臼井吉見の「安曇野」からは、有島武郎の「或る女」、
野呂邦暢からは、井伏鱒二、庄野潤三などを、芋づる式に読んだ。
井伏鱒二の「川」は、不思議な感覚。新鮮でした。
庄野潤三の随筆は、やさしさと、ユーモアたっぷり。
家族や豆腐屋、絵画や陶磁器、
植物、昆虫の話などが題材となっている。
とくに好きだったのは、「自分の羽根」にあった
「今年のムカデ」という話の、草刈り人夫と青大将の件。
ある日、自宅の前の浄水場で人夫二人が草刈りをしていると、
その横の松の枝に青大将が巻き付いていた。
人夫の爺さんに聞くと、蛇の方を見て
さっきからああやっているという意味のことを言った。
多分、二人が草を刈ってそばまで来たので、
手近な松に上がったというわけだろう。
それは人間でいえば、家の中にいるとき、
誰かが拭き掃除に来たので、
その間だけちょっと邪魔にならないところに
よけているようなものだ、と。
いいなぁ、こういう感覚。
蛇を追い払うのでなく、やさしさにあふれている。
午前中に読んで、お昼を食べて午後からも。。
ごろりと寝転がりながら、うとうとして、
いつの間にか寝ていることもよくあった。
大の字ならぬ、手から文庫本がこぼれて、犬の字で寝ていた。
野呂邦暢からは、井伏鱒二、庄野潤三などを、芋づる式に読んだ。
井伏鱒二の「川」は、不思議な感覚。新鮮でした。
庄野潤三の随筆は、やさしさと、ユーモアたっぷり。
家族や豆腐屋、絵画や陶磁器、
植物、昆虫の話などが題材となっている。
とくに好きだったのは、「自分の羽根」にあった
「今年のムカデ」という話の、草刈り人夫と青大将の件。
ある日、自宅の前の浄水場で人夫二人が草刈りをしていると、
その横の松の枝に青大将が巻き付いていた。
人夫の爺さんに聞くと、蛇の方を見て
さっきからああやっているという意味のことを言った。
多分、二人が草を刈ってそばまで来たので、
手近な松に上がったというわけだろう。
それは人間でいえば、家の中にいるとき、
誰かが拭き掃除に来たので、
その間だけちょっと邪魔にならないところに
よけているようなものだ、と。
いいなぁ、こういう感覚。
蛇を追い払うのでなく、やさしさにあふれている。
午前中に読んで、お昼を食べて午後からも。。
ごろりと寝転がりながら、うとうとして、
いつの間にか寝ていることもよくあった。
大の字ならぬ、手から文庫本がこぼれて、犬の字で寝ていた。