徳富蘆花の「不如帰」を読んだ。
明治31~32年に国民新聞に掲載された小説。
結核小説の草分けでした。
悲哀の主人公・浪子は、
川島武男のところに嫁入りして幸せに暮らしていたが
結核を患い、逗子で療養することになる。
時代は日清戦争に突入す。
武男の母である姑は、そんな浪子の結核が武男にも伝染して、
川島家が断絶しかねないと心配になり、離縁させる。
武男はそんなことが起きているとは知らずに戦争から戻り、
浪子が離縁させられて実家へ戻っていることに落胆する。
結局、浪子は帰ることなく、病死してしまう。不如帰。
また当事者二人が知らないところで離縁させられるという、
不条理きわまりない設定で
それだけでも当時の読者は、はらはらして読んだのだろう。
ところで当時、結核は不治の病だった。
結核に罹った悲しい運命の浪子と武男の純愛は、
そんな病気を乗り越えて、
離縁されてもお互いに思い合う気持ちが美しい。
一方、二人の愛よりも、川島家の将来を心配する
武男の母の考えも、理解できなくはない。
なんとも切ない小説だった。
明治31~32年に国民新聞に掲載された小説。
結核小説の草分けでした。
悲哀の主人公・浪子は、
川島武男のところに嫁入りして幸せに暮らしていたが
結核を患い、逗子で療養することになる。
時代は日清戦争に突入す。
武男の母である姑は、そんな浪子の結核が武男にも伝染して、
川島家が断絶しかねないと心配になり、離縁させる。
武男はそんなことが起きているとは知らずに戦争から戻り、
浪子が離縁させられて実家へ戻っていることに落胆する。
結局、浪子は帰ることなく、病死してしまう。不如帰。
また当事者二人が知らないところで離縁させられるという、
不条理きわまりない設定で
それだけでも当時の読者は、はらはらして読んだのだろう。
ところで当時、結核は不治の病だった。
結核に罹った悲しい運命の浪子と武男の純愛は、
そんな病気を乗り越えて、
離縁されてもお互いに思い合う気持ちが美しい。
一方、二人の愛よりも、川島家の将来を心配する
武男の母の考えも、理解できなくはない。
なんとも切ない小説だった。
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