現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ウルズラ・ヴェルフェル「夜の鳥」灰色の畑と緑の畑所収

2017-01-27 10:51:04 | 作品論
 両親が外出しているので、男の子が夜に一人で留守番していると、夜の鳥がやってきます。
 しかし、男の子の夜の鳥に対する恐怖を、両親は理解してくれません。
 ある晩、両親が途中で戻ってきたのを夜の鳥だと思って、男の子は勇気をふるって追い払います。
 両親には叱られましたが、その日を契機に男の子は夜の鳥の恐怖を克服します。
 この短編は非常に象徴的な作品で、意識と無意識、精神的な親殺しによる子どもの成長など、様々なことを読みとることができます。
 ただ、あまりに図式的に書かれているため、物語としてはあまり面白くない作品になってしまっています。

灰色の畑と緑の畑 (岩波少年文庫 (565))
クリエーター情報なし
岩波書店
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