第2回G20(ロンドン)は、4月1日の夕食会から実質始まっているのだが、2国間首脳会談も平行して行われている。開催国である英国は、ドル基軸体制に批判的だが、仏・独のように金融規制に対し厳しい意見を持っていない。
オバマ大統領は、早速ブラウン英首相と会談し、保護主義貿易化を避けることやIMF強化に関しては合意したようだ。産経新聞によると、
オバマ大統領、金融危機を招いた非認める
2009.4.1 21:05
【ロンドン=木村正人】主要20カ国・地域(G20)金融サミットの議長を務めるブラウン英首相は1日、英首相官邸でオバマ米大統領と会談し、世界的な金融・経済危機を乗り切るため、G20が保護主義の阻止や新興・途上国市場への支援で団結する方針を表明した。
オバマ大統領は会談後の共同記者会見で、米国に端を発した金融危機について、「不適切な金融規制に関し米国に責任がある」と自国の非を認めた上で、保護主義を阻止し、国際通貨基金(IMF)などの融資枠拡大を通じ新興・途上国支援を行う考えを示した。ブラウン首相は「貿易金融を少なくとも1000億ドル(約9兆9000億円)拡大する必要がある」と、G20で合意を目指すことを明らかにした。
オバマ政権はすでに、一定規模以上のヘッジファンドに米証券取引委員会(SEC)への登録や情報開示を義務付ける金融規制改革を発表。しかし欧州には、米国の規制は十分ではないとの批判が強く、サルコジ仏大統領が「G20の共同声明に金融規制の強化が明記されなければ退席する」と漏らすなど、欧米の対立点が鮮明になっている。
英米両首脳はまた、第二次大戦以来の「特別関係」を強調。オバマ大統領が新戦略として掲げるアフガニスタン・パキスタン安定化についてブラウン首相は理解を示し、アフガンに派兵している英軍を最大2000人増強し、1万人規模にする方針を伝えたとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090401/amr0904012106010-n1.htm
オバマ大統領と欧州側の考え方の相違について、ブルームバーグが下記記事のように簡潔にまとめている。米国は、ドル基軸体制を守りながら各国政府が財政刺激を行って景気回復に努力する、金融規制は緩やかに行うとの考えだ。日本政府は、米国と同調して動いている。欧州側は、これ以上の財政出動はしない、金融規制は厳しく行うとの姿勢である。
既にシナは、ドル基軸体制を崩すかのように、IMFの特別引き出し権(Special Draw Right: SDR)を基軸通貨のように扱うことを提案しており、そのためにIMFへ新たに500億ドル出資する構えだ。ロシアや南米諸国はこれに理解を示している。しかし、この考えに対する米国の反発は極めて大きいから、簡単には行かないだろう。
オバマ米大統領:G20で財政出動と金融規制改革の合意形成目指す
4月1日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は3月31日夜、20 カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)出席のため、ロンドンに到着した。G20では、世界的な金融危機への対応策をめぐり、欧米間の隔たりを埋めることが求められる。
オバマ大統領にとっての課題は、財政刺激策を通じた景気悪化への対処で各国が協調することに加え、ヘッジファンドからデリバティブ(金融派生商品)取引、金融機関幹部への報酬、過度なリスクテークに至るまで金融市場規制の抜本的な見直し策をまとめることだ。
米国家経済会議(NEC)のマイク・フロマン氏はロンドンで記者団に対し、統一された案を提示することが重要だと述べた。
昨年11月にワシントンで行われたG20当時に比べて、各国の経済は一段と悪化。経済協力開発機構(OECD)が3月31日発表した最新の経済予測によれば、加盟30カ国は今年、4.3%のマイナス成長に陥り、主要7カ国(G7)の失業者数は来年遅くには3600万人に達する見通しだ。
G20は4月1日の晩さん会に続き、2日には実質討議に入る。フロマン氏によると、オバマ大統領は、各国協調による景気悪化への「2方面」政策を模索する方針だ。これは「成長を回復させる一方、広範で深い規制・機構改革を実施する」ものだという。
米欧対立
ただ、米国が一段の財政出動を求めているのに対し、欧州各国政府は反対。また、世界規模の規制体系を構築する必要性をめぐっても、合意形成が危ぶまれている。フランスのラガルド財務相は英BBC放送の番組で、G20が厳しい国際金融規制を導入しない限り、同国のサルコジ大統領は背を向けてしまうだろうと述べた。
サルコジ大統領は、実体経済に対する国際通貨基金(IMF)の監督機能の強化や、「金融安定フォーラム」を改組した単一の金融監督機関を創設することを望んでおり、ラガルド財務相は求めたものが得られなければ、大統領が共同声明に署名しないこともあり得るとの見方を明らかにした。
これに対し、米ホワイトハウスのギブズ報道官は「危機の再発を防ぎ、21世紀のためのこれまでと異なるルールへの道筋をつけるために、より強力な金融規制が必要という点では幅広い合意があるだろう」と述べ、各国間に対立があるとの見方を否定した。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 持田譲二 Joji Mochida jmochida@bloomberg.net Editor:Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Hans Nichols in London at hnichols2@bloomberg.net ; Edwin Chen in London at Echen32@bloomberg.net
更新日時 : 2009/04/01 14:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aFVKHzooJmJo&refer=jp_news_index
