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フリット・ポット




わたしは日本では見たことがないのだが、何でもある日本のことだ、きっとどこかでは使われているのだろう。

フリットポット。

ベルギーの家庭にはほぼ100パーセントあるに違いない炊飯器型の揚げ物用調理器具だ。
ベルジャン・フライ(フライドポテトのこと)を食べるためにはなくてはならないのである。



イモを揚げる用途以外には容量が小さすぎ、揚げ物をする器でありながら釜以外は丸洗いができない、という半端な仕組みの器具で、みるみるカーボン14のようなしつこい油汚れが蓄積していく。
おお、これがわたしの体内の様子でもあるのか...と中年に反省させるパワーだけは十分すぎるほど備えている。


できれば思う存分使って1年おきくらいに丸ごと買い替えたいのだが、わたしの心の隅に、ベッドの下に打ち捨てられた人形のように残っている良心が傷むゆえ、そんなことはできない。
結局わが家では1年に一度くらいしか使わないので、そうだな、無用の長物の代名詞、戦艦大和が油まみれで倉庫で場所を取っているような感じである。


わたしが唐揚げやコロッケや天ぷらを我慢できたとしても、夫に揚げイモ食うなというのはわたしに白飯を食うなと言うくらいの極刑であり、だから彼がどうしても食べたいときは義理母に「作って...」と甘えるか、屋台で買うことで解決している。



ところでベルギーではカップルがフリット・ポットを買うと、それがカップルであることをオフィシャルにする印、と言われているそうだ。

このパートナーと覚悟を決めてつき合って行こう、このフリット・ポットと共に土に帰るまで、ということだろうか。


いろいろな意味で重たいです。

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