テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

読めば騒然?

2014-12-15 21:34:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 のーもあッ、おおゆきィ!」
「がるる!ぐるるー!」(←訳:虎です!雪ヤダー!)

 こんにちは、ネーさです。
 明日は関東南部にも雪が降っちゃうのか?それとも雨?
 不安にハラハラしながら、
 本日の読書タイムは、こちらを、どうぞ~!

  



             ―― しだれ桜恋心中 ――



 著者は松浦千恵美(まつうら・ちえみ)さん、2014年10月に発行されました。
 第4回アガサ・クリスティー賞受賞作品!というので
 ミステリ好きさんはこの御本に注目しているのじゃないかしら?

「ぱちぱちぱちィ! おめでとうございまスゥ!」
「ぐるるるるがるるぐる~!」(←訳:めでたさにサクラ咲く~!)

 サクラは春に咲くもの、ですが。

 演劇――時節を超越した舞台の世界では、
 現実世界が冬であろうと夏であろうと、
 サクラが咲き、
 嵐が襲い来ます。

 物語の主人公、屋島達也(やしま・たつや)さんも
 時ならぬ“さくら咲く”予感に、
 困惑……いえ、戦々恐々としていました。

「なぜェ、でスかァ??」
「がるるるぐるるぐるる!」(←訳:サクラはきれいなのに!)

 達也さんのお仕事は、
 文楽人形遣い。

 伝統芸能である、あの文楽の、
 お人形を操る役どころ、ですね。

「むむむッ、むずかしそゥ!」
「ぐるるがる……!」(←訳:伝統の重み……!)

 達也さんは、
 お客さんにまだ名前を知られてもいないような若手さん、ですが、
 心配事を抱えています。

 協会への助成金が削減される、らしい。
 
 追い詰められた文楽協会は、
 思い切った手に出ます。

 それは、昔に上演されたきり、
 封じられていた演目『しだれ桜恋心中』を舞台にかけ、
 観客を呼び込もう!という
 あざとい企み――

「ほほゥ! ろくじゅうねんぶりィにィ?」
「がるぐるがるるる?」(←訳:なぜ封印してたの?)

 初演の折に、不思議な出来事があったのです。
 
 公演三日目に
 太夫さん、そして三味線を担当した技芸員さんが
 心臓発作で倒れ、
 帰らぬ人となった、のだそうです。
 やむなく、公演は中止され
 誰いうともなく
 《呪い》とう囁きが……。

「ひえええッ!」
「ぐるぅ!」(←訳:怖いぃ!)

 そんな不吉な演目を、
 話題作り、客寄せに利用しようとするなんて。

 達也さんの懸念は、
 21世紀の現代には相応しくない、のでしょうか?
 ただの気にし過ぎ?
 非科学的?

 けれど、不穏な気配が
 じわり、じわり、と……。

「にげだしたいィ!」
「がるるる!」(←訳:逃げよう!)

 達也さん、達也さんのお師匠さん、兄弟子さんたちの
 逃げ道は――?

 ミステリ好きさんの間に喧々諤々の論議を呼ぶに違いない意欲作、
 さあ、貴方はこの御本の結末をどう思われますか?
 アリか、ナシか、
 拍手喝采か?
 ぜひ、一読の後に、

「うゥ~むむッ!」
「ぐるる!」

 と唸ってくださいね~♪
 


 
コメント
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