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イタリア海軍、最大の戦艦は、リットリオ級戦艦3隻で、
1940年から1942年にかけて建造されました。
戦艦ローマは最後に出来た3番艦でした。
排水量、42000トン。全長237,8メートル。全幅32,9メートル。
速力30ノット(時速55,5キロ)乗員1860名。
15インチ(38センチ)砲、3×3ー9門の大戦艦でした。
1943年(昭和18年)9月、イタリア降伏の直前、
イタリア軍司令部は、イタリア海軍の全艦艇をイギリス海軍基地に向け、
出港させ降伏する事を命じます。
イタリア海軍の艦艇がドイツ海軍の手に落ちる事を防ぐためでした。
9月9日、イタリアの軍港からイギリス領マルタ島に、
戦艦2隻、軽巡洋艦1隻、駆逐艦8隻が密かに脱出を図っていました。
それを察知したドイツ軍は、イタリア艦艇をイギリスに渡してはならじと、
特別爆撃隊を出撃させます。
それは爆撃機に抱えた無線誘導爆弾、フリッツXによる攻撃でした。
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ドイツ軍が開発した誘導爆弾フリッツXとは、
全長3,26メートル、全幅1,4メートル、重量1,57トン、弾丸直径0,6メートル。
爆撃機の胴体下部に吊るされ、切り離されたフリッツXは、
尾端の操舵翼を母機の爆撃手が操縦して針路を決めるのです。
フリッツが命中するかはその全てが爆撃手の力量にかかっています。
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1発目のフリッツXは戦艦ローマの後部右舷甲板に命中し、艦底に達し爆発。
この爆発でローマの右舷機関が破壊され、速力は急速に低下。
その3分後に2発目のフリッツXが命中。
これは艦首第二砲塔と艦橋の間の右舷に命中しました。
この爆弾は前部弾薬庫の誘爆を引き起こして爆発。これが致命傷となりました。
火薬庫は大爆発となって4万トンの戦艦ローマは真っ二つに折れたちまち沈没。
乗組員1872名中、1400人が犠牲となりました。
もう1隻の戦艦イタリアもフリッツXの攻撃を受けますが、
辛うじて生き残る事ができました。
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また、9月16日にはイギリス戦艦、ウォースパイトもフリッツX2発の命中弾を受けました。
しかし、ウォースパイトは辛うじて沈没をまぬがれ生き残る事ができました。
1942年に完成した、新進気鋭42000トンの大戦艦ローマは沈み、
1915年完成の老骨に鞭打つベテラン、32000トンの戦艦ウォースパイトは沈まなかった。
この差は、運だけなのでしょうか。
こういった誘導爆弾の類には、
日本には「桜花・おうか」という爆弾がありました。
しかし、この2つの爆弾には決定的な差がありました。
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フリッツXは無線操縦による爆弾だったのに、
日本の桜花は、生きた人間が乗って操縦し敵に突っ込んで行く、自殺兵器だったという事です。
同じ同盟軍でありながら、ドイツはあくまで兵士を道具などとは思わない。
それに対し日本軍というのは、どこまでバカなんでしょうか。
人間魚雷・回天。 人間爆弾・桜花。
これらの自殺兵器を、アメリカ軍は「バカ」と呼んでいました。
ほんとにバカとしか言いようが無い、あまりにも悲しい事実でした。
まなじりを決し、日の丸のねじり鉢巻きを締めて、20歳の青春を散らして逝く。
同じ兵士になるにしても、日本軍だけにはなりたくない。
敵から「バカ」と笑い者にされながら死にたくはない。
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