テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

塔ではなく、光を。

2012-09-24 23:24:15 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 オランダで開催された自転車競技の2012世界選手権エリート男子ロードレースは、
 フィリップ・ジルベールさん(ベルギー)が優勝!
 初のアルカンシエル獲得おめでとうございますジルベールさん!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 べるぎーではァ、おおよろこびィ!」
「がるる!ぐるがるるがるぐるる~!」(←訳:虎です!おめでとうの大拍手~!)

 今年は歯の治療が原因の不調で苦しんだジルベールさんでしたが、
 ここにきて世界チャンプになっちゃうとは、やるわね!
 厳しいレース内容に、去年の覇者・英国チームは総崩れ……
 日本チームも上位に加われず……
 対して、ファイトあふれる走りを見せたのはスペイン勢!
 本日の読書タイムは、
 そんなスペインチームに敬意を表して、
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  



 
             ―― 気になるガウディ ―― 



 
 著者は磯崎新(いそざき・あらた)さん、2012年7月に発行されました。
 スペインが生んだ建築家アントニオ・ガウディさん(1852~1926)の作品を、
 日本の建築家・磯崎さんが追跡&解説してくださる、
 写真資料満載!とてもビジュアルな一冊です♪

「あはァ!
 テディちゃもォ~しッてるゥ~がうでぃさんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:有名だもんね!)

 インパクトあるその作風から、
 世界中に知られ、
 熱狂的なファンも多いガウディさんを、
 けれど、著者・磯崎さんは冷静に眺めます。
 
 なんと磯崎さん、以前に、
 『ガウディが大嫌いだ』
 と公言しちゃった御方なので――

「えええェッ? きらいィなのッ??」
「ぐるがるるるがる?」(←訳:なのになぜ御本を?)

   嫌いだけれど、気になってしょうがない。

 磯崎さんの心境は、
 御本の題名にも表れていますが、
 また、こうも言っておられます。

   ガウディが嫌いというより、
   ガウディが好きな日本人が嫌いなんだ。

 ガウディさんを無闇と神格化してしまう日本の風潮が嫌なのだと、
 いわば警鐘を鳴らしているわけですね。
 サグラダ・ファミリア寺院を話題にはしても、
 ガウディさんのその他の建築、
 構造の特徴、工法を、
 本気で論じることをしない、と。

「ふむむゥ~…ぎじゅつゥ~…」
「ぐるるぅ~…」(←訳:工法かぁ~…)

 熱狂から距離をおいて、
 静かにガウディさんの作品を見てゆけば……
 印象も変わってゆきます。

 清々しさ、
 こまやかな気遣い、
 ステンドグラスの繊細な色調、
 家具に漂う古風なライン。

「ちょうこくもォ、たくさんッ、ありまスゥ!」
「がるるるるぐるがるるぐる!」(←訳:タイルもたくさん使ってる!)

 ガウディさん、
 『設計図のひと』ではなく
 『模型のひと』でした。
 図を引くよりも、幾つもの模型を作り、
 建築を“育てて”ゆく。

 しかし、それらの資料の多くが、
 スペイン内戦の際に失われてしまったのだそうです。

 ならば、ガウディさんを知るためには、
 冷静沈着に、丁寧に、
 “見て”ゆくしか、ありませんね。

「すてんどぐらすゥ、みてみたいィでス!」
「ぐるがるるぐっるるがる!」(←訳:ボク椅子に座ってみたい!)

 《モデルニスモ》と呼ばれるガウディさんとほぼ同時代の、
 バルセルナの建築物についても
 言及されているこの御本、
 建築好きさんにはおすすめですよ。
 スペイン大好き!な御方も、
 ぜひ一読を~!



  
コメント
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