silly ski squadronスキー雑記

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スキーに於ける「踏む」とは何か

2006年04月07日 10時50分11秒 | スキーテクニック編
よく、スキーのレッスン等で、もっと板を踏んで!という言葉を聞きます。初めての方は何のことか分からないでしょう。
これも亦、私がしばしば申し上げている「スキー業界用語」の一つです。
しかも「ロタスィオン」や「デラパージュ」のように言葉が、ある動作に固定されているのに対して、日常生活にも使われる言葉なので、誤解が生じやすいのです。

「踏む」はシニフィアン、「その動作の概念は」はシニフィエ(※注)。
スキーではこの区分が非常に曖昧です。なので初学者は言葉に戸惑う。
もっと厳密に説明しないと、理解にブレが出ます。
教える方がうまく演技して、理論を正しくしないと、成人スキーヤーは納得しない。持つべきイメージも間違ってしまう。

一般に踏む、と言うのはスキーでは、何らかの方法でスキー板に荷重することを意味します。そして殆どの場合、それは谷回り(ターン前半部)で行われるべきものです。
さて、今日はモーグルの滑りを見ながら踏む、について考察しましょう。

このスキーヤーは中~高速で比較的直線的に滑り降りて来ています。
この分解写真で、「踏んでいる」のはどの部分でしょうか。
2コマ目から踏み始めて、3コマ目が踏み終わりに近いタイミングです。
カービングの時と同じく谷回り部分で荷重することを、モーグルでは踏む、と理解して良さそうです。
ブランコを漕ぐ時に力を入れるタイミングと同じような感じでしょうか。
急斜面側に(コブの裏側)身体とスキーを落とし込みながら縦向けに踏む、のです。
これが整地ですと、縦要素は少なくなり、横への要素が多くなります。

但し、この滑りは難しいので、まずは整地のプルークでの「踏む」感じを体得しましょう。開き出された山側スキーに荷重して同時に、ターン内側方向へと下肢をヒネリ込みましょう。
ただ荷重するだけでは不十分です。
スキー板の進行方向へ向けてヒネリながら、荷重、と言うのが、踏むと言うことになります(プルークの場合)。

スキーに限らず、足元に荷重、またはトルクを掛け続けると言うのは安定に繋がります。自動車レースでもそうですね。アクセルオン、で車の挙動は安定する。
以前、マウンテンバイクのダウンヒルムービーを観た時、ひどいぬかるみで次々とトップ選手が転倒していく中、難所をクリアして行ったのは、下りでも、ただただペダリングしていける選手達だけだったのです。
トルクを掛け続けることの重要性がよく出ていました。
なので、フリースキーをする場合でも、上にすっぽ抜けるようなターンをしている方は、見ていても不安定です。
文字通り足元が定まっていない。
一番顕著にあらわれるのが、ターン切り替え時なので注意して滑るように心がけましょう。

※注
シニフィアン:言語の持つ要素の音声面
シニフィエ:言語記号によって意味される内容
コメント (2)
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