テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 出口は、白と黒 ~

2021-08-13 22:30:31 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ~…もうゥいくつゥねるとォ~」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!新年よ来い~!)

 こんにちは、ネーさです。
 2021年はたいへんな出来事が多過ぎて、
 福々しい新年がササッと来てくれないかしら?
 と夢想してしまいますね。
 いや、せめて穏やかな秋が来てくれれば……
 などと願いつつ、
 さあ、読書タイムです。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
    ―― クイーンズ・ギャンビット ――



 著者はウォルター・テヴィスさん、
 原著は1983年に、
 画像の日本語版は2021年7月に発行されました。
 英語原題は『THE QUEEN'S GAMBIT』、
 Netflixで大ヒットとなった同名ドラマ作品の
 原作小説です。

「すんごいィ~めぢからッ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:CGみたいだ!)

 ええ、そうなのようね、
 ドラマの宣伝用画像を目にしたとき、
 私ネーさも息を呑みましたよ。

 なんという顔立ちの女優さんでしょう!
 CGみたいな大きな瞳だけれど、
 もちろん、生身の俳優さんよね?
 いったいどんな物語の、
 どんな役どころなんでしょうか……?

「それはァ、ごらんのォとおりィ~」
「がぅる!」(←訳:チェス!)

 8歳の少女、
 エリザベス・ハーモンさん――
 通称ベスさんは、
 交通事故で母を喪いました。

 家を失った彼女の行き場は、
 孤児院しか有りません。
 言うまでもなく、そこは、
 楽園などではなく。

「つらいィことばかりィ~…」
「ぐるるがるる……」(←訳:毎日が苦しい……)

 『小公女』のセーラさんは、
 帰って来た父親によって
 救い出されました。

 が、ベスさんには、
 彼女を救いに来てくれる父親はいません。

 代わりに
 彼女を救ってくれるのは。

 チェス。

「べんきょうゥしたのでス!」
「がるるるる!」(←訳:全身全霊で!)

 孤児院の地下にあるボイラー室で、
 用務員のシャイベルさんから
 チェスの初歩を教わり、
 すっかりチェスの虜となったベスさん。

 チェス好きが高じて、
 孤児院の教師たちと
 ひと悶着おこしたりしますが、
 そうこうするうち、
 チャンスが……!

「あらわれェましたよゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:里親さん!)

 幸いにも、
 ベスさんはウィートリー夫人のもとへ
 引き取られ、
 孤児院からの”脱出”が叶いました。

 いえ、叶ったと思ったのですけれど。

 ウィートリー夫人の興味は、
 ベスさん個人に向けられたものでは
 なかったようです。

 夫人の興味は、
 孤児の里親になったことで
 政府から支給される金銭……?

「あううゥ~…!」
「がるぐる……!」(←訳:出口なし……!)

 出口は、あります。

 チェス。

 白と黒の小さな駒たちが、
 ベスさんに囁きます。

 地区チャンピオンに。
 州のチャンピオンに。
 そして、全米選手権をも勝ち抜いたら。

「さらにィ~おおぶたいィ!」
「ぐるるるるがる!」(←訳:欧州王者と決戦!)

 冷戦の只中、
 女性がチェスをするなど
 まったく歓迎されぬ時代、
 キングに、
 クイーンに、
 ルークやビショップたちに導かれ、
 ベスさんが辿り着く場所は。

 主演女優アニャ・テイラー=ジョイさんに、
 まさか37年後にドラマ化されて
 世界配信されることになろうとは
 予想もしなかった?原作者テヴィスさんに、
 心から拍手を送りたくなる一冊です。

 ドラマファンの方々も、
 チェス好きな方々も、
 ぜひ手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
コメント
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