伊集院静の「羊の目」を読んだ。
夜鷹の子供として生まれたタケミが、
血のつながりのない侠客・組長を「親」として慕い、
一筋に「親」への忠誠を貫く義理を描いている。
浅草を中心とした任侠の世界だけでなく、
舞台は大阪、アメリカ・・・へとさまざまに飛んでいく。
任侠の世界をどっぷり描いているわけではなく
その点では、多少薄味かもしれないが、
テンポよく、進展していく。
最後は、そーなんですかと納得してしまった。
そして、花村萬月の「ワルツ」も読了。
太平洋戦争直後の東京で、特攻くずれの城山と
美しい顔立ちの朝鮮人・林敬元、そして百合子が
ヤクザの抗争、米軍統制下のなかで逞しく生きていく。
「羊の目」も「ワルツ」も、任侠の世界、強者の悲哀、
自己犠牲、恋情などを描いているが、
オイラ的には濃密さといい、蘊蓄の多さ、語彙の多さといい、
胸が軋む感覚といい、「ワルツ」のほうが読み応えがあった。
伊集院静のほうは、澄んだ上澄みを手ですくい、
余韻を持たせた文章だが
花村萬月は、樽の底の澱までも
詳らかに記述して、裏の裏まで見せる。
そして、それがまた、想像力を刺激する。
博徒の世界を描いた「二進法の犬」も凄かったが、
「ワルツ」でも、あらためて花村萬月の天才ぶりに感動した。
流星ワルツ/ふきのとう
http://www.youtube.com/watch?v=vKpW8NgJdzI&feature=related
夜鷹の子供として生まれたタケミが、
血のつながりのない侠客・組長を「親」として慕い、
一筋に「親」への忠誠を貫く義理を描いている。
浅草を中心とした任侠の世界だけでなく、
舞台は大阪、アメリカ・・・へとさまざまに飛んでいく。
任侠の世界をどっぷり描いているわけではなく
その点では、多少薄味かもしれないが、
テンポよく、進展していく。
最後は、そーなんですかと納得してしまった。
そして、花村萬月の「ワルツ」も読了。
太平洋戦争直後の東京で、特攻くずれの城山と
美しい顔立ちの朝鮮人・林敬元、そして百合子が
ヤクザの抗争、米軍統制下のなかで逞しく生きていく。
「羊の目」も「ワルツ」も、任侠の世界、強者の悲哀、
自己犠牲、恋情などを描いているが、
オイラ的には濃密さといい、蘊蓄の多さ、語彙の多さといい、
胸が軋む感覚といい、「ワルツ」のほうが読み応えがあった。
伊集院静のほうは、澄んだ上澄みを手ですくい、
余韻を持たせた文章だが
花村萬月は、樽の底の澱までも
詳らかに記述して、裏の裏まで見せる。
そして、それがまた、想像力を刺激する。
博徒の世界を描いた「二進法の犬」も凄かったが、
「ワルツ」でも、あらためて花村萬月の天才ぶりに感動した。
流星ワルツ/ふきのとう
http://www.youtube.com/watch?v=vKpW8NgJdzI&feature=related