約6メートル)から転落し、骨盤やろっ骨などを折り重傷を負った。

最終更新:9月7日0時52分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070906-00000165-mai-soci


 まずは、人命が失われぬことを祈るのみ。電力・ガスなどインフラへの被害、堤防決壊と洪水氾濫、港湾施設と船舶の破壊などは拡大するだろう。今回は、東北南部地域にもかなりの被害が出るかもしれない。刈入れ時を迎えた水稲、早生種のりんご「津軽」などの収穫が心配である。

 森洋介氏のHPには、過去の台風に関する発生数や上陸数に関する情報がまとめられていて、興味深い。

 それによると、台風の発生数は平均25個程度、上陸数は平均で5-6個であるが、2004年は10個と特別に多いようだ。平均上陸数の時系列的変化を見ると、アル・ゴア氏の言う「地球温暖化の影響で日本へ上陸する台風の数が増えている」との指摘は、正しくないと思われる。


 この後、9月7日午前11時には、会津若松市の南西を通過中で、山形市近傍を経て秋田県能代市方面へ向かう見込み。山形新幹線は終日運行を止めている。一方、秋田新幹線も運転を見合わせていたが、台風の勢力減退を確認して運行を再開した。読売新聞の伝えるところでは、

台風9号は福島市の南西、大雨の中心が北日本へ

 台風9号は7日未明に神奈川県小田原市付近に上陸した後、東北地方を北上している。今後は北日本が大雨の中心になるとみられ、気象庁は東日本を中心に土砂災害や河川の増水などに厳重な警戒を呼びかけている。
 同庁の観測によると、台風9号は7日午前10時現在、福島市の南西を時速約35キロで北北東へ進んでいる。中心気圧は980ヘクト・パスカル、中心付近の最大風速は30メートル。中心の南東側150キロ以内と北西側90キロ以内で風速25メートル以上の暴風域となっている。
 台風は7日夜には東北地方を通り、8日朝には北海道に達する見込みで、局地的に1時間に50~60ミリの非常に激しい雨も予想される。
 8日正午までの24時間の雨量は、多い所で、東北地方の太平洋側で300ミリ、北海道の太平洋側で250ミリ、東北地方の日本海側と北海道の日本海側で200ミリ、北海道のオホーツク海側で150ミリ、北陸地方で100ミリと予想されている。関東地方の沿岸や伊豆諸島では、波の高さが6メートルを超える大しけとなっている。
 各地で被害も相次いだ。6日未明に群馬県安中市松井田町の県道で土砂崩れが起き、霧積温泉の2旅館が孤立。また、長野県軽井沢町で倒木に当たった男性(76)が死亡したほか、静岡、群馬など8都県で計30人が重軽傷を負った。宮城県では住宅1棟が全壊し、1棟が半壊。静岡、群馬、山梨の各県で計973世帯2595人に避難勧告が出された。
 交通機関は7日も影響が出ている。羽田空港発着の国内線は、始発から正午ごろにかけての便で欠航が相次いでいる。JRも、首都圏発着の電車を中心に、始発から運転の見合わせや遅れが出るなど影響が出ている。
(2007年9月7日11時1分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070907it01.htm?from=top

 最上川の増水はここ数年間で最大レベルに達している。米沢市中田から長井市にかけて、住民避難の警戒水域に近づいた。但し、堤防決壊の可能性は低い。

 こうした経過を辿りながら、台風9号は秋田から北海道へ抜けた。死者1人、行方不明は5人になった。

<台風9号>死者1人、不明5人 東北縦断し北海道へ
9月7日21時23分配信 毎日新聞

 首都圏を直撃した台風9号は7日午後3時ごろ、秋田市付近で暴風域がなくなり、同日夜、東北地方を加速しながら北上した。8日未明には北海道に再上陸する見通しで、大雨の中心は北日本に移った。毎日新聞のまとめでは、この台風で長野県で男性(76)が死亡したほか、東京都と神奈川、群馬県で計5人が行方不明になり、15都県で82人が負傷した。家屋は14棟が全壊、15棟が半壊した。また11県で計8665人が一時避難した。

 気象庁によると、台風は8日午前0時現在、北海道函館市付近を時速15キロで北北東に進んでいる。中心気圧は992ヘクトパスカル、最大瞬間風速は35メートル。北海道に再上陸後は進路をやや北東に変え、8日午後、オホーツク海に抜ける見通し。台風による総雨量は、群馬県甘楽町で595ミリと観測記録を、山梨県甲州市は536ミリで9月の記録を更新した。最大瞬間風速は岩手県宮古市で38.9メートルを観測。東北の太平洋側は6メートルを超える大しけとなっている。8日午後6時までに予想される24時間雨量は、▽東北・北海道太平洋側200ミリ▽同日本海側とオホーツク海側150ミリ。

 この台風で、川崎市の男性(52)のほか、群馬県富岡市で6日夜、土砂崩れを警戒して車に避難していた女性(88)の行方が分からなくなっている。また東京都の多摩川では、3人が7日朝から行方不明。神奈川県二宮町の西湘バイパスは高波で陥没し、一部区間で通行止めになっている。

 一方、交通は7日も大きく乱れた。航空便は日本航空が105便欠航し約1万8440人に影響、全日空は122便が欠航し約1万8200人に影響が出た。エア・ドゥなどの計8便も欠航した。鉄道は山形、東北・秋田、長野新幹線が計63本運休し約3万人に影響が出た。高速道路は山形、上信越自動車道の一部区間が夜まで通行止めになった。【鈴木梢、鈴木敦子】

最終更新:9月8日1時4分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070907-00000124-mai-soci


 この他、全・半壊した家屋、出水による床下浸水被害も出ている。停電がなお続く家庭もあるようだ。
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