現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

しあわせの隠れ場所

2023-04-22 09:40:06 | 映画

 2009年公開のアメリカ映画です。

 恵まれない環境で育った黒人の少年が、裕福な白人一家の支援(後見人になった主役の女性は自分のことを少年にママと呼ばせています)によって、アメリカン・フットボールの才能を開花させていく姿(大学からの奨学金の申し込みが殺到します)を描いています。

 原作のノンフィクションでは、その後NFLの選手になったマイケル・オアーの半生を描いているのですが、映画では彼を育てたリー・アンを中心に描いているために、全体としてはできすぎの美談になってしまっています。

 この映画で、リー・アンを演じたサンドラ・ブロックは、アカデミー賞の主演女優賞を獲得するのですが、彼女にオスカーを取らせるために周到に練り上げられた映画だと揶揄する声もあります。

 

 

 

 

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ディーパンの闘い

2023-04-15 10:26:21 | 映画

 2015年公開のフランス映画です。

 内戦の続くスリランカから、難民としてフランスに渡った偽装家族(兵士だった夫と妻と娘はそれぞれまったくの他人)の物語です。

 夫は、郊外の団地の管理人の仕事を、妻は団地内で老人の世話をする仕事を得ます。

 娘は、学校で外国人用のクラスに入ります。

 三人三様の家族としての関係を築いていく様子と、フランス社会に適応していく様子が描かれています。

 しかし、ラストでは、突然、夫と麻薬の売人たちの銃撃戦が描かれ、さらにその後で、イギリスで真の家族(夫はタクシー運転手になり、夫婦には赤ちゃんができています)として幸福に暮らす様子のエンディングがあって、かなり面食らいます。

 この映画は、カンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞したのですが、その発表の時に拍手とともにブーイングがあったそうですが、わかるような気がします。

 

 

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キングダム

2023-04-09 16:41:52 | 映画

 2019年公開の日本映画です。

 人気コミックスの実写映画化で、描かれているのは原作の1巻から5巻までです(このペースでやるとキングダム10以上が必要です)。

 非常に原作に忠実で、エピソードもキャラクターもあまり割愛しないで描かれています。

 中国の春秋戦国時代を背景に、みなしごの信が、剣の力で、大将軍を目指してのし上がっていく姿が描かれます。

 この回では、弟に王位を追われた、のちに中国を統一した秦の始皇帝になる人物と出会って、彼を助けて秦の王位を奪還するまでが描かれています。

 主演の信の山崎賢人も、相手役の嬴政 / 漂の吉沢亮も熱演で、なかなか見せます。

 他のキャラクターでは、楊端和の長澤まさみ、河了貂の橋本環奈、成蟜本郷奏多、王騎の大沢たかおなどが原作の味を出すのに成功しています。

 激しい戦闘シーンがあるのですが、流血は最小限に抑えて、あまりグロテスクにならないように配慮されています。

 ただ、予算の関係だと思われるのですが、多人数での戦闘シーンはロード・オブ・ザ・リング(その記事を参照してください)などのハリウッド映画に比べると、やや迫力に欠けます。

 

 

 

 

 

 

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