ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

空へ脱出した「南方郵便機」。

2013-04-27 10:08:51 | 
サン=テグジュペリの「南方郵便機」
「夜間飛行」「人間の土地」を
読んでみた(堀口大學訳)。
「南方郵便機」は、批評家からは
あまり評価が高くないみたいだが
個人的にはとても好きな一冊になった。

「南方郵便機」は、1920年代、
まだ飛行機が不時着したりして
死と隣り合わせの
危険な航空路開拓時代、
フランスのトゥールーズから
スペイン上空、モロッコを経て
仏領セネガルのダカールまで
郵便物を運ぶ操縦士の話だ。

物語は、話し手(僕)が
飛行路線の中継地である
カップ・ジュビーにいて、幼友達の
ジャック・ベルニスが向かってくるのを
通信記録などを挿入しながら時系列で語る。
また、飛行してくる間に、今まで二人の間で
やりとりされた手紙なども記され
二人の生い立ちや
過去についてもわかる構成だ。

幼いときから一緒だった二人は、
2歳年上のジュヌヴィエーヌという
女の子に恋していた。
大人になると、二人は自由を求めて空に憧れ
毎日の生活から脱出するように操縦士になった。
一方、ジュヌヴィエーヌは
家庭を築き「生活」を大切にする女性で
地に足のついた生活を望む。

操縦士になってしばらくたった後、
ベルニスは、つかの間の休暇のとき、
すでに結婚し、子供を病気で亡くした直後の
ジュヌヴィエーヌと会い、勢いで
駆け落ちまがいのことをするが
「自由」を愛するベルニスと
「生活」を守るジュヌヴィエーヌの
気持ちは平行線で終わる。

その後、トゥールーズから飛び立つ前に
再び彼女に会いに行くが
そこには死ぬ間際の彼女がいた。

ベルニスにとって宝物である
ジュヌヴィエーヌを、
とゔしても連れ出せなかった。
そんな思いで、飛行を続ける中、
最後は、ベルニスの遭難で終わる。

南下する飛行ルートの中、
ベルニスは多くの絆を断ち切って
身軽になってこの世を去ってしまった。
時間と空間の外へ出てしまった。

話し手である「僕」は、友情の蜘蛛の糸が、
君をつなぎとめておくことができなかったか?
それとも不実な羊飼いの僕が居眠りをしたか?
という自責の念の言葉をつぶやいて終わる。

全編、ベルニスよ、と語りかける、
その温かな眼差しが、悲しかった。
そして、砂漠や飛行機の中から見る
空や星の表現は美しく見事だった。

しかしベルニスのように、
すべてに束縛されない「無制限の自由」は
かえって心が落ち着かず不自由なことだと思う。
「夜間飛行」にも、
仕事に厳しく、義務を成し遂げた後こそ
幸福を実感できる瞬間だ、
みたいなことが書かれていたが
この人は、そんな枠の中にしか
自由とか幸福がないと言っている。

「人間の土地」にも、
気になるフレーズがたくさんあったので
こんど書き留めておこう。
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アサリのスパゲティ。

2013-04-20 09:05:17 | 
近くにオープンしたスーパーCOOPに
アサリが安く売られていたので
春らしくアサリのスパゲティ、
ボンゴレビアンコというのか、を
作ってみました。
オリーブオイルに、にんにく、唐辛子を
適量入れて、アサリを投入。
白ワインがなかったので
日本酒を適当に入れ、
殻が開いてくるまで蓋をし、
塩をパラパラ。
最後に茹で上がったスパゲティを投入。
何かが足りない、、と思ったら
緑のパセリ。
ワインの代わりに日本酒を使ったので
イタリアンなのか和風なのか
どっちつかずの味かなと思ったけど
けっこう、美味しかったです。

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雀が来てる。

2013-04-17 09:06:28 | 独り言
実家で庭にリンゴを置いておいたら
ヒヨドリやら、キジやらが
来るようになったのを見て
東京でも、ベランダに玄米を
播いてみるようにしました。
そしたら、かわいいもので
時々、雀が来るようになりました。

朝、カーテンを開けると、
ベランダに2~3羽飛んで来ています。
しかし、都会の鳥は警戒心が強いのか
窓のそばまで行くと、
すぐ飛んで行ってしまいます。

こちらから近づくと飛び去ってしまう。
幸福なんかも、こちらから
求めると去ってしまって
何にも考えずにいると、いつのまにか
隣に座っているのかもしれません。
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人が減っていく天龍村。

2013-04-14 09:43:56 | 独り言
ちょっと前の読売新聞・長野版(ネット版)に
長野県の人口減少が激しく、
2040年には、2010年に比べて
2割以上減るという統計が出ていた。

とくに天龍村の減少率が
県下の自治体のなかで最も高く、
1657人から597人に減るらしい。。。
6割以上が減るという。
おいおい、そんな事態になってしまうのか。。

ヒトよりも、猿のほうが、
ヒトよりも、鹿のほうが、
ヒトよりも、熊のほうが、
多くなってしまうかも。。

いまでも空き家があちこちにあって、
風雨に晒されているのに
さらに寂れてしまう。

なんとかしないと、村自体が消滅してしまいそう。。
同級生の何人かは村でがんばっているが
このままではにっちもさっちもいかなくなる。。。
といって、新たな産業が興るかといえば難しい。

村を離れて、遠くから意見してもはじまらないが
過疎化と高齢化という難しい問題に直面している。
〈写真 商店街に移転したガソリンスタンド〉
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