テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 明治で、さきがけ ~

2017-04-30 22:14:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ぎょうむゥれんらくゥ、でスよゥ~!」
「がるる!ぐるるがるる~!」(↓訳:虎です!お写真どうぞ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 前回記事『新緑の季節は《ムットーニ・パラダイス》!』に
 画像を追加いたしました。
 お気が向いたらちょっと覗いてみてくださいね。
 さあ、ではここからは読書タ~イム!
 本日は、こちらの小説作品を、どうぞ~♪

  



         ―― サーベル警視庁 ――



 著者は今野敏(こんの・びん)さん、2016年12月に発行されました。
 《隠蔽捜査》シリーズ他、
 現代を舞台にした警察小説を得意とする著者・今野さんが、
 この御本では時代をググッと迫り上げて――

「めいじィじだいィ??」
「ぐるがるるっ?」(←訳:維新ですかっ?)

 明治と言ってもね、
 維新の直後じゃないのよ。

 物語は明治38年(1905年)7月、
 日露戦争の帰趨(きすう)がそろそろ決するか、
 なんと日本はロシアに勝利するらしい?
 そんな状況の東京から始まります。

 新聞各紙は威勢よく戦果を書き立て、
 意気軒昂、といったところですが。

 実は、社会の景気は
 どんよりとしていました……

 戦争のために、増税して、
 国債を乱発して、となると。

「むむゥ! きけんでスゥ!」
「がるるぐる!」(←訳:世相に不安!)

 そうですね、物価の激しい変動、
 経済的な不安と失業者の増加、
 犯罪発生率も上昇します。

 そして今日も、
 事件の発生を告げる電話が
 警視庁の一室で鳴り響きます。
 
 あ、電話会社は15年前から営業を開始していて、
 でもまだ一般にはあまり普及していないのよ。
 警視庁に電話があるのは
 一種の特権ね。

「じだいはァ、まだまだァしんこうちゅうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:警察もね!)

 江戸時代の奉行所のお仕事とは、
 似ていなくもないけれど、
 より組織的に、大規模になってゆく
 警察=司法組織。

 そこに在籍するのは、
 かつてのお武家さま、
 或いは武家階級に属していた人びとです。

 彼らの多くが過去を背負っていたのも
 必然と申せましょうか。

「かてばァ、かんぐんッ?」
「がるるる~…」(←訳:負けると~…)

 明治政府を動かす薩長の勢力、
 政府の中の派閥、
 ようやく機能を発揮し始めた警察。

 複雑なパワーバランス、
 駆け引き、腹の探り合いと牽制。

 警視庁の鳥居部長と部下の岡崎巡査、
 私立探偵を自称する怪しげな人物、
 さらには現代の私たちもよく知っている
 あの人・この人も
 謎の解決に、
 はたまた一層の混乱をもたらすかのように
 登場いたしますよ♪

「めいじのォ、ゆうめいィじんッ?」
「ぐるるる??」(←訳:誰だろう??)

 どこで・誰が・どんな風に物語に係わってくるのか、
 時代小説好きな御方は
 ワクワクしながらお楽しみくださいな。

 東京を、いえ、帝都の安寧を脅かすのは
 いったい何者なのか。
 捜査は何処へ向かうのか。

「えいがッぽいィ!」
「がるるぐるる!」(←訳:ドラマみたい!)

 映像化してみたいなぁとも思わせる
 著者・今野さん新境地の警察小説、
 ミステリマニアさんは、
 ぜひ、一読を♪
 
 
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