現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

アンソニー・ドーア「七月四日」シェル・コレクター所収

2017-01-14 10:12:38 | 参考文献
 どちらが大きな魚を釣るかを、イギリス人チームと競うアメリカ人チームの話です。
 大きな魚を求めてヨーロッパ中を巡りますが、なかなか成果が上がらなくて苦戦します。
 期限ぎりぎりの7月4日(アメリカの独立記念日)に奇跡が起こりますが、意外な結末を迎えます。
 最後まで特定の個人や固有ネームは現れず、「アメリカ人」全体を象徴的に描いています。
 典型的なアメリカ人気質やヨーロッパの人たちの反米感情や新旧大陸の対抗意識などが描かれていますが、新旧大陸どちらにも親しみのない日本人にはあまりピンとこないかもしれません。
 児童文学の世界でも、かつてはあまりなじみのない外国の風物や習慣を、苦労して訳(時には意訳して)していました(例えばカニグズバーグの「ベーグル・チームの作戦」は、日本でベーグルが売られていないころはロールパンと訳されていました)が、今ではそういうこともなくなり、かえって子どもたちには読みにくくなっている場合もあります。

シェル・コレクター (新潮クレスト・ブックス)
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新潮社
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送りバント

2017-01-14 09:17:40 | キンドル本
 主人公は少年野球チームに入っています。
 でも、バッティングが苦手です。
 そのため、とうとうレギュラーをはずされてしまいました。
 六年生でレギュラーでないのは主人公だけです。
 それでも、主人公はチームを辞めずに練習を続けています。
 ある日の練習で、主人公は監督からバントがうまいことをほめられます。
 その日以来、主人公はバントの猛練習を始めます。
 試合でここぞという時に、バントを決められるようになりたいと思ったのです。
 それならば、監督にも大事なところで試合に使ってもらえるかもしれません。
 彼は、黙々とバントの練習を続けます。
 練習試合でも成果が出て、チームではバント名人と呼ばれるようになります。
 いよいよ大会が始まりました。
 チャンスに代打に指名されます。
 送りバントを狙う場面です。
 監督は、彼に絶対の信頼を置いているのです。
 その時、主人公の頭の中に、送りバントの代わりにセーフティバントを決めて自分もセーフになるアイデアがひらめきます。
 ラストの意外な結果は?

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送りバント
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皿海達哉「リレー選手木村利一」坂をのぼれば所収

2017-01-14 08:46:37 | 作品論
 この作品でも、皿海は徹底した「小説」の手法で作品を書いています。
 なにしろ、最初から最後までのほとんどを、主人公の心理描写で貫いているのです。
 運動会のラストを飾るスエーデンリレー(一年から六年までの男女一人ずつが、学年が上がるごとに走る距離を長くして走ります)のアンカー(二百メートル走ります)に選ばれた利一の、選手に選ばれた誇らしさ、やっかむ男子たちの陰口への反発、一緒に選ばれた六年生の女の子への淡い恋心、バトンを落とすのではないかの不安などを、現実と夢を織り交ぜて、これでもかと執拗までに描き切ります。
 本来ならば本番のスエーデンリレーのシーンが山場なのですが、それよりも力を出し切った利一のすがすがしい気持ちの方に重点が置かれています。
 健全な男の子の気持ちを余すところなく描いた優れた作品なのですが、面白さという点ではやや疑問符が付きます。
 こういった文学的には優れているが地味で面白みに欠ける作品が本になった1980年前後の出版状況は、商業主義全盛の現在とでは、隔世の感があります。

坂をのぼれば
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1月13日(金)のつぶやき

2017-01-14 08:37:14 | ツイッター
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