silly ski squadronスキー雑記

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2017正月モーグルキャンプと体幹・GGG

2017年01月07日 21時59分10秒 | スキーテクニック編
スキーシーズンインです。
今シーズンもなかなか日数が取れないのは間違いないので、正月は贅沢極まりないレッスンを受けることにしました。
祓川貴広コーチを二日間独占しかも一人で。
例年は小生の属するチームKGB公開モーグルキャンプで人員募集をかけるのですが、とにかく短期間にみっちり詰め込んで頂くために申し訳ないですが今回はマンツーマンです。
まずはお手本の低速デモンストレーションショットを横・後ろから。
まさかの今年もさのさかに雪はなし。今回は1月2日-3日の二日間、八方尾根でレッスンです。
スキーするのは昨年3月のスキージャム勝山以来。その時も祓川先生のレッスンでしたので、その間約10ヶ月間は雪上での練習は出来ていませんでした。
そんな状況でレッスンを受けて効果あるのかと言えば、あったんです。

実は昨年秋くらいから腰痛がonset。
知り合いの歯科のY先生に紹介頂いたスポーツトレーナーであり理学療法士の近藤義剛先生に診てもらいました。この先生はフィギュアスケート全日本ジュニア選手のフィジカル・トレーナーもされていますね。
診断では運動時に大腿四頭筋と背筋ばかり使っているため腰に負担がかかっているとのこと。このため腹筋(ドローイン:draw inその他)と正しいスクワット、腰のストレッチをすることになりました。
要するにコアトレーニングです。週に一回をまだ6回程度なのですが少しずつ体幹を意識してトレーニングし、腰痛も改善傾向な状態でシーズンインしました。
近藤先生にモーグルの時のフォームやビデオを見て頂きアドバイスを求めたところ、思いがけない指摘を受けました。
下肢前面と背筋しか使っていないせいで(腹筋とハムストリングが使えていない)骨盤が寝て大腿部が寝て下腿部の角度が立っている。この姿勢になっていること自体は分かっていたのでそれに驚いたわけではなく、それが腹筋群とハムストリングが使えていないためだということが思いがけなかったのです。
そもそも日常生活でふつうに真っ直ぐ立っているだけでバックウェイトになっていたのです。
なのでそれをカバーするために、上体を被せたりしなくてはならない。
股関節が曲がっていない状態で膝下だけで滑るため大きなコブで潰される、つまり股関節と膝の曲げが連動していない(ちなみに近藤先生はスキーに関しては指導歴なし)。
そこで正しいスクワット姿勢を教えて頂いたところ、これって祓川先生のいうモーグルの基本姿勢じゃないですか!
ハムストリング・腹筋も使うことによって、スクワットは非常に安定します。外から少々押されてもぐらつかない状態です。
実は自分の滑りの動画を見ていても、雪面に対してのプレッシャーがかかっていない“軽い”滑りだなあと感じていて、祓川先生は雪面をプレスするためのテクニックを教えておられたのは、このことだったんだと改めて感じました。
昨年の滑りと今回の滑りを比較すると、明らかに少しでも腹筋群を使えるようになったことで、スキー板と重心が外れにくくなっています。
本当に身体の使い方って面白いですね。

ところがまだまだ腹筋群が出来ていないので二日目には生かされませんでした。
今度は祓川先生の指導の話です。
明らかに二日目に入って身体的コンディションが落ちてきたワタシへのアドバイスを纏めると次の3ポイント。
1:右の臀部を常に引き上げる意識(左膝を痛めていて荷重出来ていないので左足への意識を高めるため)
2:コブの肩でスキートップが1/3出たら次の谷足に切り替える意識(具体的なエッジ切り返しタイミングの提示)
3:2:の状況を越したら膝裏に鉄パイプを挟んでいる意識。ワタシのイメージでは単管パイプを挟む感じです。それによってコブ裏へのダウンプレッシャーが得られます。但しバックウェイトで、下へ重心を向けることの出来ないスキーヤーがこれだけ意識してしまうと、お尻が落ちるだけなので要注意。人によっては、より太いパイプを意識すると良いとのことです。
これらにより低下した筋力を補いコブをスピードコントロールすることが出来ました。
これらのことは残念ながら一般的に当てはまるものではなく、私の怪我歴や身体の癖・その日の体力・雪面状況などを総合的に祓川先生が判断してアドバイスして頂いたもので、そこがスキーインストラクターとして超一流なところだと思います。

最後にスキーに何の関係があるかと思われるかも知れませんが、私にとっては今回のキャンプで大変参考になったスポーツ選手のことを書きたいと思います。
ゲンナジー・ゴロフキン(GGG:Gennady Gennadyevich Golovkin:Геннадий Геннадьевич Головкин)。
彼のパンチの打ち方を見た時に「えっ?なぜこんな腰の入ってないロングフック(というよりスイング)が効くの?」(特にマルコ・アントニオ・ルビオ戦のフィニッシュ・ブロー)と思いましたが、これこそゴロフキンの比類なき体幹の強さから産み出されるのではないか?と推測します。
スローVTRにてナックルの軌道とともに全身の、このパンチに威力を与えるであろう筋肉群が強く収縮する様子が分かります。こういう動作が、スキーの動きにどう結びつくのか上手く説明できないのが残念ですが、ひとことで言ってしまえば身体を使う時のコーディネーションかなと。。。とまあ話が逸れに逸れてしまいました。
スキーそのものが楽しいのは当たり前の上に、今更ながら人体の構造の面白さに驚き呆れるのでした。
今回は一流のモーグルスキーレッスンおよびトレーナーの方の力を借りて、少しだけでも技術が前進出来たという他力本願なお話でした。
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