テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《和》の宝飾文化クロニクル ~

2019-05-30 22:16:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 つぎのォすてーじィはァ~くまのッ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!南紀を走れ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 祝! 《ツール・ド・熊野2019》開幕!
 南紀地域を舞台に開催される自転車ロードレース大会は
 今日5月30日から6月2日にかけての開催ですよ。
 熊野の美しい風景が選手さんの励みになることを確信しつつ、
 本日の読書タイムも
 “日本の美”をテーマとする
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  


 
    ―― ビジュアル版 詳説 日本の宝飾文化史 ――



 著者は露木宏(つゆき・ひろし)さん、2019年4月に発行されました。
 『A History of Jewelry Culture in Japan』
 と英語題名が付されています。

「にほんのォ、そうしんぐゥとォいえばァ~…」
「ぐるる~!」(←訳:櫛や簪~!)

 そうね、先日は展覧会情報で
 現在、東京富士美術館で開催されている
 『サムライ・ダンディズム展』(~6/30)
 を御紹介しました。

 『サムライ・ダンディズム展』で展示されているのは
 刀剣と、特に印籠――
 いうなれば、日本男子の身辺を飾った《美》です。

 では、日本女子の身辺を飾った《美》、
 装身具にはどんなものがあるかというと、
 櫛(くし)、
 簪(かんざし)
 だけでは到底おさまりません。

 著者・露木さんは、この御本で、
 安土桃山時代(16世紀後半)から
 明治・大正期にかけての
 櫛・笄(こうがい)・簪の変遷を追ってゆきます。

「ふわわァ~! げいじゅつゥひんッ!」
「がるぐるるがるる!」(←訳:もう文化財だよね!)

 世界に例がないほど発達した、という
 日本の髪飾り文化を体現するかのような
 櫛や簪の図版には目を瞠らされます。

 鼈甲、木地に蒔絵を施したもの、
 珊瑚玉にガラス……素材の数々にも驚嘆させられますね。

 また、とても印象深いのが
 明治という“新たな時代”に於ける
 装飾品の豊かさ!

「こんなにィ、たくさんッ??」
「ぐるっるがるるっるるる!」(←訳:明治ってすごかったんだ!)

 素晴らしい和の装身具、といえば
 江戸期のものが頂点でしょ、という思い込みが
 すこーんと打ち砕かれて、
 私ネーさ、呆然自失してしまいました。

 明治の簪、櫛、襟留(和装のブローチ)、帯留、
 どれもみな美しいこと!
 江戸の職人さんの技術に
 まったく負けてませんね。

「だいあもんどォ、ぴかりッ!」
「がるるぐるる!」(←訳:真珠もピカリ!)

 さらに特筆すべきは、
 ページ数はわずかなのですけれど、
 アイヌ民族の耳飾り・首飾りと
 琉球王国の《ジーファ》と呼ばれる簪についての解説、
 そして、
 藤田君代さんのコレクションの紹介です。

「わわッ! これはッ!」
「ぐるるる~!」(←訳:信じ難い~!)

 画家・藤田嗣治さんの夫人、
 藤田君代さんがコレクションしていた
 江戸中期から明治の頃の大型櫛のコレクションは、
 言葉で説明するよりも、
 とにかく見て!
 見てみてください!と言うしかありません。

 アート好きさん、
 時代小説好きさんも
 歴史ノンフィクション好きな方々にも
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
 
 
コメント
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