神保町シアターで「地上」を観てから、
さらに3本観てしまいました。
それより、あの映画館、
シルバー向けと何度も書いて失礼だが♪
待ち時間には、ロビーにたくさんの
御婦人・紳士たちがあふれ、病院の待合室状態。
マッサージチェアも2つ設置されている!
シアター側も、シルバー向けと意識しているんだろうな♪
* * *
で観たのは「足にさわった女」「夜明け前」「破戒」。
「足にさわった女」は原作:沢田撫松、監督:増村保造、
脚本:和田夏十・市川崑、出演:京マチ子、
船越英二、クレイジーキャッツ他。1960年 大映東京。
いきなりフレームいっぱいに網タイツの足のアップではじまり
増村保造の妖艶な映像世界が続くと思っていたら、
それは最初のクレジットロールくらいまで。
あとは市川崑のカラーが強い娯楽映画だ。
スリを働く女スリ師と、それを追いかける大阪の刑事、
それに三流作家がからむ、ドタバタ軽快コメディでした。
島崎藤村原作の「夜明け前」「破戒」も素晴らしかった。
「夜明け前」は吉村公三郎監督の代表作。1953年作品。
明治維新をはさんで、木曽の馬籠宿の本陣の主の目から見た
社会の変化や自分たちの生活の変わりぶりを描いている。
本陣の主は、尊王攘夷の原動力となった復古神道、古道の主流、
平田篤胤の国学思想を重んじ、
逃亡してきた水戸の天狗党などの世話もしている。
馬籠や伊那あたりは、平田学派というのが盛んだったらしいが
オイラの家も神道なので、祖先はそんな影響も受けていたのかも。
「破戒」は木下恵介監督の1948年、松竹京都の作品。
テキサスの話は出てこなかったが、
ほぼ原作に忠実に描かれている。
瀬川丑松は、被差別民という身分を隠せという
父の戒めを破って告白しようかと何度も悩むが
そのうち、職員たちの間に民であるという噂が流れはじめ、
瀬川はついに職員室で告白する。
子供たちの前でも、嘘をつくなと教えながら、
自分はひた隠しに身分を隠して嘘をついてきたと謝る。
自分が暴かれるという恐怖と、それに対して自分から告白する勇気。
しかし、告白したことで、新しい世界は広がっていく。
瀬川の旅立ちの日にも、子供たちは手を振って見送ってくれる。
同僚の土屋も、「告白してくれてうれしいよ」的なことを言ったと思うが
正直な自分の立場を言って、身の丈にあった生活ほど心地いいものはない。
収まるべきところに収まってこそ、心の安寧が訪れる。
〈写真:左/足にさわった女、右/夜明け前〉
Natural/NOKKO
http://www.youtube.com/watch?v=hmQgtIhhHOE
さらに3本観てしまいました。
それより、あの映画館、
シルバー向けと何度も書いて失礼だが♪
待ち時間には、ロビーにたくさんの
御婦人・紳士たちがあふれ、病院の待合室状態。
マッサージチェアも2つ設置されている!
シアター側も、シルバー向けと意識しているんだろうな♪
* * *
で観たのは「足にさわった女」「夜明け前」「破戒」。
「足にさわった女」は原作:沢田撫松、監督:増村保造、
脚本:和田夏十・市川崑、出演:京マチ子、
船越英二、クレイジーキャッツ他。1960年 大映東京。
いきなりフレームいっぱいに網タイツの足のアップではじまり
増村保造の妖艶な映像世界が続くと思っていたら、
それは最初のクレジットロールくらいまで。
あとは市川崑のカラーが強い娯楽映画だ。
スリを働く女スリ師と、それを追いかける大阪の刑事、
それに三流作家がからむ、ドタバタ軽快コメディでした。
島崎藤村原作の「夜明け前」「破戒」も素晴らしかった。
「夜明け前」は吉村公三郎監督の代表作。1953年作品。
明治維新をはさんで、木曽の馬籠宿の本陣の主の目から見た
社会の変化や自分たちの生活の変わりぶりを描いている。
本陣の主は、尊王攘夷の原動力となった復古神道、古道の主流、
平田篤胤の国学思想を重んじ、
逃亡してきた水戸の天狗党などの世話もしている。
馬籠や伊那あたりは、平田学派というのが盛んだったらしいが
オイラの家も神道なので、祖先はそんな影響も受けていたのかも。
「破戒」は木下恵介監督の1948年、松竹京都の作品。
テキサスの話は出てこなかったが、
ほぼ原作に忠実に描かれている。
瀬川丑松は、被差別民という身分を隠せという
父の戒めを破って告白しようかと何度も悩むが
そのうち、職員たちの間に民であるという噂が流れはじめ、
瀬川はついに職員室で告白する。
子供たちの前でも、嘘をつくなと教えながら、
自分はひた隠しに身分を隠して嘘をついてきたと謝る。
自分が暴かれるという恐怖と、それに対して自分から告白する勇気。
しかし、告白したことで、新しい世界は広がっていく。
瀬川の旅立ちの日にも、子供たちは手を振って見送ってくれる。
同僚の土屋も、「告白してくれてうれしいよ」的なことを言ったと思うが
正直な自分の立場を言って、身の丈にあった生活ほど心地いいものはない。
収まるべきところに収まってこそ、心の安寧が訪れる。
〈写真:左/足にさわった女、右/夜明け前〉
Natural/NOKKO
http://www.youtube.com/watch?v=hmQgtIhhHOE