陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

中東和平会議は振出しへ戻る:イスラエル新政権は強硬姿勢

2009-04-03 16:16:13 | 中東問題
 2年前の11月下旬、ライス国務長官(当時)が相当の努力を重ねて、イスラエルとパレスチナの責任者、周辺中東諸国、それに安保理事国を招聘し、<アナポリス会議>を開いた。そこでは、1年以内にパレスチナ和平を具体化する取り決めがなされた。当時のイスラエル外相は、中道穏健派の政党カディマに所属するリブニ女史であった。

 その後、政権党カディマの弱体化を招き、昨年末から年初にかけて起きた<ガザの殺戮>を経て、イスラエルの民意は硬化した。その反映として、3月31日に強硬派のリクードを主体とするネタニヤフ政権が発足した。早速、リーバーマン新外相は<アナポリス合意>を否定し、ライス氏の中東和平構想は画餅に帰した。米国は、恐らく切歯扼腕しているであろう。

 中東の<ドラゴンの歯>イスラエルは、何を求めているのであろうか。周辺諸国との妥協を忌避し、再び<ガザの殺戮>を繰り返せば、現在以上に世界から孤立するのは目に見えている。米国も自国の経済危機脱却とアフガン処理で余裕は殆ど無いから、我侭なイスラエルを見捨てるかも知れぬ。


イスラエル新外相、07年パレスチナ和平合意を否定 強硬路線示す
2009年04月02日 13:22 発信地:エルサレム/イスラエル

【4月2日 AFP】イスラエル右派新政権のアビグドル・リーバーマン(Avigdor Lieberman)外相は1日、外相引き継ぎ式での演説で、パレスチナ和平交渉の本格再開をうたった2007年の米アナポリス(Annapolis)での合意について「正当性がない」と批判、イスラエルには履行義務がないと主張した。

 ベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)新政権がパレスチナ和平交渉に対して強硬路線を取る方針が改めて示されたかたちで、和平を推進したい国際社会や同盟国の米国とイスラエルが対立する可能性も出てきた。

 イスラエル政府は03年に中東和平4者協議が提示した中東和平案(ロードマップ)の原則受託を承認。07年にアナポリスで行われた米・パレスチナ・イスラエルの中東和平会議では、このロードマップを再確認するとともに、パレスチナ国家を08年末までに樹立することを目指して交渉を再開するとの覚書を発表した。

 しかしリーバーマン外相は就任後初の演説で、「イスラエルに履行義務がある文書は1つきりで、それはアナポリス会議の覚書ではない。ロードマップだけだ。イスラエル政府と議会は、アナポリスを一度も承認してはいない」と述べた。

 この発言に、パレスチナ自治政府側は反発。リーバーマン外相は「和平の障壁」だと非難し、国際社会に対し、イスラエルに対話路線に戻るように圧力をかけるよう要請した。

 ネタニヤフ首相は2国家併存案を支持しておらず、「パレスチナは国家を樹立する前に経済を発展させる必要がある」と主張している。(c)AFP/Ron Bousso
http://www.afpbb.com/article/politics/2588903/3990195
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