人気作家・百田尚樹氏の講演を一橋大学自治会が学園祭で企画したところ、学内外の執拗な反対運動で中止に追い込まれた。これは、言論弾圧そのものの証拠になるだろう。
かつて櫻井よしこさんの一般講演会も市民団体とやらの反対運動で中止になったことがある。だが、学問の自由や言論の自由を謳(うた)う大学キャンパス内の行事に、外部勢力が嘴(くちばし)を挟むのは許されることではない。このような事態を看過する一橋大学教員の見識が疑われる。
「講演会中止」の波紋広がる 反対の“圧力”で学生動揺も
門田隆将氏「言論の自由や大学の自治が失われた」
【百田尚樹氏講演会中止問題】 産経 2017.6.6
一橋大の学園祭「KODAIRA祭」で予定されていた作家、百田尚樹さん(61)の講演会が、反対運動で中止に追い込まれたことが波紋を呼んでいる。一部団体の強硬な中止要請が影響したとみられ、識者からは「言論の自由や大学の自治が失われた」と批判の声が上がった。
同祭は10、11の両日に開催予定で、講演会は10日のイベントとして、学生によって組織された同祭実行委員会が企画。テーマは「現代社会におけるマスコミのあり方」だった。
同大関係者によると、数カ月前から、同大の学生らでつくる反レイシズム情報センター(ARIC)などが「百田氏の発言に特定民族への差別がある」と主張して講演会の中止を要求するなどした。
同大の一部教員からも中止を求める声が出ていたという。
開催に向けて仲立ちしたイベント会社の男性社長は、「実行委に執拗な圧力が継続的にかかり、動揺や不安が広がった」と説明。実行委と反対派の話し合いの場では、反対派が「われわれと別の団体が講演会で暴れ、負傷者が出たらどうする」などと発言したこともあったという。
警備強化や、聴衆や関係者以外のキャンパスへの入場規制も検討されたが、同じキャンパスで別イベントを開催予定の団体との調整も難航。最終的に2日に実行委が中止を発表した。
男性は「実行委メンバーは理不尽な圧力でかなり疲弊していた。さまざまな意見を聴く機会が奪われたのは残念だ」と話した。
中止について実行委は、ホームページで「(講演会が)祭の理念に沿うものでなくなってしまった」と説明。同祭は新入生歓迎が第一義で、実行委の企画により新入生が考案した企画や発表の場が犠牲になることは「容認できない」「新入生のための学園祭という根幹が揺らいでしまう」とした。産経新聞の取材に、実行委からは5日夕までに回答がなかった。
一橋大は「KODAIRA祭は本学学生が運営する行事であり、諸企画の立案、実施については学生の自主性を尊重している」などとコメントした。
■学生自治喪失 内外に示す
ノンフィクション作家の門田隆将氏(58)の話「講演会中止の要求は毅然として断るべきで、今回の騒動によって、言論の自由、学生自治が失われたことを学内外に示すものになった。学内に言論の弾圧が吹き荒れながら、それをはねのけることができないとは情けない。学問の府としての大学は、さまざまな意見に触れ、共鳴したり批判的思考を身につけたりしながら教養レベルを高めるべき場所だ。百田氏の意見は大胆な内容のこともあるが、自分の考えと違うと感じるならば議論を戦わせればいい。それこそが言論の自由ではないか。談論風発できない学生の質と、そのときどきの思想に惑わされず自ら考える学生を育てられない教授陣の質の低さに危機感を抱くべきだ」
http://www.sankei.com/affairs/news/170605/afr1706050031-n1.html
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