現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

カサブランカ

2018-06-15 19:40:46 | 映画
 1942年のアメリカ映画です。
 当時ドイツに占領されていたフランスに対する連帯を示す政治的な背景を持った作品です(ホワイトプロパガンダだとも言われていますが、もちろんホワイトと言うのは戦勝国側の価値観です)。
 ヨーロッパからアメリカへの亡命の中継地であったカサブランカを舞台に、かつてパリで恋人同士であった二人が運命的な再会を果たし、また別れていく姿を描いています。
 ストーリーは典型的なメロドラマで、歯が浮くようなセリフ(一番有名なのは「君の瞳に乾杯」でしょう)も頻出しますが、それを言うのがいかにも渋くて男っぽいハンフリー・ボガード(ボギーですね)で、言われるのが世紀の美女イングリッド・バーグマンなので、当時の観客は夢の中の世界のように感じたことでしょう。
 また、プロパガンダだとは分かっていても、ドイツ将校たちの愛国歌の合唱に対して、フランス人たちがフランス国歌(ラ・マルセーエーズ)を熱唱する有名なシーンは、思わずジーンとしてしまいます。

カサブランカ (字幕版)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

地下室のメロディ

2018-06-14 19:22:20 | 映画
 1963年のフランス映画です。
 老ギャングが引退する最後の仕事に、若い相棒と組んでカジノの金庫を狙います。
 白黒映画ですし特撮の手法も非常に古いのですが、バックに流れるしゃれた音楽と粋な会話やテンポのいい演出は、今見ても少しも古びていません。
 当時もフランスの新旧二大映画スターの共演が話題になりましたが、ジャン・ギャバンの渋い演技とアラン・ドロンの若々しい魅力が全編に溢れています。
 特に、プールの中に隠したカバンが開いてしまい、中のお札が次々に浮き上がってプール一面に広がる有名なラストシーンは、一攫千金を狙った二人のはかなさを象徴していて鮮やかです。

<初回限定生産>地下室のメロディー Blu-ray
クリエーター情報なし
紀伊國屋書店
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

アバウト・ア・ボーイ

2018-06-11 08:05:54 | 映画
 作曲家の父親の印税で暮らしている無職の独身男と、精神を病んでいるシングルマザーに育てられ学校でいじめられている少年が、ひょんなことで知り合う話です。
 お互いに欠損している部分を次第に補い合って、周囲の人たちも巻き込んで、何とかピンチを切り抜けていく二人を、ユーモアを交えて描いています。
 だいぶ前にニック・ホーンビィの原作を読んだ時にはほとんど印象に残りませんでしたが、映画の方は上質なヒューマンコメディに仕上がっています。
 それは、主役のヒュー・グラントがこの軽薄だが心優しい主人公にはまり役だったことと、少年役のニコラス・ホルトの達者な演技に負うところが多かったように思いました。
 これからの児童文学でも、このような大人と子どもの共生は重要なテーマですし、もっと描かれるべきだと思われます。
 そういった作品を書く時には、この映画はヒントになるかもしれません。

アバウト・ア・ボーイ [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

アンタッチャブル

2018-06-10 15:01:48 | 映画
 ケビン・コスナーの出世作となった1987年のアメリカ映画です。
 禁酒法時代のシカゴのギャングの帝王だったアル・カポネを逮捕(意外にも脱税容疑です)したエリオット・ネスのチーム(当時警察内で横行していた脅迫や買収に応じないのでアンタッチャブルと呼ばれていた)を描いた作品です。
 この話は1960年ごろにテレビドラマ化されて日本でも放映されていたので、私が子どもだったころはアル・カポネもエリオット・ネスも超有名人でした。
 誠実なアメリカ人を演じるのにぴったりな主役のケビン・コスナーの魅力だけでなく、ベテラン警官役で重厚な演技を見せた(アカデミー初助演男優賞を受賞しています)ショーン・コネリー(かつてのジェームス・ボンド俳優ですね)、射撃の名手の警官を演じたアンディ・ガルシアの若々しい演技、チャールズ・マーティン・スミス(アメリカン・グラフィティでお馴染みです)が演じた小柄で風采の上がらない経理マン、憎々しい悪役を演じたら右に出る物ないロバート・デ・ニーロといった芸達者たちの競演が最大の見どころでしょう。

