テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 田園のヴィンテージ・ミステリ ~

2019-05-16 22:18:21 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 じだいィはァ、いまァ、たんていィ??」
「がるる!ぐるるっるるる!」(←訳:虎です!競い合ってるね!)

 こんにちは、ネーさです。
 全世界で大ヒット中の映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』、
 その牙城を脅かすのは、探偵となったピカチュウくんと、
 小学生になっちゃった高校生探偵?
 ならば本日の読書タイムにも
 名探偵さんに登場していただきましょう♪
 さあ、こちらを、どうぞ~!

  


 
          ―― 赤い館の秘密 ――



 著者はアラン・アレキサンダー・ミルンさん、
 原著は1921年に、画像の新訳版は2019年3月に発行されました。
 英語原題は『THE RED HOUSE MYSTERY』、
 日本ではあの江戸川乱歩さんが
 《探偵小説黄金時代のベスト10》の一冊として選んだことでも知られる
 “古き佳き時代”の名作ミステリです。

「もォひとつゥ、ゆうめいィ~なのはッ!」
「ぐるがる!」(←訳:作者さん!)

 ええ、そうですね、
 A・A・ミルンさんは
 『くまのプーさん』の著者さんとして
 あまりといえばあまりにも有名な作家さんです。

 ただ、『くまのプーさん』が刊行されたのは
 1926年のことでしたから、
 こちらの『赤い館の秘密』の方が、
 先に世に出た、ということになりますね。

「でもォ、きょうつうゥてんッ、ありまス!」
「がるるるるるるぐるるる!」(←訳:イングランドの田園地帯!)

 《プーさん》シリーズの舞台は、
 イングランド南部に実在する
 サセックス州のアッシュダウンの森であると言われています。

 そして、こちら『赤い館』の立地も、
 首都ロンドンからは離れたのどか~な田園で……
 ややッ? 

「あれはッ?!?」
「ぐるるぅ!」(←訳:銃声だぁ!)

 赤い館に滞在中の友人を訪ねてようと、
 田舎道をてくてく歩いていた
 アントニー・ギリンガムさんの耳にも
 その音は届きました。

 そう、ここは田舎なんですもの、
 猟銃で畑を荒らすウサギを撃っているのか、
 でなければ自宅の敷地内で射撃の練習をしてる、
 ってことも有り得ます、が。

「きゃわわァ! たいへんッ!」
「がるるぐるるるるぅ!」(←訳:援けを呼ばなくちゃ!)

 ギリンガムさんが
 赤い館の一室で発見したのは。

 館の当主の、兄だという人物。

 ……いや、本当に“兄”なんでしょうか?

 15年ぶりに再会する、兄。

 使用人さんたちは誰も、
 当主にそんな血縁者がいることなど
 聞いたためしもなくて。

「あやしィ~!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:あからさまに怪しい!)
「うらがァ、ありそうゥ!」

 その“兄”は、
 床に倒れたまま、動きません。
 これは……!

「じけんッ?」
「がる?」(←訳:事故?)

 館に滞在している友人のベヴァリーさんを相棒役にして、
 ギリンガムさんは調査にかかります。

 赤い館で、何が起こったのか。
 事件なのか、事故なのか。
 “兄”と名乗った人物の真意は。
 消えてしまった館の当主は、どこに……?

「かんたんそうゥにィ、みえるゥけどォ~…」
「ぐるる!」(←訳:難問だ!)

 真剣なのに、どこかユルくて。
 深刻なのに、楽天的で。

 オールディズバットグッデイズを体現するかのような
 ヴィンテージミステリの新訳作品は、
 これ昔に読んだことあるわ!なミステリマニアさんに、
 ミルンさんの作品は《プーさん》しか知らないわよ?な
 ミステリ初心者さんにもおすすめです。
 加納朋子さんによる解説も併せて、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
コメント
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