「こんにちわッ、テディちゃでス!
なぜかァ、ちょうざめェ!」
「がるる!ぐるるるがぅるるる?」(←訳:虎です!どうしてチョウザメ?)
こんにちは、ネーさです。
今日8月20日の満月は《スタージョン・ムーン》、
アメリカの先住民さんたちがチョウザメ(スタージョン)の豊漁を願い、
この時期の満月にチョウザメの名を冠したのだそうです。
美しいスーパームーンが観測できるよう願いつつ、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― われは熊楠 ――
著者は岩井圭也(いわい・けいや)さん、
2024年5月に発行されました。
第171回直木賞候補にも上った話題作!ですね。
「でんせつのォ、きょじんッ!」
「ぐるがるるぐるる……!」(←訳:あの御方が主人公……!)
南方熊楠(みなかた・くまぐす)さん(1867~1941)。
博物学者、生物学者、民俗学者……というレッテルなど、
日本最大の《知の巨人》にとっては
無意味、と申せましょうか。
熊楠さんの興味の対象は、
この宇宙の、あらゆるできごと。
しかし、《学問》という広野へ、
日々猪突猛進する熊楠さんの生き方が
明治の日本でホイホイと理解されようはずもなく。
「まいにちィ、しょうとつゥ?」
「がるぐる~…」(←訳:毎日困惑~…)
熊楠さん自身も、少なからず困惑してしまう
自分の生き方。
少年時代から、和歌山や東京での学生時代、
アメリカ時代はちょっと飛ばして、
ロンドン時代、そして帰国後、と
著者・岩井さんは熊楠さんの生涯を
熱く綴ってゆきます。
パイオニアであること――
まだ誰も踏み入っていない、
道も地図もない未知未開の地へ、
独り、伐り込んでゆくこと。
そこにあるのは、知る喜びと
衝突、摩擦、軋轢、はてのない労苦。
ときとして熊楠さんでさえ
圧し潰されそうになるほどの、不安。
「でもォ、たまにはァ~あるんでスゥ!」
「ぐるるる!」(←訳:光輝の日!)
昭和4年(1929年)6月1日、
熊楠さんは昭和天皇への標本進献上と御進講に臨みました。
それは、熊楠さんに、いえ、熊楠さんと御家族にとって
一代の誉(ほまれ)であったに違いありませんが
(以下、私ネーさの妄想です)。
昭和天皇のお心は、揺れていたかもしれません。
学問をすること。
思いっきり学問に浸ること。
何にも縛られず、自由に学び、究めること。
天皇という地位にあっては、
それは決して許されない。
現に、粘菌や植物や和歌山の島やら、
面白さ無類の熊楠さんの話も
ほんの半時間しか聴けないとは。
なんと眩しい。
なんと羨ましい。
「じゆうなァ、がくもんッ!」
「がるるるぐる!」(←訳:それこそ宝物!)
すべてを知り、
己を知るための、
はてない学び。
池田学さんによるカバー装画も素晴らしい力作を、
全活字マニアの皆さま、ぜひ~!
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