テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 光の守り手 ―

2019-05-21 23:15:36 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぱふゥ! すごいィ~かぜッ、だッたのでス!」
「がるる!ぐるがるっる~!」(←訳:虎です!雨も凄かった~!)

 こんにちは、ネーさです。
 大雨と大風で臨時休校になった学校も多かったという、
 まさに嵐のような一日の終わりは、
 はい、読書タイムですよ♪
 本日は、大人もチビっ子もほっこりできる
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
 
  


 
         ―― ダム・キーパー ――



 著者はトンコハウスさん、2019年3月に発行されました。
 ちょうどいま、新宿で開催されている
 《トンコハウス映画祭》も大好評開催中の、
 トンコハウスさんによる絵本作品、いえ、
 アートブック作品、というべきでしょうか。

「とんこはうすゥのォ~」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:そもそもの始まり!)

 トンコハウスの設立者は、
 堤大介(つつみ・だいすけ)さんと
 ロバート・コンドウさん。

 東京都出身の堤さんと、
 南カリフォルニア出身のコンドウさんは
 ピクサー・アニメーション・スタジオの
 アートディレクターとして活動するかたわら、
 1本の映画を自主制作しました。

 その作品『ダム・キーパー』(2014年公開)は、
 世界中の映画祭で20以上の賞を受賞し、
 2015年米国アカデミー賞の
 短編アニメーション部門にもノミネート!

「そしてェ、えいがはァ~…」
「がるるぐる!」(←訳:絵本に変身!)

 この御本は、
 18分の短編アニメーション『ダム・キーパー』をもとに、
 新たに描き下ろされた作品です。

 物語の舞台は、
 谷合いの小さな町――

「おおきなァだむゥ、ありまスッ!」
「ぐるっるるるがる……?」(←訳:貯まっているのは……?)

 町のはずれのダムが堰き止めているのは、
 《くらやみ》。

 そう、ダムのむこうがわに広がっているのは、
 夢も希望もない、
 まっくらなおそろしい世界です。

 ダムの上には風車小屋があって、
 風車の起こす風だけが
 《くらやみ》を押し返し、
 町を守っているのですけれど。

「だァれもォ、しらないィ~…」
「がる・ぐーるーるがるる!」(←訳:ダム・キーパーの存在を!)

 毎朝毎夕、
 風車を回す仕事で
 身体のあちこちが汚れている《ぼく》。

 町のみんなは《ぼく》を見て、
 “よごれんぼ”とバカにします。
 学校に行っても、
 《ぼく》は、いつもひとりぼっち。

 でも、或る日のこと。

 もう慣れた。
 ひとりぼっちには、もう慣れてるもん、
 と諦めていた《ぼく》の、
 こころを揺さぶる出来事が?

「ずしんッ!」
「ぐるる!」(←訳:ずきり!)

 ずきずきと痛み、
 いまにも張り裂けそうな、
 ダム・キーパーくんの胸のうち。

 泉鏡花さんの『夜叉ヶ池』、
 トールキンさんの『指輪物語』、
 そしてプロメテウスの神話をも想い起こさせる
 書籍版『ダム・キーパー』は、
 映画『ダム・キーパー』を
 既に御覧になっている方々にもおすすめです。

 世界を守るために奮闘する
 小っちゃな“守り手”くんの物語を、
 みなさま、ぜひ♪
 
 
 
 
コメント
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