1962年11月から1964年3月まで、「週刊文春」に連載された歴史小説です。
単行本化されてベストセラーになり、何度もテレビドラマや映画や舞台になりました。
新選組副長、土方歳三の、若いころから、函館で戦死するまでを描いています。
ニヒルな喧嘩屋として定着している土方の人物像は、この作品で日本中に定着しました。
いや、局長の近藤勇や薄幸の美男剣士沖田総司のイメージも、この作品で形作られました。
ただ、描いている主人公が喧嘩屋なので仕方がないことなのですが、歴史上ではそれほど重要でない戦闘シーンの連続で、司馬遼太郎の他の作品と比べると、彼らの存在が歴史上の意義に欠けることは否めません。