ボイシー日記

手がふさがっていては、新しいものは掴めない。

2009年読本・備忘録。

2009-12-28 16:03:00 | 
そろそろ2009年も終わり。
で、忘れないように、今年、読んだ本リスト。

今年は、芥川龍之介の鋭い文章の剃刀に切られ、
明治、大正、昭和初期文学を読み直し
三浦綾子、遠藤周作が書くキリスト教世界にふれた。
そして中上健次の故郷・熊野で、
その舞台の熱い息づかいを感じてきた。
来年は、誰を掘ろうか検討中だが
とりあえず今読んでいる
G.マルケスの「生きて、語り伝える」は
凄い記憶力と圧倒的な言葉の洪水で素晴らしすぎる。

■小説・随筆
【芥川龍之介】蜘蛛の糸・杜子春/羅生門・鼻/地獄変・偸盗/戯作三昧・一塊の土/侏儒の言葉・西方の人/河童・或る阿呆の一生〈新潮文庫〉 芥川龍之介全集8巻〈ちくま文庫〉
【国木田独歩】武蔵野/忘れえぬ人々/牛肉と馬鈴薯/竹の木戸
【堀辰雄】ルーヴェンスの偽画/聖家族/窓/馬車を待つ間/燃ゆる頬/麦藁帽子/美しい村/風立ちぬ/曠野(あらの)/姥捨/晩夏
【安岡章太郎】海辺の光景/夕陽の河岸/カーライルの家
【宮沢賢治】新編・銀河鉄道の夜/新編・風の又三郎/注文の多い料理店
【三浦綾子】氷点/続・氷点/塩狩峠/ひつじが丘
【その他】たけくらべ〈現代語訳〉(樋口一葉) 浮雲(二葉亭四迷) 刺青(谷崎潤一郎) 野菊の墓(伊藤左千夫) 毒薬を飲む女(岩野泡鳴) 田園の憂鬱(佐藤春夫) 聖ヨハネ病院にて/春の坂(上林暁) 大津順吉(志賀直哉) ヴィヨンの妻/トカトントン(太宰治) 死の棘(島尾敏雄) 羊の目/少年譜(伊集院静) ワルツ〈上・中・下〉(花村萬月) 青銅時代/花深き(小川国夫) 気をつけ、礼。(重松清) ぼくたちは大人になる(佐川光晴) 聖家族(古川日出男) アラブのこころ(曾野綾子) 岬/枯木灘(中上健次) 言霊の天地(中上健次・鎌田東二) 草枕(夏目漱石) 父・夏目漱石(夏目伸六) 許されざる者〈上・下〉(辻原登) 奇縁まんだら(瀬戸内寂聴) 死者の書/身毒丸(折口信夫) 沈黙/深い河(遠藤周作) 

■評論・評伝・実用書
日本近代文学の名作/良寛(吉本隆明) 不機嫌の時代(山崎正和) 芥川龍之介「ことばの仕組み」(菊地弘・田中実) 芥川龍之介-作品の迷宮(酒井英行) 物語の娘(川村湊) 新潮日本文学アルバム-堀辰雄-  中上健次論-熊野・路地・幻想-(守安敏司) 評伝・中上健次(高澤秀次) 熊野詣(五来重) 悩む力(姜尚中) 奴隷の時間自由の時間(ひろさちや) 決定版・夏目漱石(江藤淳)「拝啓 漱石先生」(大岡信)

部屋を出て下さい/ピーマン
http://www.youtube.com/watch?v=h5VDSWskmqs&feature=related
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子規と漱石。

2009-12-23 11:27:19 | 
いまNHKで「坂の上の雲」がドラマ化されているが、
そのなかで正岡子規と夏目漱石がでてくる。
正岡子規と夏目漱石は親友同士だ。

たまたま大岡信の「拝啓 漱石先生」という本を読んでいたら
漱石は、ロンドン滞在中に
病気で臥せている正岡子規へ向けて
毎月、多いときで100句ぐらい作った俳句を送っていたらしい。
そのなかには、自身でもだめだと思う駄作も入れている。
病気で苦しんでいる正岡子規に駄作を送ることで
なんとか元気づけようとしている。
添削好き、教えることが好きだった子規を慰める方法が
駄作の俳句を送って朱をいれさせることと考えたのだ。
子規が得意気になって「またまた、こんな俳句を作って・・」と言いながら
いきいきとした顔で添削をしている様子が目に浮かぶ。
本には、それが友情だったんだね、と書かれている。
ただ、頑張れ、というよりも、相手が気づかないうちに
自然に勇気をあたえようとしている。

また、夏目漱石は、ロンドンから帰ってきて小説を書くようになったが
以前は漢文学をやっていたから、
こころのなかで満たされないものがあった。
東洋と西洋のバランスをとるために
午前中は、小説を書いて、午後は漢詩を書くようにしていたという。
オイラも、午前中は仕事、午後はブログを書くようにするか。。。
午前中に(仕事で)ストレスがたまって、午後に発散するということか?!

