silly ski squadronスキー雑記

バカなスキー集団。スキーならなんでもやります京都方面本部。
突撃我ニ続ケ!!

楽をしていないか?

2010年05月06日 22時48分41秒 | スキーテクニック編
スキー歴も数年又は100日も越すと、自分なりにどうすれば滑れるか少しは分かるようになって来ます。
そこでチェックを受けないと大きな落とし穴に陥って次の段階へ進めなくなりますが、それはどの身体を使う運動でも同じことでしょう。
次の段階へ行けない、もしくは目指す斜面をうまく滑れない時こそ自分の技術的限界が来たと思ってチャンスにすべきです。
こんなものだろうと独りごちていると一部の才能のあるスキーヤーを除いて、独りよがりなスキーになってしまいます。つまり自分で思ってるほど客観的に上手くはないということです。
特殊な身体運動を要されるスポーツと言われるもの総ては、それをうまくこなすための合理的な“非日常的な身体の捌き”が必要とされます。
そのためには今までの自分の身体の常識に従っていては次の段階へ踏み出せません。
であるからこそ、インストラクター(指導者)は、生徒の今までの身体的常識を破るべく反復練習を強いるのです。そこで疑義を挟んではいけません。
そこいらは『日本辺境論』(内田樹:著、新潮新書)に詳しいので割愛しますが、とにかく『この人は上手い!同じようになりたい』と思えば、考え方、やり方に深く耳を傾けるべきでしょう。
レッスンを受けるのに楽な滑りをしてしまうということは(私のことですが)真剣味に欠けると言わざるを得ません。
新しい動作は身体に無理を強い、本能的に楽に動こうとする反応を抑え込むことでもあります。
外向傾ひとつ取っても、なかなか普段では用いない所作ですね。
拳法を学ぶ時には立ち方や歩き方、爪先の向き、指の角度まで細かく指定されますが、それでないと正しく力の伝わった打撃が出来ないからです。
スキーに於いてもそれは同様です(理論の飛躍はないか?)。
今回の私の課題はたくさんありました。
腕の位置が下がってしまう、左足谷足の時のスキーへの乗り込みが甘い、重心を落とし込むのではなくて脚部を伸ばして雪面を捉えようとする云々云々、キリがありません(笑)
それを直すための動作は、とても自分では不自然な動きなのですがそこを越せば上達します。
だいたいに於いて自分で『ユリイカ!』と叫ぶのと指導者の『そう!それです!』と言う言葉は一致します(稀に勘違いする人もいます)。
なので指導を受けるときは『今までの自分の経験則に照らし合わせて不自然で当たり前』なのです。
だから楽だと感じてレッスンを受けているときは、既にその動作が出来ているか、手を抜いて自分の今までのやりかたでやっているかです。
後者の場合、優秀な指導者はすぐそれを見抜きます。
せっかく自分が殻を破れる機会があったのでしたら(怪我をするほど無理をする必要はないですが)どうぞ楽をしないでトライしてください。
うまく行かなくて当たり前。しかし反復練習こそが次段階への扉です。
(頻繁に使用されるシナプスは、まれにしか使用されないシナプスに比べシナプス伝達の効率が高まる特徴がある)*1

写真はライン取りが崩れて来た私に後ろを滑らせて、これを矯正中のH川先生。五竜のラインコブにて。
最終的には15ターンほどで私は爆裂しましたが、この時にひとつステップアップを感じました!
ピッチが短く雪は腐っており、このラインに気後れしていた私はH川先生を視野に入れながら滑ることでいくつかの課題をクリアしていました。
二日間にわたるレッスンで『突き抜けたその一瞬』が一つでも掴めればこれは大した儲けものです。

*1:人体の構造と機能(原田玲子著・佐藤昭夫・佐伯由香編集、医歯薬出版p207)


日本辺境論 (新潮新書)
内田 樹
新潮社

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人体の構造と機能
原田 玲子,佐藤 昭夫,佐伯 由香
医歯薬出版

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コメント (10)
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