現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風

2024-07-12 14:22:18 | アニメ

 テレビアニメとしてはSeason4で、原作のコミックスでは第5部に当たります。
 ストーリーはあちこちに飛ぶので、正直言ってついていけていません。
 ただ、原作もそうですが、圧倒的な絵のうまさと、スタンド使いやスタンドの戦いがは非常に迫力があって魅了されます。
 かなり残酷なシーンも多いのですが、「エヴァンゲリオン」(その記事を参照してください)、「進撃の巨人」(その記事を参照してください)などと並んで、男の子(私のような年配者も含めて)がその内に秘めた野蛮な部分を解放できる貴重なアニメです。
 また、原作者が比較的年齢が近いので、年配者ならではの楽しみもあります。
 それは、スタンドやそれの駆使する技の名前が、クラシカル・ロックのバンド名、アルバム名、曲名になっていることです。
 たくさん出てくるのですが、実際に私が気づいたものだけでも以下のようなものがあげられます。

<バンド名>
エアロスミス
ムーディー・ブルース
キング・クリムゾン
ビーチボーイズ
グレイトフル・デッド
エアロスミス
セックス・ピストルズ
メタリカ
トーキン・ヘッズ
オアシス
ブラック・サバス
ローリング・ストーンズ

<アルバム名>
ホワイト・アルバム(ビートルズ)
スティッキー・フィンガーズ(ローリング・ストーンズ)
エコーズ(ピンク・フロイド)

<曲名>
エコーズ(ピンク・フロイド)
エピタフ(キング・クリムゾン)

 中でも、最後にあげたエピタフ(墓碑銘)は、キング・クリムゾンの伝説(ビートルズの「アビー・ロード」をヒットチャートの1位から転落させたと日本では紹介されていましたが、実際の全英アルバムチャートの最高位は5位なので真相は不明)のデビュー・アルバム「クリムゾン・キングの宮殿」の中に収められているプログレッシブ・ロックの名曲で、その暗さと重々しさは他に類を見ないほど強烈で、何度聴いてもかっこよくて痺れます。
 かなり特殊な楽しみ方ですが、ジョジョの(特に若い)ファンの人たちには、これらのバンドのアルバムを聴いて欲しいと思っています。
 そうすると、作者が名前に込めた意味合い(関係ないのもありますが)が分かって、より楽しいかもしれません。





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からかい上手の高木さん2

2023-01-27 16:41:29 | アニメ

 二年生になって、ますます仲良くなる二人を描いています。
 シーズン1(その記事を参照してください)の最後で、ようやく高木さんの好意に気づいた西片ですが、態度が少しぎこちなくなっただけで、相変わらず高木さんに勝負をいどんで、負けてばかりです。
 お姉さんキャラの高木さんが、いろいろとモーションをかけてくれるのですが、相変わらずガキの西片は恥ずかしくて先に進めません。
 最終回の「夏祭り」のラストでようやく手をつなげて、視聴者は一安心です。
 私が中学生だった時と比べると、西片はずいぶん幼く感じられますが、最近の男の子は精神的な発達がだいぶ遅くて、女の子との差がますます開いているようなので、こんな関係も成立するのかもしれません。
 視聴率もけっこう良かったみたいなので、シーズン3ができました。
 ドラえもんのような登場人物が年をとらない遍歴物語と違って、高木さんや西片が成長していく(視聴者よりは、ゆっくりですが)成長物語では、読者や視聴者はいつかは物語世界とサヨナラしなくてはなりません。
 そして、その時に読者や視聴者も、疑似体験を通して成長しているのです。
 それが、こうした成長物語の重要な役割です。

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からかい上手の高木さん

2023-01-27 16:39:13 | アニメ

 ごく普通の中一の男の子が、隣の席の美人でお姉さんキャラの女の子にからかわれて、過剰に反応する姿を描いたラブコメディです。
 この年代の男の子と女の子の精神年齢の違い(男の子はガキのままですが、女の子はすでに一人前の女性です)を巧みに生かして、何とか逆にからかおうとして空回りを続ける男の子と、それをやさしくリードする女の子の、両方のかわいらしさが良く描けています。
 二人の立ち位置を象徴するように、女の子は相手を「西片」と呼び捨てにしているのですが、男の子は相手を「高木さん」としか呼べません。
 今どきこんなほのぼのしたタッチのアニメが人気がある(二期目も、三期目も製作されました。二期目に関しては、その記事を参照してください。)のは、背伸びをしつつも、実はこんな初恋にあこがれている男の子と女の子が今でも多数派だからなのでしょう。
 現代の児童文学ではほとんど絶滅している普通の男の子を主人公にしても、ユーモアと機智を発揮すれば、十分読者を獲得できることをこの作品は証明しています。
 それにしても、かわいくて頭も性格もいい高木さんに、こんなに好意を持たれている西片はなんとラッキーな奴なのでしょう。
 最終回になって初めて、入学式の時に、高木さんのハンカチを西片が拾って、職員室に届けてあげた(そのために西片は遅刻してしまいます)のがきっかけだったことが明かされます。
 また、ずっと気づかなかったニブチンの西片も、ようやく高木さんの好意に気づいて、ぎこちないながら自分の気持ちも伝えられて、視聴者は一安心できました。

