ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

H.D.ソロー「森の生活」。

2010-09-01 16:29:14 | 
H.D.ソローの「森の生活 ウォールデン 上・下」を読んだ。
帰省したときに、なにか一冊もっていこうと図書館から借りてきて
中央自動車道の八ヶ岳山麓の風景を見ながら
ページをめくっていたら、森の生活がうらやましくなった。

彼は米国マサチューセッツ州コンコードの
ウォールデン湖畔に家をたて、2年2ヶ月暮らした。
朝は沐浴をし、釣りをしたり、
ウッドチャックや、野うさぎなどとの出会いを楽しむ。
そして、簡素に生きる。
生活できるだけ稼ぐというスタイルで生活をした。
豊かな物にあふれている現代に、
果たして物があるだけで本当に幸せかと問いかけてくる。

格言的な文章も魅力的だ。
質素で貧しい生活のなかに、富がある。
いまもっているよりも少ないもので
満足できるようにつとめてみたらどうか。
年を取ると、獲得したものより失ったもののほうが多くなる。
・・・・など、鋭い指摘で、納得させられる。
1世紀以上も前に書かれたなんて思えないほど、
いまの時代にも警鐘を鳴らす本だった。
また森の生態系についても、詳しく調査されていて驚いた。


最後の「むすび」の章にはこんな記述がある。

「生活がいくらみじめであろうと、
そこから顔をそむけたりはせず、ありのままに生きることだ。
自分の生活を避けたり罵倒してはいけない。

・・・・貧しくても生活を愛したまえ。救貧院にはいっていようと、
楽しく胸のときめく、すばらしい時間はあるだろう。

・・・・賢人にならって、貧しさを庭園のハーブのように栽培しようではないか。
衣服であれ友人であれ、新しいものを手に入れようと、
あまりあくせくするべきではない。
古いものを裏返しにして使い、つねに古いものへと立ち返ろう。
世間はちっとも変わりはしない。変わるのはわれわれのほうだ。」

希望がわいてくる本だった。

水景色 星模様/ルルティア
http://www.youtube.com/watch?v=k0A7wkL2RZM&feature=related
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