歳のせいか、陶器がちょっと気になり始めました。。。
昔から、十草文様の器が好きで
茶碗や皿などにそうした文様のものを使っていました。
先日、民藝運動の柳宗悦の随筆を読んでいたら
瀬戸物のなかかでもとくに尾張品野の麦藁手という、
縦に太い線と細い線が描かれた器がいいと書かれていて
ますます引かれようになりました。
(白洲正子も麦藁手の器が好きだったとか・・)
そもそも柳宗悦は、雑器こそ、美の究極であるという。
「雑器の美」という随筆に
雑器は誰もが使い民衆の器具であり
希有のものではなく、いつも巷にあふれている。
毀れれば、同じものが供給される。
多量に生産され供給され、同じ手作業の
反復によって、強くて確かな美が生まれる。
多量な製作は、必然、美しき器たる運命を受ける。
雑器と呼ばれる器の背後には、長き年月と多くの汗と
限りなき繰り返しとがもたらす技術の完成がある。
無学な職人から作られたもの、
当時の民衆の誰もが用いるもの、
下物(げてもの)と呼ばれて
日々の雑具に用いられるもの、
裏手の暗き室内で使われるもの、彩りもなく、
貧しき素朴なもの、数も多く廉価なもの、
この低い器の中に高い美が宿っている、と言っている。
なんだか、すべてにおいて、納得させられます。
◎ ◎ ◎
で、瀬戸品野・小春花窯の麦藁手、十草、
馬の目の器、各1点を入手しました。
麦藁手の鉢は、カレーなどを入れたら
とてもおいしく見えそうな20cmほどの平鉢。
色加減もよく、存在感のある器です。
そして二色十草という、
繊細で親しみやい縦縞の五寸切立鉢。
これは筑前煮などの煮物を入れるのに最適!
そして皿の周囲に、馬の目のような
渦巻き文様が描かれた、馬の目皿。
この馬の目文様は、
江戸時代から明治時代にかけて流行し
街道筋の旅籠などでごく一般的に使われた
陶器の代表的な文様らしいです。
使って洗ったりするのに気を使いそうだけど
日頃使いにしたいと思います。
(写真:上より 麦藁手の鉢/二色十草の鉢/馬の目皿)
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