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BEASTARS

2022-03-01 17:51:48 | アニメ

 板垣巴留の人気コミックス(その記事を参照してください)の完全アニメ化です。
 残酷だったり、性的だったりするシーンが、どのように表現されるのか心配だったのですが、原作どおり(場面によってはそれ以上)に描かれていたので安心しました。
 「進撃の巨人」(その記事を参照してください)の場合と同様に、民放の深夜枠なので規制が緩いのでしょう。
 絵も原作以上にきれいだし、音楽も作品世界にマッチしていて、原作ファンも楽しめます(レゴシとハルの声にはやや違和感がありますが)。
 ただ、丁寧に描きすぎていて、原作の持つテンポの良さがやや失われているのと、レゴシとハルの恋愛にフォーカスしすぎている点が少し不満です。 
 テンポがスローなのは、今回はすでに17冊で出ている原作の6巻までのせいでしょうが、幸い視聴率が良かったのか、シーズン2の制作が決まったので、当分楽しめそうです。

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進撃の巨人 Season3 Part 2

2019-07-15 19:51:45 | アニメ
 進撃の巨人では、Season 3に入ってから、ほとんどが人間対人間の戦いになって、肝心の巨人がほとんど登場しなくなってしまいましたが、Part 2はかなり改善されていて、巨人との戦いも描かれるようになりました(まだまだ不十分ですが)。
 特に、獣の巨人の投石攻撃の迫力は圧倒的で魅力があったのですが、それゆえその後にあっさりとリヴァイに倒されたのはなんだか納得がいかない感じでした。
 それと、Season 1・2では、一応巨人対人類の戦いだったのですが、今回は完全に巨人対調査兵団の戦いになっていて、その分ヒロイックなイメージが強くて(特に、死を覚悟した突撃や、アルミンの自分を犠牲にした戦いや、エルヴィン団長の戦死)、それに伴う巨人による残酷なシーンも無理な意味付けがされているようで素直に楽しめませんでした。
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進撃の巨人 Season3 Part 1

2019-07-15 18:47:44 | アニメ
 進撃の巨人Season3のPart1がNHKで放送されましたが、ある意味衝撃です。
 話が、巨人対人間の戦いでなく、完全に人間対人間の戦いになってしまいました(王の血筋がどうのこうのなんてつまらない話なんて、他の女性向けファンタジーに腐るほどあるので、わざわざ「進撃の巨人」で詳しくやらなくてもいいのではないでしょうか?)。
 また、全体に女性視聴者向けに作られていて、リヴァイ兵士長(いつの間にか背が高くなっていて笑えます)やエルヴィン団長のようなイケメンの男性が活躍する話になっていて、もともとの主役の三人、エレン、ミカサ、アルミンはほとんど活躍しないようになってしまいました。
 今までの「進撃の巨人」が衝撃的だったのは、なんといっても巨人たちのグロテスクさや人間が食われるような残酷なシーン(こんなのテレビアニメでやっていいの?と何度も思いました)が頻出することだったのですが、Season3 Part1ではそういったシーンはまったくなくなってしまいました(NHKで放送されることがアナウンスされた時から、ネット上では心配されていたことですが)。
 また、オープニング・アニメやエンディング・アニメも、今までは残酷でグロテスクで最高だったのですが、今回は美しい女性向けアニメ風になってしまいました(オープニング・テーマにも大物アーチストが使われ、いかにも売ることを狙っている感じです)。
 いったんビジネス的に成功すると、あらゆること(野球でもサッカーでも競馬でも映画でも小説でもマンガでもゲームでもテレビ番組でも)が、より一般的に受け入れられるように改変されていき(多くはエンターテインメントの消費の多数派である女性にうけいれられるようにします)、男性(特に大人)にはどんどんつまらなくなるのですが、「進撃の巨人」もそのパターンに陥ってしまいました。
 数少ない(というよりはほとんどない)大人の男性にも見られるアニメが、こうしてまたなくなってしまいました。
 いっそのこと、タイトルも「進撃の巨人」ではなく、「戦えリヴァイ兵士長」か何かに変えた方が良かったのではないでしょうか?

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ポニーキャニオン
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僕の彼女がマジメすぎるしょびっちな件

2019-01-04 09:36:53 | アニメ
 深夜枠で放送された、男子中高校生向けのアニメです。
 ひとことで言えば、「下ネタ満載のプラトニックラブ」といった趣の作品です。
 きわどいセリフや絵柄がたくさん出てくるのですが、登場人物、特に主役の男の子と女の子は極めてまじめで、恋愛に関しても非常にうぶなので、そのギャップが楽しめます。
 パート2までの「進撃の巨人」も同様だったのですが、マイナーな放送局の深夜枠のアニメは視聴率をあまり気にする必要がないので、かなり自由度が高く、エンターテインメント作品においてはマイナーな存在の男子中高校生向けの作品でも放送が可能なようです。
 人気が出て、メジャーな放送局(「進撃の巨人」パート3(その記事を参照してください)のNHKなど)に移ったり、ゴールデンタイムに移動したりすると、エンターテインメント作品のメジャーな視聴者である女性や子どもにもうけることを意識するので、元からのファンにはつまらなくなってしまいます(あえて差別用語を使わせていただけば、「女子ども」にもわかる作品ということです)。
 この作品でも、「エヴァンゲリオン」や「涼宮はるひの憂鬱」などと同様に、中高校生の男の子たちが「萌える」対象の様々な女性キャラ(巨乳、妹、おねーさん、幼なじみ、人妻、学級委員長、メガネっ娘、お嬢様など)が登場しますが、これはこうしたアニメやコミックスやライトノベルではお約束なのでしょう。
 若干ですが、同性愛(女の子同士、男の子同士)を連想させるキャラやシーンも登場して、かつての少女小説やボーイズラブの世界の影響も垣間見れます。


もう…何も考えられない…
クリエーター情報なし
メーカー情報なし
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