オバマ大統領は、早速ブラウン英首相と会談し、保護主義貿易化を避けることやIMF強化に関しては合意したようだ。産経新聞によると、
オバマ大統領、金融危機を招いた非認める
2009.4.1 21:05
【ロンドン=木村正人】主要20カ国・地域(G20)金融サミットの議長を務めるブラウン英首相は1日、英首相官邸でオバマ米大統領と会談し、世界的な金融・経済危機を乗り切るため、G20が保護主義の阻止や新興・途上国市場への支援で団結する方針を表明した。
オバマ大統領は会談後の共同記者会見で、米国に端を発した金融危機について、「不適切な金融規制に関し米国に責任がある」と自国の非を認めた上で、保護主義を阻止し、国際通貨基金(IMF)などの融資枠拡大を通じ新興・途上国支援を行う考えを示した。ブラウン首相は「貿易金融を少なくとも1000億ドル(約9兆9000億円)拡大する必要がある」と、G20で合意を目指すことを明らかにした。
オバマ政権はすでに、一定規模以上のヘッジファンドに米証券取引委員会(SEC)への登録や情報開示を義務付ける金融規制改革を発表。しかし欧州には、米国の規制は十分ではないとの批判が強く、サルコジ仏大統領が「G20の共同声明に金融規制の強化が明記されなければ退席する」と漏らすなど、欧米の対立点が鮮明になっている。
英米両首脳はまた、第二次大戦以来の「特別関係」を強調。オバマ大統領が新戦略として掲げるアフガニスタン・パキスタン安定化についてブラウン首相は理解を示し、アフガンに派兵している英軍を最大2000人増強し、1万人規模にする方針を伝えたとみられる。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090401/amr0904012106010-n1.htm
オバマ大統領と欧州側の考え方の相違について、ブルームバーグが下記記事のように簡潔にまとめている。米国は、ドル基軸体制を守りながら各国政府が財政刺激を行って景気回復に努力する、金融規制は緩やかに行うとの考えだ。日本政府は、米国と同調して動いている。欧州側は、これ以上の財政出動はしない、金融規制は厳しく行うとの姿勢である。
既にシナは、ドル基軸体制を崩すかのように、IMFの特別引き出し権(Special Draw Right: SDR)を基軸通貨のように扱うことを提案しており、そのためにIMFへ新たに500億ドル出資する構えだ。ロシアや南米諸国はこれに理解を示している。しかし、この考えに対する米国の反発は極めて大きいから、簡単には行かないだろう。
オバマ米大統領:G20で財政出動と金融規制改革の合意形成目指す
4月1日(ブルームバーグ):オバマ米大統領は3月31日夜、20 カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)出席のため、ロンドンに到着した。G20では、世界的な金融危機への対応策をめぐり、欧米間の隔たりを埋めることが求められる。
オバマ大統領にとっての課題は、財政刺激策を通じた景気悪化への対処で各国が協調することに加え、ヘッジファンドからデリバティブ(金融派生商品)取引、金融機関幹部への報酬、過度なリスクテークに至るまで金融市場規制の抜本的な見直し策をまとめることだ。
米国家経済会議(NEC)のマイク・フロマン氏はロンドンで記者団に対し、統一された案を提示することが重要だと述べた。
昨年11月にワシントンで行われたG20当時に比べて、各国の経済は一段と悪化。経済協力開発機構(OECD)が3月31日発表した最新の経済予測によれば、加盟30カ国は今年、4.3%のマイナス成長に陥り、主要7カ国(G7)の失業者数は来年遅くには3600万人に達する見通しだ。
G20は4月1日の晩さん会に続き、2日には実質討議に入る。フロマン氏によると、オバマ大統領は、各国協調による景気悪化への「2方面」政策を模索する方針だ。これは「成長を回復させる一方、広範で深い規制・機構改革を実施する」ものだという。
米欧対立
ただ、米国が一段の財政出動を求めているのに対し、欧州各国政府は反対。また、世界規模の規制体系を構築する必要性をめぐっても、合意形成が危ぶまれている。フランスのラガルド財務相は英BBC放送の番組で、G20が厳しい国際金融規制を導入しない限り、同国のサルコジ大統領は背を向けてしまうだろうと述べた。
サルコジ大統領は、実体経済に対する国際通貨基金(IMF)の監督機能の強化や、「金融安定フォーラム」を改組した単一の金融監督機関を創設することを望んでおり、ラガルド財務相は求めたものが得られなければ、大統領が共同声明に署名しないこともあり得るとの見方を明らかにした。
これに対し、米ホワイトハウスのギブズ報道官は「危機の再発を防ぎ、21世紀のためのこれまでと異なるルールへの道筋をつけるために、より強力な金融規制が必要という点では幅広い合意があるだろう」と述べ、各国間に対立があるとの見方を否定した。
翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 持田譲二 Joji Mochida jmochida@bloomberg.net Editor:Fumihiko Kasahara 記事に関する記者への問い合わせ先: Hans Nichols in London at hnichols2@bloomberg.net ; Edwin Chen in London at Echen32@bloomberg.net
更新日時 : 2009/04/01 14:22 JST
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aFVKHzooJmJo&refer=jp_news_index
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