戦前のボクシング(拳闘と言った方がしっくりするかもしれません)界のスーパースター、ピストン堀口(恒夫)の話です。
戦中の全盛期には47連勝して、大相撲の双葉山の69連勝と並び称されて、そのころ快進撃をしていた日本軍(皇軍)のスポーツにおける象徴として、大人にも子どもにももてはやされていました。
作者は、その全盛期よりも、不遇のまま36歳で鉄道事故死(自殺とも、殺人ともうわさされました)した戦後の没落時代(引退を撤回して現役復帰したものの、まわり(暴力団とも言われています)の食い物にされて無残な試合を続け、なかば強制的に再度引退させられました)に力点を置いて描いています。
ピストン堀口は、その名の通りに、相手に打たれるのも構わずに前に突進して、ピストンのように左右の連打を打ち続ける典型的なファイタータイプのボクサーのようでした。
こうした姿が、作戦や技術力よりも精神力を重視した日本軍に似ていて、大衆の人気を得たのでしょう。
彼のようなファイタータイプのボクサーは戦後も日本では人気があり、白井義男についで日本で二番目の世界チャンピオン(たくさんの団体や階級がある現在とは、チャンピオンベルトの重みが違います)になった、その名もファイティング原田も同タイプの選手で人気がありました。
2017年の世界タイトルマッチで、相手からダウンを奪い有効打も多かった村田涼太が不可解な判定負けをしました。
ただ、私のようなオールドファンから見ると、なんで村田はもっとパンチを出さなかったのか、特にダウンを奪った直後にラッシュしなかったのかは、なんとももどかしい思いがしたのも事実でした。
ピストン堀口は知りませんが、ファイティング原田ならば、いや具志堅用高でも、あの時ならば必ずラッシュして、相手をノックアウトしたに違いありません。
戦中の全盛期には47連勝して、大相撲の双葉山の69連勝と並び称されて、そのころ快進撃をしていた日本軍(皇軍)のスポーツにおける象徴として、大人にも子どもにももてはやされていました。
作者は、その全盛期よりも、不遇のまま36歳で鉄道事故死(自殺とも、殺人ともうわさされました)した戦後の没落時代(引退を撤回して現役復帰したものの、まわり(暴力団とも言われています)の食い物にされて無残な試合を続け、なかば強制的に再度引退させられました)に力点を置いて描いています。
ピストン堀口は、その名の通りに、相手に打たれるのも構わずに前に突進して、ピストンのように左右の連打を打ち続ける典型的なファイタータイプのボクサーのようでした。
こうした姿が、作戦や技術力よりも精神力を重視した日本軍に似ていて、大衆の人気を得たのでしょう。
彼のようなファイタータイプのボクサーは戦後も日本では人気があり、白井義男についで日本で二番目の世界チャンピオン(たくさんの団体や階級がある現在とは、チャンピオンベルトの重みが違います)になった、その名もファイティング原田も同タイプの選手で人気がありました。
2017年の世界タイトルマッチで、相手からダウンを奪い有効打も多かった村田涼太が不可解な判定負けをしました。
ただ、私のようなオールドファンから見ると、なんで村田はもっとパンチを出さなかったのか、特にダウンを奪った直後にラッシュしなかったのかは、なんとももどかしい思いがしたのも事実でした。
ピストン堀口は知りませんが、ファイティング原田ならば、いや具志堅用高でも、あの時ならば必ずラッシュして、相手をノックアウトしたに違いありません。
怪しい来客簿 (文春文庫) | |
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