アンタッチャブル30周年記念ブルーレイTV吹替初収録特別版(初回生産限定) [Blu-ray]
クリエーター情報なし
パラマウント
 
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

サタデー・ナイト・フィーバー

2018-06-06 18:22:46 | 映画
 1977年のアメリカ映画で、映画そのものの評価よりも、そこから生み出されたディスコ・ブームやビージーズの数々のヒット曲や「フィーバーする」といった流行語を生み出したことで有名です。
 ストーリー自体は、先が見えない労働者階級の若者たちの絶望感と刹那的な快楽といった使い古されたもの(例えば、映画だったら「ウェストサイドストーリー」、小説だったらアラン・シリトーの「土曜の夜と日曜の朝」など)ですが、ジョン・トラボルタの若々しい魅力(馬面でイケメンではないけれど、スタイル抜群で決めポーズがカッコいい)あふれるダンス・シーン(今見ると結構ダサいのですが)が全編に散りばめられていて、バックに流れるビージーズの音楽とともに世界中で大ヒットしました。

サタデー・ナイト・フィーバー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

用心棒

2018-06-05 15:12:02 | 映画
 黒澤明の作品の中でも、最も娯楽色の強い作品のひとつでしょう。
 ふらりと宿場に通りかかった風来坊の浪人が、宿場を二分して争っているやくざ集団の、どちらかに加担すると見せかけてうまくあやつり、最後はどちらも全滅させます。
 主役の三船敏郎はもちろんですが、志村喬、加藤大介などの黒澤映画おなじみの俳優たちが、個性豊かな悪人たちを演じています。
 中でも、まだ若手だった仲代達矢が、妙な色気を持った伊達男の悪党を演じて、むさくるしい感じの主役の用心棒と好一対で作品を盛り上げています。
 その後、イタリアで「荒野の用心棒」という西部劇に無断でリメイク(その後、オリジナルの配給元の東宝が、裁判に勝訴しています。)されて大ヒットして、マカロニウェスタンと言う新ジャンルを確立したのですから、この作品のエンターテインメント性がいかに優れていたかがわかります。

用心棒 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
東宝
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

フェリーニのアマルコルド

2018-06-04 09:38:27 | 映画
 1973年公開の作品で、アカデミー賞外国語映画賞(史上最多の四度目の受賞です)を受賞しました。
 フェリーニの作品の中ではもっとも児童文学の世界に近い作品で、子ども時代(中学生ぐらいか?)の想い出をもとに作られています。
 海辺の田舎町を舞台に、綿毛の飛ぶ季節(春の訪れ)から翌年の綿毛が飛びはじまるまでの一年間が描かれています。
 頑固な父親や口やかましいけれど優しい母親などとの家族生活(ファシストによる父の拷問や母の死なども描かれています)、権威主義的な教師や牧師たち、ファシズムのイタリア席巻などを風刺的に描いていますが、フェリーニならでは猥雑なシーン(あこがれの年上の美女、誰とでも寝る若い女、超グラマーなタバコ屋の女主人など)もふんだんに盛り込まれています。
 こうしたある意味雑多な事象をフェリーニ独特のユーモアや皮肉をちりばめて描いていますが、それを圧倒的な映像美(冒頭とラストの綿毛の飛ぶシーン、春の訪れを告げる祭りの焚火、記録的な大雪によって一変した町の風景、雪の中を舞うクジャク、豪華なリゾートホテル、真夜中に沖を通るアメリカの豪華客船(町民総出で小舟に乗って迎えに行きます)、結婚式やパーティが行われる郊外の風景など)で、フェリーニ独特の世界が展開されます。
 1973年4月、大学の入学オリエンテーション前に、京橋の国立フィルムセンターで行われたイタリア映画祭で、初めてフェリーニの「道」を見て以来、都内のあちこちにあった名画座でそれまでのフェリーニ作品を片っ端から観ていたのですが、この作品以降は封切り時にリアルタイムで見られるようになりました。

