陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

S.スピルバーグ監督、<北京五輪>へ距離を置く

2008-02-13 12:58:26 | 北京五輪関係
 昨年秋から話題になっていた<北京五輪>とスティーブン・スピルバーグ監督の係わり合い、ここに来てダルフール問題を理由に同監督は芸術顧問を辞める決意を示した。産経新聞によると

スピルバーグ氏が北京五輪の芸術顧問退任 ダルフールで中国に不満
2008.2.13 08:16

 【ロサンゼルス=松尾理也】米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏は12日、スーダン・ダルフール問題への中国政府の姿勢を不満として、北京五輪の芸術顧問から退くとの声明を発表した。

 声明で、スピルバーグ氏は「ダルフール問題の解決に向け影響力を行使するよう中国政府に何度も働きかけたが、状況はむしろ悪くなっている」と指摘。「現時点では、自分の時間とエネルギーは五輪ではなく、ダルフールで続く人道に対する犯罪を終わらせることに費やすべきだと結論づけた」として、最終的に顧問への就任を拒否すると述べた。

 スピルバーグ氏は昨年、中国政府から芸術顧問への就任を要請されたが、ダルフール問題への懸念から最終的な契約書への署名は先延ばしにしていたという。

 一方で同氏は、中国映画界を代表する映画監督で、親しい友人でもある張芸謀氏が総監督を務める同五輪の開閉会式への協力を取りやめるのは「非常に困難な決断だった」とも述べ、引き続き中国政府に姿勢転換を望むとしている。

 この問題では、女優でユニセフ親善大使のミア・ファローさんが昨年、「北京五輪のレニ・リーフェンシュタールになりたいのか」と、1936年にナチス主導で行われたベルリン五輪の記録映画を撮影した映画監督の名前を引き合いに出してスピルバーグ氏を批判するなど、論議が高まっていた。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080213/plc0802130816004-n1.htm


 スピルバーグ監督の協力を得ることで、<北京五輪>映像記録の芸術性を高め、また国際的な評判を獲得するよう画策していた中共政府にとって、これはかなり打撃である。ダルフール問題の非人道性をあからさまに批判されたに等しいからだ。

 チベット問題を理由とし、チャールズ英皇太子も<北京五輪>へ参加しない意思を表明している。こうした意見表明は、国事や国際政治のあり方とは別に、著名なVIPの個人意見として自由であるべきだ。

 4月中旬に来日予定の胡錦濤総書記は、皇太子殿下への<北京五輪>招待を申し出ると思うが、適切な理由で回答保留されるよう願っている。出来れば、明確にお断りされのが望ましいけれども。

(追記:2月14日)

 izaによると、スピルバーグ監督の声明に呼応して、米国では以下の動きがあった。

スポンサーも対中圧力を 米人権団体が声明
02/13 13:57更新

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)は13日、米映画監督スピルバーグ氏が北京五輪の芸術顧問を辞退したことについて声明を発表、中国に人権改善を働き掛けることは五輪スポンサー企業などの責務だと訴えた。

 声明は、同監督の辞任が企業や各国政府、各国五輪委員会にとって「中国に圧力をかけるきっかけになるべきだ」と強調。中国の「人権状況は悪化している」と述べ、スポンサー企業などは中国政府が五輪招致の際に言明した人権擁護の約束を果たすよう促す必要があるとした。(共同)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/122433/

 <北京五輪>を支援する米国のスポンサー企業へ圧力を掛けるのは、かなり有効な手段かも知れない。訴訟に発展する可能性があるからだ。

 以前から気になっているのだが、日本の「人権団体」や、「市民団体」は、チベット、ウィグル、ダルフール問題を生み出している中共の人権無視行動に、きちんとクレームを付けているのだろうか。それと、<法輪功>弾圧を激しく進めている中共に対して、どう思うのかを聞きたい。
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