「こんにちわッ、テディちゃでス!
たいぼうゥのォ、あにめェかッ!」
「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!録画必須~!)
こんにちは、ネーさです。
荒川弘さん著のコミックエッセイ『百姓貴族』が、
アニメーションになって7月より放送開始というニュースがありました♫
嬉しさに顔をホクホクさせながら(どんな顔だ?)、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 日本最後のシャーマンたち ――
著者はミュリエル・ジョリヴェさん、
原著は2021年に、日本語版は2023年2月に発行されました。
仏語原題は『LES DERNIÈRES CHAMANES DU JAPON』、
日本のシャーマンたちへの訪問とインタビューを中心とする
ノンフィクション作品です。
「ふらんすごォ、なのにィ~??」
「ぐるるがぅーるる??」(←訳:日本のシャーマン??)
著者・ジョリヴェさんは、
ベルギー生まれの日本学者さんであり、東洋学博士さんです。
1973年から日本に在住している、といいますから、
日本に暮らして半世紀、になるジョリヴェさんが、
この御本の主題に据えたのは、
題名の通り――
《シャーマン》。
「うゥ~むむむゥ?」
「がるる~…」(←訳:それは~…)
そうですね、《シャーマン》と聞くと、
殆どの方々は“ドン引き”しちゃうでしょうか。
《シャーマン》って、アレでしょ?
口寄せとか、イタコとかの、
怪しさ満載の……?と。
著者・ジョリヴェさんも、その点は心得ています。
あやしく、ぼんやりととらえどころがなく、
よく分からなくて、
そして。
滅びゆこうとしているもの。
現代では、
いえ、産業革命が起こった頃から既に、
あるいはもっともっと昔から、
蔑視され、忌避されて、
減少の一途を辿っている存在。
「いずれはァ、ひとりもォ……」
「ぐるるるる?」(←訳:いなくなる?)
滅びゆく《シャーマン》たちを訪ねて、
東北へ、沖縄へ、北海道へ、
東京の街角へ。
霊媒師、霊能者、拝み屋、イタコ、ユタ……
取材に応じてくれた彼女たちは、
『みな熱い心の持ち主』で、
『人間味にあふれている』
とジョリヴェさんは記します。
また同時に、
自分が“底辺”にいることも意識していて、
富裕な生活とは程遠く、
後継者はいない……。
「とッてもォくろうゥ、してるのでスゥ!」
「がるるるぐる!」(←訳:いろいろ意外!)
日本人ではない、異国人であることを
じゅうぶんに意識しつつ、
ニュートラルな視点に立つジョリヴェさんが
見聞きするもの。
『序文』の24ページには、↓こんな文章があります。
《日本は世界で最も幽霊がよく出る国の一つである》
アメリカ人作家ザック・ダヴィッソンさん
(水木しげるさんや松本零士さんの漫画の翻訳で有名な御方)の
言葉だそうですが、
そんな《幽霊だらけの国》で
ジョリヴェさんは何を聴き拾うのか。
「りきさくゥ、でスよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:重厚です!)
《シャーマン》たちとの問答の先、
輪郭をあらわにしてゆくのは、
日本の、西欧の、米国の、
世界のさまざまな土地での、
死生観のかたち、でしょうか。
とっつきやすくて、
むずかしくなくて、
けれど、深い井戸の底を覗くような、
稀少なドキュメント作品です。
全活字マニアの皆さま、
ぜひ、一読を♪
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