テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 森と湖の追跡劇 ―

2012-09-13 23:13:29 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……ほのかにィ、ただようゥ、このかおりィはッ?!?」
「がるる!ぐるるぐるるがるがるー!」(←訳:虎です!銀木犀の花の香りだよー!)

 こんにちは、ネーさです。
 残暑の中、秋の花・モクセイが咲き始めちゃいました。
 いーかげん涼しくなってくれい!と嘆きつつ、
 さあ、今日も読書タ~イム!
 本日は、名手さんの筆による正統派エンタ作品を、どうぞ~! 

  


 
                ―― 追撃の森 ――


 
 著者はジェフリー・ディーヴァーさん、
 原著は2008年に、画像の日本語版は2012年6月に発行されました。
 『THE BODIES LEFT BEHIND』と英原題が付されています。
 ディーヴァーさんといえば――

「ふァいッ!
 テディちゃ、しッてるでス!
 りんかーん・らいむゥおじさんッ、でスよゥ!」
「ぐるぐるがるるがるぐる!」(←訳:NYの天才鑑識官さんだね!)

 ええ、そうですね。
 NYのアパートメントから殆ど動かず、
 分析された証拠をもとに難事件を解決してみせるリンカーン・ライムさん。
 言わずと知れた人気シリーズ!
 ……なのですが、
 この御本には、ライムさん、出てきませんので、
 ライムさんファンの方々、御了承くださいね。

「えェ~?? でてこないィのォ??」
「ぐるがるるるぐるがるぐるるー!」(←訳:ボク偏屈おじさん好きなのにー!)

 NYの天才鑑識官さんを押しのけ、
 この御本で主人公となるのは、
 ウィスコンシン州ケネシャ郡の女性保安官補である、
 ブリン・マッケンジーさん。

「うィすうィすゥ??」
「ぐるがるるるるっ??」(←訳:それどこだろうっ??)

 ウィスコンシン州は、
 イリノイ州の北にある州、ですね。
 イリノイって、ほら、シカゴがある州ですよ。
 そして、スペリオル湖とミシガン湖にも面しています。

 ブリンさんの勤務先――保安官事務所があるケネシャ郡あたりは、
 どうやら大都会ではないようです。
 ついさっきも、
 事務所に通報があったのですが、
 その発信元は、州立公園にある湖の周辺と判明しました。
 人家は少なくて、
 湖は森林に囲まれていて……

「おばけがァ、でそうッ!」
「ぐるぐるるがるるぐるぅ!」(←訳:物寂しいところだよぅ!)

 わずか数秒の、途中で切れてしまった通報の発信元へ、
 誰かが確認に向かわねばなりません。
 通報は誤報であったのか、
 それとも緊急事態が起こったのか、
 町から離れた森の奥へ、
 調べに赴くことになったのは
 ブリンさんでした。

 季節はまだ寒さの残る4月、
 とうに日も暮れた湖のほとりの邸宅で、
 ブリンさんを待ち受けていたのは……

「おばけッ、でませんようにッ!」
「ぐるぐるがるる!」(←訳:出ませんように!)

 オバケの出番は無さそうですが、
 確かに私ネーさも、
 これってスティーブン・キング?
 と錯覚しかけましたよ。
 題名の通りの《追撃》が、
 北米の森林を舞台に展開するさまは、
 ホラーの巨匠キングさんを想わせるものがありました!

 けれど、後半になるにつれ、
 ディ-ヴァーさんらしさがぐんぐんと加速!
 サスペンスとミステリの色合いを増してゆきます。
 
 切れた『通報』は、
 いったい何を保安官たちに訴えようとしていたのか――

「うむむッ!
 みすてりにィ、なッてきましたでス!」
「がるぐるるるぐっるる!」(←訳:でもスリルもいっぱい!)

 ライムさんシリーズの作品じゃないからなぁ~…と
 遠慮なさらずに!
 スリルとサスペンス、
 そして群像劇の要素も備えたこの御本は、
 ミステリファンさん、
 ハードボイルド好きな御方にもおすすめですよ~♪
 週末のがっつり読書タイムに、ぜひ!

 
 
 
 
コメント
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