フェリーニのアマルコルド 4K修復版 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

サイダーハウス・ルール

2018-05-27 09:06:12 | 映画
 孤児、里親、妊娠中絶、無資格医、薬物中毒、戦争、後遺症、不倫、近親相姦、殺人などの重いテーマが次々と描かれます。
 ジョン・アーヴィングの大部の原作と違って、商業映画という限られた時間(約二時間)に収めなければならないので、それぞれのテーマに対して未消化な感は否めませんが、ニュー・イングランドの素晴らしい風景、シャーリーズ・セロンの完璧に美しいヌード、名優マイケル・ケインの重厚な演技(この映画でアカデミー助演男優賞を受賞)だけでも、一見の価値はあります。

サイダーハウス・ルール [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ワーナー・ホーム・ビデオ
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

女と男の名誉

2018-05-20 08:47:16 | 映画
 殺し屋同士ののカップルのお話です。
 荒唐無稽な設定、偶然の多用、デフォルメされた人物像など、典型的なエンターテインメントなのですが、ジャック・ニコルソンをはじめとした名優たちの重厚な演技が、作品に格調をもたらしています。
 中でも、カップルに嫉妬して二人の破局を画策する主人公の幼馴染を演じたアンジェリカ・ヒューストンの怪演は、アカデミー賞助演女優賞に輝いたのもうなずけるものでした。
 児童文学の世界でも、これぐらいキャラのたった登場人物が描ければ、面白いエンターテインメントになるでしょう。

女と男の名誉 [DVD]
クリエーター情報なし
角川映画
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

リメンバー・ミー

2018-05-18 09:04:15 | 映画
 2017年に公開(日本では2018年)され、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した作品です。
 主人公の音楽好きの少年が、死者の世界と行き来することによって、家族(先祖も含めて)の大切さと音楽の素晴らしさを両立させていく姿を描いています。
 ピクサーならではの映像はもちろん素晴らしいのですが、全編を流れて音楽(メキシコ系)も魅力的で、主題歌の「リメンバー・ミー」は「グレーテスト・ショーマン」(その記事を参照してください)などを抑えて、主題歌賞も受賞しました。

リメンバー・ミー オリジナル・サウンドトラック
クリエーター情報なし
WALT DISNEY RECORDS
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

恋する惑星

2018-05-16 08:57:02 | 映画
 1994年に公開されて、一躍、監督のウォン・カーウァイを有名(特に日本で)にした非常にスタイリッシュな映画です。
 失恋した二人の警官の、それぞれの新しい出会いを、疾走するカメラワークとしゃれた会話(モノローグも含む)で、香港の猥雑だが魅力的な雰囲気の中で描いています。
 トニー・レオン、フェイ・ウォン、金城武たちの若々しい魅力が全編に溢れています。
 バックに流れるママス・アンド・パパスの「夢のカリフォルニア」やクランベリーズの「ドリームス」(作品中ではフェイ・ウォンがカバーしていますが、これもまた魅力的です)などが、作品の雰囲気によくマッチしていて気分を高揚させてくれます。

恋する惑星 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

七人の侍

2018-04-27 18:09:25 | 映画
 1954年(私が生まれた年です)に公開された、言わずと知れた黒澤明監督の代表作の一つです。
 手に汗握るアクション時代劇でありながら、人生とは何か、生きるとは何か、死とは何か、野武士たちに搾取されている百姓たちの悲しみ、負け戦を転々とする浪人たちの悲しみなどを余すところなく描き出した傑作中の傑作です。
 志村喬演じる軍略に通じいつも冷静沈着なリーダー役を初めとして、三船敏郎の百姓上がりの野性児、木村功の育ちの良い若侍、稲葉義男の温厚なリーダーの補佐役、加藤大介のほがらかなリーダーの女房役、千秋実のひょうひょうとしてとぼけたムードメーカー、宮口精二の寡黙な剣の達人と、七人の個性が際立っていて、後のいろいろな映画を初めとしたエンターテインメントで、リメイクされたり(一番有名なのは「荒野の七人」)、模倣されたりしています(フランシス・フォード・コッポラやスティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスといった面々にも、この映画は多大な影響を与えました)。
 見る人によって七人のうちの誰が好きかは意見が分かれるでしょうが、四十年以上も前に初めて見た時以来、私にとっては、作品中で木村功演ずる勝四郎が心酔したように、宮口精二演ずる久蔵が一番魅力的でした。
 味方が窮地に立たされた時は常に平然と一人で死地にも赴き、抜群の功績を残しても決して驕らず、「男の中の男」という言葉は、この男のためにあるのじゃないかと今でも思っています。
 全編、男臭い映画なのですが、津島恵子演ずる美しい百姓の娘しのと、勝四郎の、身分を超えた激しい恋愛が色を添えています。