会いたくて/谷山浩子
http://www.youtube.com/watch?v=nMDXDHYJhK4&feature=related
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いつのまにか入れ替わっているストーブと僕。

2009-12-16 16:06:01 | 仕事
この一週間ばかりは、DVDのカタログにのせる
ショート解説文というのをやっていた。
ホームページにでてるDVD解説文を
きまった文字数にしてまとめて、カタログにのせる。

担当者が、400~500コくらいありますから!と、おどすので、
そりゃあたいへんだぁと、
コピーライター二人で手分けして
おっちらおっちらと取りかかって、やっと終了。
ストーブをつけて、部屋にとじこもりがちな生活でした。

最近はそんなに長いあいだパソコンの
画面を見ていることはないので、
毎日夕方になると、どうも目がギラギラしてイカン。
もう体力の限界か?

しかし、書いている最中は、寄り道が多くなる。
へぇ~、この人、こんなDVD出ていたんだ、とか
ほーこれは、ちょっとチェックしとかなぁアカン、と
別のサイトへ、いってしまう。

ということで、体力勝負で乗り切った一週間でした。

12月/SION
http://www.youtube.com/watch?v=JdIl5Ov7bEA&feature=related
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若尾文子×3本@神保町シアター。

2009-12-07 10:57:51 | 音楽・映画
久しぶりに神保町シアターで、若尾文子映画、3本を観てきた。
といっても、特集は「目力対決・田宮二郎と天地茂」。
昭和のニガミばしった(死語か?)二人の男優対決。
そのなかで若尾文子が出演している3本だ。

◎「女の小箱」より 夫が見た
増村保造監督1964年作品
出演:田宮二郎、若尾文子、川崎敬三、岸田今日子、江波杏子etc

◎不信のとき
今井正監督 1968年
出演:田宮二郎、若尾文子、岡田茉莉子、加賀まりこ、岸田今日子etc

◎わたしを深く埋めて
井上梅次監督 1963年
出演:田宮二郎、若尾文子、川崎敬三、江波杏子etc

上映されると一瞬で昭和の空気に包まれる♪
映し出される街の風景から、バーの雰囲気、使われている小道具、
ファッション、BGMまで、昭和30年代の香りが伝わってくる。

3作品とも同じような出演者を、3人の監督がそれぞれ撮っている。
しかし共通なのは、若尾文子の美しさ。
長い睫毛と、やや低い声がなんともいえず、そそられる。
そして妖艶というか、吸い込まれそうな口の岸田今日子も素晴らしい♪

個人的には、増村保造の「夫が見た」がよかった。
ある化学会社の株を買い占めて乗っ取りを図る野心家の男が、
その会社の株式部の男の妻を愛するようになり、
最後は乗っ取りをあきらめて、妻と結婚をしようとするが。。。
愛を選ぶか、金・地位・名誉を選ぶか、という話だ。

そして、「不信のとき」は、どちらかといえば娯楽映画だ。
妾・若尾文子vs本妻・岡田茉莉子の対決がいい。
当時25歳の加賀まりこが脇役ででいるのも可愛かった。
「わたしを深く埋めて」は、1度みただけでは、
物語の展開がはやすぎて、よくつかめませんでした。
脚本がこなれていないというか、
短い時間のなかでムリがあったというか。。

それにしても男性陣・田宮二郎の目力も凄いが、
女性陣・若尾文子たちの目力も迫力満点。堪能しました。

〈写真:左より 特集「目力対決・田宮二郎と天地茂」ポスター、
「女の小箱」より 夫が見た、不信のとき、わたしを深く埋めて〉

カスバの女/緑川アコ
http://www.youtube.com/watch?v=IjaRFMt5xZY&feature=related

田宮ポスタ.jpg夫が見た.jpg不信.jpg深く沈めて.jpg
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