1979年に公開された、アメリカのB級映画(低予算で製作された特定の観客向けの娯楽映画)です。
当時アメリカで社会問題になっていた、ストリートギャングの若者たちを描いています。
互いに敵対していたニューヨークのストリートギャングの融和を図るための集会で、主催者である有力チームのカリスマ性を持ったリーダーが射殺され、出席していたストリートギャングのチームの「ウォリアーズ」が犯人の濡れ衣を着せられます。
「ウォリアーズ」のメンバーは、集会が行われたブロンクスからシマ(テリトリー)であるコニーアイランド(ニューヨーク郊外の海辺で、遊園地などがある歓楽街)まで、徒歩と地下鉄で逃げていきます。
その行先々で、そこをシマとするそれぞれに個性豊かなストリートギャングのチームが襲ってきます。
さまざまな障害を、「ウォリアーズ」は、ゲーム感覚(その後実際にビデオゲームになりました)で突破していくだけの単純なストーリーです。
ほとんどオールロケ(トイレの中での乱闘シーンだけがセットだそうです)で撮影されているので、現在のSFXでなんでも済ましてしまう映画と違って、手作り感満載です。
1970年代当時のニューヨークの荒廃した街路や地下鉄がふんだんに登場していて、作品にリアリティをもたらしています。
この映画の登場人物や対象としている観衆は、児童文学でいえばヤングアダルトにあたりますが、最近の日本の児童文学では、作者の大半が女性のせいかお行儀がよくなって、こうしたピカレスクロマンはほぼ絶滅しています。
監督のウォルター・ヒル(脚本家としては「ゲッタウェイ」など、監督としては「48時間」など、製作者としては「エイリアン」シリーズなど)は、こうしたピカレスクロマンが得意で、1984年にはやはりストリートギャングが出てくる「ストリート・オブ・ファイヤー」(その記事を参照してください)が日本でもヒットしました(その年のキネマ旬報の読者投票で洋画の第一位)。
これらの映画では、無意味な殺人や残酷シーンはなく、ストリートギャングたちの乱闘シーンもスポーツ感覚で楽しめ、一種の青春映画か恋愛映画として見ることができます。
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