七人の侍 [Blu-ray]
クリエーター情報なし
東宝
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ジョーズ

2018-04-24 14:07:16 | 映画
 1975年に公開され、スティーブン・スピルバーグの名を不朽のものにしたパニック映画の傑作です。
 言い古された話ですが、サメが姿を見せない前半の恐怖の盛り上げ方(音楽、カメラ・アングルなど)が、他の恐怖映画とは一線を画しています。
 後半も、姿を現したサメと三人の男たち(海が苦手な島の警察署長、お金持ちのボンボンの海洋学者、サメ漁師の荒くれ男といった個性豊かな役どころを、それぞれロイ・シャイダー、リチャード・ドレイファス、ロバート・ショーという名優たちが演じています)との死闘もスリリングです。
 封切り時にはそのころ好きだった女の子と渋谷で見たのですが、前半は急な場面転換で怖いシーンが出てくるので、隣の女の子をかばいながら見るのに最適な映画だったことを今でも覚えています。
 そのころは、スピルバーグか、フランシス・コッポラか、ジョージ・ルーカスの映画(ジョーズ、インディ・ジョーンズ・シリーズ、E.T.、ゴッド・ファーザー・シリーズ、地獄の黙示録、アメリカン・グラフィティ、スター・ウォーズ・シリーズなど)さえ見れば、まずはずれはなかったので、女の子とのデートにはもってこいでした。

ジョーズ (字幕版)
クリエーター情報なし
メーカー情報なし
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

ロッキー2

2018-04-18 10:06:13 | 映画
 1979年に作られたロッキー・シリーズの二作目です。
 大ヒット作品のシリーズ化は、国の内外を問わずに良く行われますが、それが人気シリーズになるかどうかは、第二作の出来にかかっていることが多いです。
 そういった意味では、この作品は成功例の一つでしょう(他に、「スター・ウォーズ」、「ダイ・ハード」、「エイリアン」なども二作目も優れていて、シリーズが続く要因になりました。失敗例としては、「バック・ツー・ザ・ヒューチャー」や「ジョーズ」や「ジュラシック・パーク」などがあげられるでしょう)。
 一般的には、前作で観衆にうけた部分(この映画で言えば、トレーニングや試合のシーン)を拡大して誇張するのが一般的ですが、どうしてもその分人間ドラマが弱くなります。
 でも、この映画では、結婚、子ども誕生などを通して「家族のために闘う」(前作は自分の「アイデンティティの証明」のための戦いでした)という新しいテーマが打ち出せたので成功したのでしょう。
コメント
この記事をはてなブックマークに追加

トゥルーマン・ショー

2018-04-10 15:11:08 | 映画
 一人の男性の生活を、隠しカメラで誕生から30年間も24時間放送している人気テレビ番組という設定です。
 主人公以外はすべて俳優やエキストラで、まわりの街や自然もセットということになっています。
 製作された1998年当時としては最新の技術を用いて、よくできたつくりになっていますが、かなりご都合主義な設定やストーリーで、三十年続いたというには矛盾が多くリアリティにもかけています。
 コメディなのですから、そのあたりは目くじら立てないで楽しむべき作品なのでしょう。
 当時、典型的なアメリカ青年を演じさせたら右に出るものがいなかったジム・キャリーが、あまり賢くはないが明るい好青年をユーモアたっぷりに演じています。

トゥルーマン・ショー [Blu-ray]
クリエーター情報なし
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
コメント
この記事をはてなブックマークに追加