テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

大切な、3冊。

2016-05-19 22:01:50 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ~しゅッぱつゥでスよッ、じろォ!」
「がるる!ぐるるるるるがる!」(←訳:虎です!折り返し点は聖地!)

 こんにちは、ネーさです。
 2016ジロ・ディ・イタリア第11ステージの出発地はモデナ。
 モータースポーツの聖地としても知られる土地でした。
 レース沿道の風景がまた美しくて、
 しばし旅気分を味わった後は、
 さあ、読書タイム!
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



          ―― ゲゲゲのゲーテ ――



 著者は水木しげるさん、編者は水木プロダクションの皆さん、
 2015年12月に発行されました。
 『水木しげるが選んだ93の《賢者の言葉》』と副題が付されています。

「みずきィせんせいィ~!」
「ぐるるるがる!」(←訳:偉大なるパパ!)

 鬼太郎くんたちの偉大なパパ、
 水木しげるさん。

 その足跡、その生き方は、
 いまでも敬愛され、
 多くのクリエイターさんたちが
 水木さんを“師”と仰いでいます。

 紙芝居の画家さんから、
 貸本漫画家へ。
 そして少年誌にマンガ家デビュー!
 代表作の《ゲゲゲの鬼太郎》シリーズ、
 《悪魔くん》《河童の三平》他で知られているのももちろんですが、
 近年は、水木さんの半生がドラマ化されたりもして日本全国に、
 海外の国際漫画賞を受賞して世界にも
 知られるようになったのですが……

 激烈な戦争体験をした御方であることも、
 いまや、広く知られています。

「みずきィさんはァ~」
「がるるるるぐるる!」(←訳:1922年生まれ!)

 1922年に生まれた水木さんの青春は、
 戦争の時代と重なります。

 行きたくもない戦地へ、
 南洋の激戦地へ。

 駆り出された先で水木さんを支え、
 心の慰めに、いえ、
 生きねば、と心に灯を点させたのは、
 
 岩波文庫『ゲーテとの対話』、
 上中下巻の3冊。

「にもつにィ、こッそりィ、しのばせましたでス!」
「ぐるがる!」(←訳:大切にね!)

 雑嚢(ざつのう)に忍ばせた『ゲーテとの対話』3冊を、
 水木さんは手放すことなく
 日本に持ち帰りました。

 持ち帰った文庫本のページには、
 何度も読み返し、
 読んでは深考した証しでしょう、
 何ヵ所も傍線が引かれていたそうです。

「かんがえにィ、かんがえてェ!」
「がるぐるるるがるる!」(←訳:暗記するほど読んで!)

 この御本は、
 戦下の水木さんを支え、
 その後の人生の指標となったであろう
 ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテさんの
 “名言”を軸に構成されています。

 ものを創り出すこと、
 働くこと・学ぶこと、
 生きることはたいへんです、
 死の先にあるもの、
 の4つの章に分けて、
 ゲーテさんの言葉と水木さんの解説、
 水木さんへのインタビューと、
 御本の巻末には、
 マンガ作品『新講談 宮本武蔵 剣豪とぼたもち』も
 収録されています。

「げーてさんからァ、ぼたもちィ??」
「ぐるるがるるる……!」(←訳:斬新な道のりだ……!)

 そうかぁ、
 鬼太郎くんたちの物語の背景には、
 ドイツ哲学、いえ、ゲーテさんの哲学があったのかぁ、と
 読み終えて感慨に耽りました。
 いえ、冗談ではなくてね、
 水木さん御本人も
 
 《水木さんの80%はゲーテです》

 と、語っています。

「きッとォ、だいすきィ~だッたんでスゥ!」
「がるるぐーる!」(←訳:いつもゲーテ!)

 水木さんの目と心を通して、
 ゆっくり響いてくるゲーテさんの言葉。

 堅苦しい御本ではありませんので、
 初夏の読書タイムに、ぜひ、一読を♪
  

 
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