テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《神話》と《民話》のスキマで ~

2023-04-27 22:05:53 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 たいぼうゥのォ、あにめェかッ!」

「がるる!ぐるるる~!」(←訳:虎です!録画必須~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 荒川弘さん著のコミックエッセイ『百姓貴族』が、

 アニメーションになって7月より放送開始というニュースがありました♫

 嬉しさに顔をホクホクさせながら(どんな顔だ?)、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

        ―― 日本最後のシャーマンたち ――

 

 

 著者はミュリエル・ジョリヴェさん、

 原著は2021年に、日本語版は2023年2月に発行されました。

 仏語原題は『LES DERNIÈRES CHAMANES DU JAPON』、

 日本のシャーマンたちへの訪問とインタビューを中心とする

 ノンフィクション作品です。

 

「ふらんすごォ、なのにィ~??」

「ぐるるがぅーるる??」(←訳:日本のシャーマン??)

 

 著者・ジョリヴェさんは、

 ベルギー生まれの日本学者さんであり、東洋学博士さんです。

 

 1973年から日本に在住している、といいますから、

 日本に暮らして半世紀、になるジョリヴェさんが、

 この御本の主題に据えたのは、

 題名の通り――

 《シャーマン》。

 

「うゥ~むむむゥ?」

「がるる~…」(←訳:それは~…)

 

 そうですね、《シャーマン》と聞くと、

 殆どの方々は“ドン引き”しちゃうでしょうか。

 

 《シャーマン》って、アレでしょ?

 口寄せとか、イタコとかの、

 怪しさ満載の……?と。

 

 著者・ジョリヴェさんも、その点は心得ています。

 あやしく、ぼんやりととらえどころがなく、

 よく分からなくて、

 そして。

 

 滅びゆこうとしているもの。

 

 現代では、

 いえ、産業革命が起こった頃から既に、

 あるいはもっともっと昔から、

 蔑視され、忌避されて、

 減少の一途を辿っている存在。

 

「いずれはァ、ひとりもォ……」

「ぐるるるる?」(←訳:いなくなる?)

 

 滅びゆく《シャーマン》たちを訪ねて、

 東北へ、沖縄へ、北海道へ、

 東京の街角へ。

 

 霊媒師、霊能者、拝み屋、イタコ、ユタ……

 取材に応じてくれた彼女たちは、

 『みな熱い心の持ち主』で、

 『人間味にあふれている』

 とジョリヴェさんは記します。

 

 また同時に、

 自分が“底辺”にいることも意識していて、

 富裕な生活とは程遠く、

 後継者はいない……。

 

「とッてもォくろうゥ、してるのでスゥ!」

「がるるるぐる!」(←訳:いろいろ意外!)

 

 日本人ではない、異国人であることを

 じゅうぶんに意識しつつ、

 ニュートラルな視点に立つジョリヴェさんが

 見聞きするもの。

 

 『序文』の24ページには、↓こんな文章があります。

 

   《日本は世界で最も幽霊がよく出る国の一つである》

 

 アメリカ人作家ザック・ダヴィッソンさん

 (水木しげるさんや松本零士さんの漫画の翻訳で有名な御方)の

 言葉だそうですが、

 そんな《幽霊だらけの国》で

 ジョリヴェさんは何を聴き拾うのか。

 

「りきさくゥ、でスよゥ!」

「ぐるがる!」(←訳:重厚です!)

 

 《シャーマン》たちとの問答の先、

 輪郭をあらわにしてゆくのは、

 日本の、西欧の、米国の、

 世界のさまざまな土地での、

 死生観のかたち、でしょうか。

 

 とっつきやすくて、

 むずかしくなくて、

 けれど、深い井戸の底を覗くような、

 稀少なドキュメント作品です。

 全活字マニアの皆さま、

 ぜひ、一読を♪

 

 

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